店主敬白(悪魔の囁き)

栄進大飯店の店主さがみやがおくる日々の悪魔の囁き。競馬予想や文学・音楽・仕事のグチやちくりまでいろいろ。

最初の避難②こんなときに

2018-10-22 20:48:40 | 熊本地震
 避難所のまわりにいた見舞客の車両が邪魔で、緊急車両がなかなか奥に入れなかった。
 空気が読めない・・・というか、余震の中車を走らせて見舞いに来る根性は見事だと思うが、(←これは褒め言葉ではない)見舞いは災害が落ち着いてからという常識もなくなるほど、取り乱しているのか。
 周りの人も、救助をハラハラしながら見守っていた。

 火事が消えてしばらくすると、やっと救急車がきた。
 来たのはいいけれど、やはり車両が入れないので、表のバス通りまできてくださいという。
 足は痛い、でも・・・歩かなくては。
 バス通りまでの数メートルがやけに長く感じる。
 夫に付き添われて、やっと救急車に乗ることができた。

 救急車で運ばれたのは、日本赤十字の病院だった。
 ストレッチャーの上からあたりをうかがうと、次から次へと救急車が到着し、病院関係者があわただしく走り回り、まるで映画の中の戦場のようだった。
 ガラガラというストレッチャーの音と、人々の話し声と、車の音がいくつも重なりあうなかか、診察室に入った。
 やはり火傷だ。油の火傷なのであった。
 診察が終わると、もう病室も満員ということで、別棟の待合室に移動させられた。
 火傷はしているがまあなんとか歩けるし、今夜だけこの別棟に宿泊してあとは明日、帰宅するようにとのことだった。

 この場所も満員で、ソファーの上で横になる。
 少しは寝ないといけないが、浅い眠りしか来ない。
 なんでこんなことになるのか・・・。
 まだ、堂々めぐりのようにそう思っていた。


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