星さんぞう異文化きまぐれ雑記帳

異文化に接しての雑感を気ままに、気まぐれに

ケロウナ便り(1) 自動車保険

2006年05月16日 09時12分59秒 | Weblog

5月9日にいよいよカナダに上陸、長期ステイ先BC州ケロウナに到着しました。
広大なカナダでは電車、バスなどの公共交通手段は皆無に近く自動車が不可欠です。
長期ステイにレンタカーは高すぎるし、どうしても自分の車が必要です。しかし、カナダでは自動車を生産しておらず全ての車が輸入車ですから、中古車の値段が質との見合いでは割高感が否めません。日本中古車市場より2~3割高いようです。

そこでポンコツに近くても良いから下駄履き代わりに乗り回せる中古車を探すことにしました。たいした根拠もなく直感的にきめた選定の基準は①走行距離10万キロ以内②登録後10年以内③値段1万ドル以内④日本車(できればSUVタイプ)でした。

まるで私に出会うのを運命付けられてでもいたような車にめぐり会いましたぁ!
1997年製スズキ自動車の小型SUV「サイドキック」9万8千㌔走行で9500ドル。 
自分で決めた基準に見事に合致しているので納得ずくで即断即決。またまた得意の衝動買いです。去年の夏に下見に来た時の出来事です。可愛らしい車でしょ?スズキのサイドキックと称する、軽自動車みたいな愛くるしい奴です。販売会社の社長(イタリア系カナダ人)の娘さんが乗っていたとのことで、手入れも良さそうだし、なにかあれば社長さんが親身になって面倒見てくれそうなのも即断の理由でした。

車の売買契約がまとまるとすぐ保険の手続きです。カナダの自動車保険はBC州政府が直営する保険機関ICBC(Insurance Corporation of British Columbia)が一手に販売管理しています。民間の保険会社というのはありません。ICBCの保険業務を代行する民間代理店が販売会社に駆けつけてきて必要手続きを済ませるのにおよそ30分。その場でナンバープレートと、プレートに貼り付けるシールを発行しておしまいです。

保険料は年間1200~1500ドルほどですが、年間通して滞在しない者には最低3ヶ月からスタートして一ヶ月単位での引き延ばしが可能です。昨年夏の3ヶ月の保険料は600ドル、今年契約した5ヶ月の保険料は900ドル弱ですから、馬鹿になりません。保険料は日本のほうが民間でやっているだけあっていろいろ選択肢があって安いようですね。

日本の保険業者からの無事故証明(保険無請求証明)があれば、無事故一年につき5パーセントの割引き(最大43パーセント)が得られるとのことなので、早速手続きし5年間無事故の証明書を入手しました。これで25パーセントは還付されるはずです。

去年の夏に買って半年車庫に眠らせておいたサイドキックちゃんは、半年振りにキーを差し込んで、ブルルルルンとスタートするわけはなく、バッテリーチャージャーとブースターケーブルのお世話になって青息吐息で息を吹き返したものの、エンジンを止めるたびにウンともスンとも言わなくなる重症状態。早速新しいバッテリーに交換してやったら嬉々として走り出しました。まったく愛い奴です。ポンコツ寸前の車と付き合うのもそれはそれで楽しいものです。いや、負け惜しみじゃなくて。




 

 


睡眠時無呼吸症候群(2)

2006年05月05日 10時23分38秒 | Weblog

私の場合は、上の歯と下の歯の噛み合わせのズレ(顎の骨格上の問題)が原因で、仰向けに寝たときに、いわゆる「のどちんこ」が気道を塞ぎやすいのだそうです。
いろいろある原因・症状のうちでも私の場合は軽度のスリープなので、下の歯をやや前にずらすように固定するマウスピースを付けて寝ればOKとのことでした。やれやれですが、これから一生このマウスピースとはお付き合いする破目になりました。
もっと重い症状の場合には大袈裟な器具を寝るたびに装着したり、手術して気道を広げたりする必要があるとの話を聞けば、「ま、いいか」と思うべきなのでしょう。

格闘技やアメリカンフットボール選手が口から取り出す、赤や青のマウスピースを想像していたら、スリープ用のは透明で薄いプラスチック製で、はめていても黙っていればそれと分からぬものです。ただ一旦装着してしまうと口が開けず、自由に言葉が発せません。腹話術の要領で腹から声を出す必要があります。鼻が詰まったりしたときは正直言ってつらいです。ピロートークなんてのは夢のまた夢です。

マウスピースの効果はてきめんで、これまでカーガーいびきをかいていたのが嘘のようにすやすやと寝息を立てておとなしく寝ているそうです。私のスリーピングパートナーがそう申しております。

検査入院の前の問診には事情がわかる「スリーピングパートナー」を連れて来るようにとの指示があります。男女関係の多様化した時代に合った巧い表現するもんだなぁと感心しながらも、他にパートナーのいない私はいつものパートナーを連れてゆきましたが、複数パートナーのいる向きは問診時には慎重な選択を!(脱線でした)

とまあ、こんな流れですが自分の経験から一言。

いびきをかく人には程度の差はあってもスリープの兆候はあるのだと思います。どうかなと思ったら一度検査をお勧めします。少なくとも自分のいびきで目を覚ますことがなくなり、より深い睡眠が確保できます。自身の安眠と家族、スリーピングパートナーの安眠確保のためにもお勧めです。

ただパートナーとの良好な関係を保っておかないと、口をふさがれた状態で眠りにつくわけですから、睡眠中に濡れティシューで鼻ふさがれでもしたら本当に息が止まりますので、この点だけはご注意を!

「起床時無呼吸症候群」なんて洒落になりませんから!!


睡眠時無呼吸症候群(1)

2006年05月04日 00時18分14秒 | Weblog

睡眠時無呼吸症候群。病名を言い終わらないうちに息が切れそうですよね。病院では「スリープ」と俗称していることを知りました。ここでは「スリープ」を使います。

若い頃からいびきが激しいらしく、学生時代には合宿先でも別の部屋(というか部屋の外の廊下または押入れ)に放り出された経験のある私は、「いびきなんてのは鼻の悪い日本人の誰もがかくもの。若干個人差があるだけ」と思ってきましたし、今でもそう思っています。

家族からも「いびきが途中で止まっちゃってるよ。スリープじゃないの?一度病院でチェックしたら?」と言われ続けていましたが、その都度「親父だってそうだったじゃん。誰にもあることで、問題ないって」とまったく心配していませんでした。。寝入りばなに自分のいびきで時々目を覚ますことがあることを除けば、日常生活に支障がないのです。

定年間際に出かけたゴルフ旅行で同室した友達から「おいお前、夜中に息が止まってたぞ」の一声。いびきが止まったのではなく「息」が止まったという表現に妙に説得力がありドキッとしたことを思い出します。時間も余るほどあるので、年貢の納め時と観念し専門医にチェックして貰うことに決めました。一泊の睡眠ポリグラフィー検査入院です。

午後二時に出頭して諸々の検査を済ませて早目の夕食を摂った後に、午後七時頃にベッドにくくり付けられ、頭と両手両足には脳波や血中酸素量の推移を測定する検査機器端末とコードをクモの巣状態に巻きつけられました。レインマン状態です。明朝5時に検査終了するまではベッドから立ち上がれないので、これで用を足すようにとオマルまで看護婦さんからいただきました。

自分のいびきで何度か目を覚ましたり、早すぎる就寝時間のせいもあって眠りが浅かったりしましたが、随分とゆっくり寝たなぁと思って気持ちよく目覚めて時計を見たらまだ夜の11時。あと6時間も寝ないといけない、眠れるわけないとグダグダしているうちに眠りに落ちたようで、翌朝5時にお縄が解かれたときには必要なデータは全部揃ったそうで一安心。

検査結果は
①無呼吸の合計回数は344回で、一時間あたりの指数は40。(一時間に40回息が止まっていたということです)
②最も長い無呼吸時間は117秒(2分近く息が止まっていたのです)

押しも押されもせぬ、堂々たる、正真正銘の睡眠時無呼吸症候群であるとのご託宣です。

では、どうしたら息が止まることを防げるのか、永遠に止まり続けないためには何をすればいいのか、長くなりましたので、次回にゆずります。

(続く)

 


「海外ロングステイ」考(4)

2006年05月02日 12時58分16秒 | Weblog

2006年4月。いよいよ最初のロングステイへの出発準備が整いました。今年は試しに「超ロングステイ」として平年より長く滞在する予定で気合を入れました。関係先への留守予告、自動車税の前納、保険その他定期契約の前倒し更改、留守中に起こると考えられるあらゆるケースへの事前対応、と水も漏らさぬ完璧さで手を打ちました。

余談ですが、永く留守するときに気がかりなのは留守中に届く宅配便の始末です。
宅急便でおなじみのY社は消費者のこんな悩みを先取りしていました。さすがですね。不在通知を郵便受けに入れるとともに、事前に登録しておいたメールアドレスにメールで連絡もくれるのです。留守にしていても、メールのやり取りで配達先の変更やら、送り主への返送やらといろいろ先のアクションが起こせるのです。便利な世の中になったものですね。ついでに調べたらこのサービスをやっている同業他社は皆無でした。

予期しないことってこういうときに限っていろいろ起こるものですね。
出発直前に身内に不幸が生じました。そうなんです。この歳になると親は居なくても、つきあいの深い親戚筋もそれなりの歳になっていることを忘れてはならないと思い知らされました。「つきあい逃避型ロングステイ」ではないので、義理は欠かせません。今回は出発を遅らせてなんとか対応できたけど、ロングステイ中に親戚に不幸が生じたらどうしたらいいのか?切り上げて帰るんでしょうね。悩むところです。「不義理予告」では済まされますまい。親の介護や看護で短い旅行にすら出かけられない同世代の方には叱られそうですね。ごめんなさい。

ロングステイは「夫婦揃って健康で、夫婦揃って楽しめる」ことが最低条件でしょうから、どちらかがおかしくなったときは「引き揚げ時」なんでしょうね。あと何年続けられるのか、出かける前からちょっぴり弱気になっている自分が居て・・・(このセリフ何処かの誰かが言っていたような・・・)。

私がアメリカ駐在したときに連れて行った子供達が、そのまま「帰国しなかった子女」としてアメリカに残留していますので、「子離れの悪い親」の側面を強調して、しばしの贅沢、道楽をお許し願うジェスチャーを親戚筋にそれとなくインプットする小心者の自分が居て・・・。

ま、「こんな生き方もあっていいじゃん」と開き直って、行って来ま~す!

ケロウナ便りはおいおいに。

(完)

 

 


「海外ロングステイ」考(3)

2006年05月01日 21時17分21秒 | Weblog

「ロングステイ」なんて大それた考えでなく、定年を無事迎えたことに感謝しつつ、これまで二人三脚してきた夫婦への褒美に「卒業旅行」に出かけることにしたのです。2005年6月出発予定での検討開始でした。

「趣味本位型」の旅行を目論んだ私はインターネットで目的地探しを始めました。
検索のキーワードは「ゴルフ留学」「ゴルフ天国」「シニアゴルファー」と単純明快、大変解りやすいものでした。(自慢する話でもありませんね)
海外で生活したときに女房もゴルフを始めましたが、いつも喧嘩で終わる練習にも嫌気がさして、ゴルフが楽しいものと思えるレベルではないのです。練習の「つまらなさ」を克服してゲームの「楽しさ」に開眼させることも、今回の旅行の狙いなのです。

曰く「ニュージーランドでプロ目指そう!」「シニアのためのゴルフ留学」「なんちゃらゴルフアカデミー」えとせとら、エトセトラ。先に触れた「旅行商品」もどきの企画ばかりで余計な金がかかりそうなHPが多数出てきました。

そんな中で「ゴルフ天国」でヒットしたのがカナダのケロウナ。聞いたことも無い名前に???。ホームページを読み進むうちに素晴らしいところの「よう」に思えてきました。「でも騙されないぞ。自分の商品を悪く書くやつがいるわけ無いんだ。」と懐疑的になりながらも「騙されたと思っていってみるか?」と、このHPの魔力に惹きつけられてHPの作者、滝沢さんとのメール交信を2月に開始したのです。

滝沢さんからのメールには、こちらの知りたい情報の全てが過不足なく書かれているだけでなく、行間に彼の誠意がほとばしり出るような日本語の達人でもあるのには正直びっくりしたものです。「こりゃ本物だ。間違いなし。」彼のコミュニケーション能力の虜になってしまいました。

2005年6月初旬から三週間滞在したケロウナは、滝沢さんのHPに書かれたとおりの「ゴルフ天国」であるばかりでなく、ゴルフをしない人間にとっても「天国」のような素晴らしいところでした。滝沢さんのHPを見てもらえれば多言は不要です。
http://www.ogt.co.jp/kelowna/index.htm

ケロウナのスポークスマン的役割を演じている滝沢さんは、一瞬たりとも疑った自分が恥ずかしくなるような素晴らしい人物で、滝沢さんを取り巻くケロウナ在住の日本人仲間の人間模様にもすっかり惚れ込んだ私たちは、「毎年夏にはケロウナに戻って来てロングステイしよう!」と即断して、旅行中に来年以降のロングステイ用のインフラ作りに奔走し始める始末でした。

滝沢さんにめぐり会わなければロングステイなんて考えもしなかっただろうことを思うと、人と人とのめぐり会わせ、人と人との縁の結びつきが人生のスパイスになるのを実感して、本当に面白いものだと痛感しますね。心地よい人間関係がないと、海外でのロングステイは永続きが難しいと確信しています。

次は「ロングステイ考」の最終回です。

(続く)


「海外ロングステイ」考(2)

2006年05月01日 11時39分10秒 | Weblog

そもそも海外にロングステイしたいと思う動機は何でしょうか?

①在勤経験があり、土地勘もあるので、今度は自由に楽しみたい。(里帰り型)
②物価が日本より安く、年金で送れる生活の質が日本より高い。(経済本位型)
③気候風土が日本より優れていて生活が日本より楽。(避暑・避寒型)
④親類縁者、地域社会とのつきあい等から離れたい。(つきあい逃避型)
⑤日本より良い環境のもとで自分の趣味を徹底的に追及したい。(趣味本位型)
⑥言葉、知識、技術を身につけるために現地で学校に通いたい。(留学願望型)
⑦海外旅行で接した異文化をもっと深く体験したい。(異文化体験型)
⑧大地震その他嫌なことが多い日本にいる期間を少なくしたい。(日本逃避型)

人により動機はいろいろあるでしょうが大雑把には上記のような感じだと思います。
私の場合は①、②、③、⑤、そして⑥の複合混成型とでもいうべき動機でした。

①アメリカで8年イギリスで4年駐在した経験から英語での生活に違和感無く、ドライな暮らし向きも嫌いではないので、チャンスがあれば再度海外での生活をしてみたいと考えてきました。英語圏であることが必要条件です。

②完全にリタイアしたからには年金の範囲内で生活できること。この条件を満たす英語圏はカナダ、オーストラリア、ニュージーランドくらいだと聞いています。

③日本の気候はけっこう過酷です。百花繚乱する春は短いうえに、春一番やら春嵐やらとかなり厳しい風に見舞われます。紅葉を楽しむべき秋も台風やら長雨に悩まされます。梅雨から始まる蒸し暑い夏は論外です。どちらかと言うと陽光注ぐ冬が一番過ごしやすいかもしれません。私どもは日本の夏からなんとか逃れる算段をしたいというのが一番の動機でした。動機と言うより「必要条件」と言うべきでしょうか。

⑤他の動機は取ってつけたようなもので、実は好きなゴルフを思いっきり安くできる場所を探していたというのが正直なところです。これが引き金でした。

⑥ここまで白状してしまっては、留学だの勉強だのと言うのは「動機」ではなくて副産物であることが明白です。自分の中に未だに残っている留学願望が満足させられそうな予感がするだけです、正直な話。

整理しましょう。

⑤ゴルフが安くできて、③くそ暑い日本の夏から逃げ出せて、②生活費が安くて、 
③英語が通じる国であること。 これが私のロングステイ先選定のキーワードです。こんな天国みたいなところがあるのでしょうか?

ビンゴ!!この条件全てを満たす土地が見つかりました。

(続く)