ヴァイオリン日記

オーストラリア・メルボルンでヴァイオリン弾きをしてます。日常生活で感じたこと、経験した事、きままに更新しています。

反抗期

2005年08月09日 | 教えること
私が子供の頃、どうやって練習をしているように
見せかけるか、色々考えたものだ。

私は2階で練習するといって、2階に行くようになった。
すると、親は私の部屋にスピーカーを取り付けた。
親が下でスイッチを押すと、2階での練習が全て聞こえるのである。
そこで、私は考えた。
<よし、練習をカセットに録音しておこう。>
私は1時間くらい続けて練習し、それを録音し、
再生し続けた。
不信に思った母は、そーっと私の部屋のドアをあけた。
私はそこで、漫画に集中。

それからはもちろん練習は下でする事になってしまった。

こんな事をしていたのは私だけかなと思っていたが、
恩師(某大学教授)も、同じような事をしていたと言っていた。

子供は練習より、遊びに興味があって当たり前である。

でも、そんな思い出も今続いているから、
笑えるいい思い出になっている。

左指の問題

2005年08月07日 | 教えること
左指が自由に動かない、速く動かそうとすると、何かが邪魔している。
こういった悩みは特にレイトスターターの生徒さんから、よく聞かれる。
 
1.左肩とあごに力をいれて、ヴァイオリンを支えている。
(肩に力が入っていると、もちろん指先にも影響が出る)
 
2.ヴァイオリンをさげて構えている。
(左脇にスペースを確保する事によって、腕を自由に動かせる。) 

3.パッセージの動きを脳で把握し、指への伝達ができていない。
(練習中、集中して指の動きを把握する。 ゆっくりからの練習、スラーでの
練習は絶対。スラーで練習する事によって移弦の把握につながる。
また、普段から好んで速い曲を注意深く聴いたりするといい。)
 
4.指の独立、筋力の問題。
(これらは、すぐ身につくものではないので、気長に訓練するといい。
手があいてる時に指を開く訓練をしたり、
1本ずつ指を独立させる訓練をする。)

これらは全て脱力の状態で行う事がが絶対条件だ。
そのほかにも、何か気づいたら、今後あげていこうと思う。

生徒が旅立つ時

2005年08月06日 | 教えること
私の最初のヴァイオリン教師はイタリア人だった。
彼は日本語を話さなかった。
始めは、日本人の助手の先生が一緒にレッスンをしてくれたが、
しばらくすると、助手の先生は席をはずすようになった。

彼はとても、熱心に教えてくれた。
それに答えるように、私も頑張った。
一回のレッスンが2時間以上になる事はざらにあった。
言葉は通じなかったのに、
レッスンの内容はかなり充実したものだった。

ある時、私はある音楽大学の付属の入試を受けたいと申し出た。
先生はそれには、反対した。
反対された理由は今、考えるといろいろある。
学校に入ったら、ほかの先生につくであろうし、
先生も、私の将来について、色々考えていたのであろう。

ただ、私はどうしたらよいのかわからなくなった。

結局、私はその先生のもとを離れる事になった。
私は今でも、その時の事を考えると、切なくなる。

生徒は成長し、旅立っていかなければならない。
 
いつまでも、自分のもとにおきたがる教師もいるが
私は、もし、そういう状況になったら、
生徒とご両親の意思を尊重して、
できるだけ、力になりたいと思う。


 







音感

2005年08月05日 | 教えること
ある、4歳の生徒さんはヴァイオリンを始めて1ヶ月。
とても人懐っこい、頑張り屋さんの女の子。
彼女はキラキラ星のフィンガリングを勉強中。

昨日のレッスンで、
Cisの音をかなり高く弾いてしまった瞬間に、
自ら2の指を低く、正しい音程にずらしたのだった。

私はまだ、一ヶ月の彼女が正しい音程を聞き分けられるとは
思っていなかったので、とてもびっくりした。
しかも、どうしたら音が高くなるとか、低くなるとか、
また、音が高いとはどういうことかなど、
理解しているとは思っていなかった。

曲を歌わせている事、曲をかなり聞かせている事
によって自然に音感が育ってきているに違いない。

6歳までに音感は完成される。
音感は訓練によって
育成されるものだと実感したレッスンだった。

子供のプライド

2005年08月04日 | 教えること
私は子供を教える時、その子のプライドを
傷つけない様に、教えたいと思う。

正しく弾いてもらおうとすると、
つい、間違えをすぐ指摘しまう事がある。
毎回レッスンでそうしてしまうと、
子供はレッスンにストレスがたまり、
プライドが傷ついていき、
レッスンに来るのが嫌になってしまうだろう。
 
正しい事を自然にできる練習法をレッスンで開発する。
次回までに、それをやってきてもらう。
何に気をつけるか、レッスンの最後に、
生徒自身に繰り返してもらう。


子供の場合はそれらはとても重要だと思う。



ヴァイオリンの練習時間

2005年08月02日 | 教えること
私が学生の頃は毎日、練習時間を決めていた。
朝、何時間、学校から帰ってきてから、何時間というふうに。

また、友達は練習時間を決めず何時間も弾いていた。 
できれば、私も、練習時間を決めずに何時間も弾けたらよかった。

ただ、私は毎日何時間弾くと決めてからは、必ずそれを続けた。
そのように毎日のプランをたてないと、
練習以外のほかの事をし、練習時間がなくなってしまうからだ。


何か一つの事に集中して、一つの事に 
好奇心を持ち続けられるのは才能の一つだと思う。
ヴァイオリンの場合は、毎日、何時間、何十年と弾き続けるのだから、
才能のなにものでもない。

しかし、ほかの事に好奇心をもち、それを試しながらも
続けてきたものに価値観をもち、さらに続ける事もすばらしいと思う。

どちらにせよ、弾く事が好きでないと、続かない。



 






マナー

2005年08月01日 | ひとりごと
オーストラリアの親は日本人とは違う。

結構、放任主義だ。

レストランで、劇場で、トランスポートで、
子供達は、好き勝手やっているように、私には見える。
チェコにいた時も、USにいた時も同じ事を感じた。

日本は狭く、人口も多い。
皆、忙しいし、疲れている。
アメリカの約半分の人口が、あの小さな日本に押し詰められているのだから、
それは、マナーというものが大切になる。

私はそのマナーというものは
日本独特の文化だと思う。
その、文化の中で育った私は、
オーストラリア人の余裕のある態度に少し感動する。
親だけではなく、周りの人間にも余裕があるからだ。

もちろん、ここオーストラリアにも
マナーは存在するが、日本のそれ程厳しくない。

どちらがいいとか、悪いとかではなく、
社会にあった文化が、自然にできる。

大変に興味深い。