店主敬白(悪魔の囁き)

栄進大飯店の店主さがみやがおくる日々の悪魔の囁き。競馬予想や文学・音楽・仕事のグチやちくりまでいろいろ。

その日⑤外には出たけれど

2018-10-22 08:01:05 | 熊本地震
 駐車場には、町内会り同じ班の方の他にもいろんな方が逃げてきていた。
 屋根がなく土がむきだしのかなり広い駐車場なので、車でここに来ている人も見うけられた。
 とはいっても、四月のまだ気温の低い夜である。
 ほとんどの人が座るところもなく立っているのだが、ご高齢の方も多く、立ちっぱなしというのはかなりキツイだろう。
 たっている間にも、余震がばんばんやってくる。
 周りにはほとんど障害物はないが、電柱がいくつかあるので電柱の近くを避けて、家族ごとに固まっていても、かなり大きな揺れがくるのでそのたびに悲鳴があがったりする。

 足が、ヒリヒリと痛む。
 火傷の箇所を確認しようにも、痛みで足を触りたくもなくなった。

 猫は・・・どうしているか。
 家にいる6匹の猫たちは、無事に逃げたのだろうか?
 数十分おきに起こる地震と、足の痛みのせいで、家に戻ることもできない。
 戻っても、ゲージがどこにあるのかもわからない状態なので、連れ出すこともできなかった。
 猫は危険を察知すると、逃げ足は速いというが・・・。

 着のみ着のままスリッパ履き、持ってるものはタオル一本なので、携帯電話もなく、家族に連絡を取ることもできない。

なんたる不覚だ。不覚だらけじゃん!

 そんなことを考えているうちに、空き地の向こうから火の手があがった。
 火事だ!


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