所用あって5月末から二週間の予定で一時帰国しています。日本に居る間に何をさておいてもやりたいことが二つあります。寿司を食べることと温泉に浸かることです。早速本日美味しい寿司をたらふく食べてきて大満足でこの日記を書いています。新鮮なネタと適量の銀シャリ。やはり寿司は本場?の日本に限ります。
ケロウナから4時間ほどのドライブで行けるKootenay Rockiesにもなかなかの温泉があるとのことなので楽しみにしていますが、美味しい寿司、日本食を食べることはケロウナでは不可能に近いようです。
ダウンタウンの中心部にJapanese RestaurantとかSushiとかの看板を出した店が数軒ありますが、日本人経営の和食レストランは皆無で、殆どが中国人韓国人オウナーで多国籍シェフのようです。「のよう」とはこの目と舌で確認する勇気が無いので人づてに聞いたことをお伝えしているだけだからです。表から見る限り店にはそれなりに客も入っているようですが、まず日本人客は見当たらないと思います。
アメリカの他の都市での経験から言えることは、中国人韓国人の経営する和食レストランは何故か日本人の好みからは遠く離れた和食メニューを、日本人の味覚から遠く離れた味付けで提供しているのです。「これ和食じゃないだろう!」と文句言いたくても、現に目の前の外人が「Good! Excellent food!!」と褒めながら食べているのを見てしまうと、「日本人による日本人のための和食」が欧米人に本当に評価されるのかどうか不安にもなるし、日本人の少ない当地での和食レストランを成功させるには欧米人の好みに合わせたメニュー作りをしている中国人韓国人のほうが正解なのだろうなと納得してしまうのです。真の和食を求める日本人の行くべきでないレストランとして避けて通るのが精一杯の意思表示です。
でも、どうしてあの手の店ではおにぎりみたいな大きなライスボールの上にちょこんと小さな魚の切り身を載せて「寿司」なんて呼ぶんでしょうか?でも、どうしてアメリカ人・カナダ人はわさびと醤油をドロドロにペイスト状にして、それに寿司を「浸けて」食べるのでしょうか?鼻にツンと来る感覚は彼らには無いのでしょうか?
ヘルシーフードとして和食が評価され、いまや寿司やてんぷらを箸を巧く操って食べるのは、異文化を理解するインテリの一つのステイタスシンボルだなんて言われているアメリカ・カナダであるだけに、「本当の和食とはあんなモンじゃないんだ!」と言ってあげたいのは山々なんですが、言って何になると自問自答して、結局は真の和食を家に帰って食べているケロウナ生活です。
家庭で真の和食を作ると簡単に言いますが、実は真の「和食材」が無いんです、ケロウナには。唯一つある日本食品店も品揃えが貧弱でわざわざ出かける気になりません。アジア系食材を扱うオリエンタル・ショップが中国・韓国食材に加えて若干揃えている和食材を買い込んで、知恵を絞って腕によりかけて「真に近い和食」に仕上げるのが在ケロウナ日本人妻の大きな仕事なのです。
ケロウナから国道97号線を一路南に走ること一時間、アメリカとの国境まであと一時間ぐらいの所にペンティクトン(Penticton)という小さな町があります。そこには日本人オーナーシェフの経営する「本当の寿司屋」があるそうです。どうやらその寿司屋がオカナガン地方で唯一の「まともな和食や」との評判なので、そのうち行ってみたいと思っています。
でも往復2時間は遠いよねぇ!帰り着く頃にはまた腹が減りそうですよね。