11月15日(火)、家で昼食を済ませてから「早稲田大学」まで行って来ました。午前中は雨が降っていましたが、昼から晴れて来たので「大隈庭園」にも行ってみました。でも、残念ながら天候不良との事で閉園となっていました。仕方がないので、学内を少し散策してから展示を観に行きました。キャンパスには学生たちが戻って来て、活気が感じられました。帰りの16時30分頃には南門通りに「ワセダベア」のイルミネーションが点灯していました。「ワセダベア」は早稲田大学創立125周年記念キャラクターとして2000年に誕生したそうです。生みの親は漫画家の「弘兼憲史」さん(法学部・卒)です。
「會津八一」(あいづやいち)は1881年8月1日に生まれたので「八一」と名付けられました。書家・歌人として知られ、美術史研究と教育に力を注ぎました。作品と直に接する事が不可欠であるとの「実学」の基、私財を投じて約4000点のコレクションを資料とし、博物館設立を提言していました。これを一つの柱として1998年、やっと旧図書館(2号館)を再生して開館が実現されました。2万点を越える作品・資料を収蔵しています。
今回は企画展として、《 下総龍角寺展 》が開催されていました。「早稲田大学」では1940年の発掘以降、継続的に「龍角寺」と6世紀前半から7世紀にかけて造営された「龍角寺古墳群」(114基) 及び周辺の調査を行なって来ました。これらの調査は「明治大学」でも行なっています。両校のこれからの調査に期待しています。
千葉県印旛郡にある「龍角寺」は709年に龍が一夜のうちに諸堂(金堂・塔)を建立したと伝えられています。関東地方でも最も古い寺院の一つです。度重なる火災により古い建物は残っておらず、「金堂跡」・「仁王門跡」・「塔跡」のみが残っています。昭和7年に撮影された写真や資料を基に作られた「元禄金堂復元模型」がありました。
本尊の【銅造薬師如来坐像】は千葉県では最古のもので、「白鳳仏」として貴重なものになります。「国指定重要文化財」に指定されています。頭部のみ白鳳期の作になります。切れ長の目元、ふくよかな優しい顔をしています。「螺髪」はありません。体部は元禄5年(1692年)の火災後の再鋳になります。今は「奉安殿」と称される収蔵庫に収められています。今展では別室で厳重に展示されていました。
「龍角寺」からは多くの瓦が発掘されました。【単弁八葉蓮華文軒丸瓦】は「蘇我倉山田石川麻呂」が発願した奈良県の「山田寺」のものを祖型とし、都の権力者と深い繋がりがあった事が想起できるそうです。平瓦には近隣の地名との関係が推定出来る文字の線刻がありました。祭祀を行なった後に廃棄された大量の「灯明皿」も出土していました。【葡萄唐草文軒平瓦】は龍神信仰との関連性があるとのこと。「龍角寺」の近くからは3ヶ所の「瓦窯」が確認されています。「塼仏」や鎌倉時代のものと思われる銅製の「経筒」など珍しい物もありました。
大隈記念講堂 / 大隈重信像(朝倉文夫・作) / 早稲田大学校歌の石碑(碑文は相馬御風の直筆)
會津八一記念博物館 / 「ワセダベア」のイルミネーション
パンフレットより
板碑 / 単弁八葉蓮華文軒丸瓦 / 銅造薬師如来坐像 / 塼仏
昭和7年撮影の薬師如来坐像 / 昭和7年撮影の金堂 / 元禄金堂復元模型
丸瓦 / 葡萄唐草文軒平瓦 / 平瓦 「加刀利」と刻まれています(香取評との関係性が・・・)
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