サンフランシスコに本社を置く、ある世界企業(global company)に私が出向していた時のことです。
提携先のその会社を「探検」した内容を東京の本社に報告したところ、いろいろと予想もしなかったような細かな質問が山ほど返ってきました。内心「やぶ蛇だったかな?こんなことならあまり細かく報告するんじゃなかったな」と、後悔しつつも、質問への回答をつくるため社長の意向を確認しに行ったときのことです。
私:社長、次の組織改正で日本企業向けのカスタマーサービスは誰の担当にします?
社長:さんぞう、それは君に決まっているじゃないか。何で今ごろそんなことを?
私:いやぁ、実は東京の本社が・・・。っていうか、つまり、あのー・・。
社長:Oh, Sanzo, you must have put your foot in your mouth, eh?
私:はぁ?「足を口に入れる」だぁ?赤ん坊じゃあるまいし。????
なかなか勘の良い社長で、ニヤニヤといたずらっぽい眼差しをたたえ、右目でウインクしながら言うもので、こちらの質問の意図、背景を見透かされたような気がして冷や汗をかいた記憶があります。
「おまえ、余計なこと言って寝てる子の目を覚ましたんじゃないの?」
「きみぃ、自分で墓穴掘ってるんじゃないのぉ?やぶ蛇って言うやつ?」
「あんたぁ、自分で言い出したもので、後に引けなくなったんじゃない?」
「きみねぇ、一言多すぎると口は災いの元って言うよ。自縄自縛とも言うけどね。」
と言ったニュアンスの表現であったと思います。たった一度だけ耳にした表現ですが、なぜか妙に「英語的」な感じがして、強く印象に残っています。