「ロングステイ」なんて大それた考えでなく、定年を無事迎えたことに感謝しつつ、これまで二人三脚してきた夫婦への褒美に「卒業旅行」に出かけることにしたのです。2005年6月出発予定での検討開始でした。
「趣味本位型」の旅行を目論んだ私はインターネットで目的地探しを始めました。
検索のキーワードは「ゴルフ留学」「ゴルフ天国」「シニアゴルファー」と単純明快、大変解りやすいものでした。(自慢する話でもありませんね)
海外で生活したときに女房もゴルフを始めましたが、いつも喧嘩で終わる練習にも嫌気がさして、ゴルフが楽しいものと思えるレベルではないのです。練習の「つまらなさ」を克服してゲームの「楽しさ」に開眼させることも、今回の旅行の狙いなのです。
曰く「ニュージーランドでプロ目指そう!」「シニアのためのゴルフ留学」「なんちゃらゴルフアカデミー」えとせとら、エトセトラ。先に触れた「旅行商品」もどきの企画ばかりで余計な金がかかりそうなHPが多数出てきました。
そんな中で「ゴルフ天国」でヒットしたのがカナダのケロウナ。聞いたことも無い名前に???。ホームページを読み進むうちに素晴らしいところの「よう」に思えてきました。「でも騙されないぞ。自分の商品を悪く書くやつがいるわけ無いんだ。」と懐疑的になりながらも「騙されたと思っていってみるか?」と、このHPの魔力に惹きつけられてHPの作者、滝沢さんとのメール交信を2月に開始したのです。
滝沢さんからのメールには、こちらの知りたい情報の全てが過不足なく書かれているだけでなく、行間に彼の誠意がほとばしり出るような日本語の達人でもあるのには正直びっくりしたものです。「こりゃ本物だ。間違いなし。」彼のコミュニケーション能力の虜になってしまいました。
2005年6月初旬から三週間滞在したケロウナは、滝沢さんのHPに書かれたとおりの「ゴルフ天国」であるばかりでなく、ゴルフをしない人間にとっても「天国」のような素晴らしいところでした。滝沢さんのHPを見てもらえれば多言は不要です。
http://www.ogt.co.jp/kelowna/index.htm
ケロウナのスポークスマン的役割を演じている滝沢さんは、一瞬たりとも疑った自分が恥ずかしくなるような素晴らしい人物で、滝沢さんを取り巻くケロウナ在住の日本人仲間の人間模様にもすっかり惚れ込んだ私たちは、「毎年夏にはケロウナに戻って来てロングステイしよう!」と即断して、旅行中に来年以降のロングステイ用のインフラ作りに奔走し始める始末でした。
滝沢さんにめぐり会わなければロングステイなんて考えもしなかっただろうことを思うと、人と人とのめぐり会わせ、人と人との縁の結びつきが人生のスパイスになるのを実感して、本当に面白いものだと痛感しますね。心地よい人間関係がないと、海外でのロングステイは永続きが難しいと確信しています。
次は「ロングステイ考」の最終回です。
(続く)