斉藤うめ子ブログ

新しいニセコの街づくりにとりくみます

星座忌と特別講演 

2013-06-08 23:54:41 | 地域活動

【相互扶助とユートピア―有島武郎と現代社会―】  

「星座忌」に出席しました。
有島記念館では有島武郎の命日にあたる6月9日に
有島武郎晩年の作「星座」にちなみ「星座忌」と名付けて
法要が営まれています。
今年は11回目の「星座忌」が行われました。
大正12年に有島武郎がこの世を去ってから、90回目の
命日にも当たります。
「星座忌」の後、昨年につづき北海道大学大学院の
中村三春教授が
「相互扶助とユートピア―有島武郎と現代社会―」
と題する講演を行いました。

環境創造都市ニセコの基本理念の中に
「・・・有島武郎が遺した住民自治の原点となる『相互扶助』の
精神は、ニセコ町のまちづくりに脈々と受け継がれ、まちの地域力
の素地として根付いてきました。・・・」とあります。

講演は有島武郎の思想の深さを再発見させてくれる内容でした。
トマス・モアのユートピアからクロポトキン『相互扶助論』、
マルクス『資本論』、アナーキズムと相互扶助、コミュニズム、
そして哲学者柄谷行人(からたに こうじん)『世界史の構造』
―この世界を、どう変えるのか― 
〈人類社会の秘められた次元を回復する〉
有島武郎の文学に秘められている哲学・思想・歴史的背景と、
実に広義・多義に渡る深い内容でした。