山形県 米沢市 笹生歯科医院 副院長のKazuyoshiです。
20代、30代女性に“タバコ顔”が激増
大手出版社に勤務する貴子さんは32歳。半年前に、人気女性ファッション誌
に移動になってから、一日に吸うタバコの数が急に増えてしまった。「人気女
性誌だけあって、目がまわりそうなくらい忙しいんです。夜9時前に帰れる日
なんて、ほとんどありません。美容コーナーを担当していながら、自分のお肌
の手入れをする時間なんてまったくない。入稿、校了のときは、特にひどくて
深夜帰宅もしょっちゅう。ストレスがたまるので、1時間おきに喫煙コーナー
でタバコを吸っています」
仕事を持ち帰り、自宅で原稿を書くことも多いという貴子さん。そんなときは、
さらにタバコの本数が増える。「パソコンの横にコーヒーと灰皿。ちょっと原稿
に煮詰まると、すぐタバコに火をつけてしまいます。吸いながら書く……が習慣
になっているんですね。体やお肌に悪いとわかっていながら、やめられないんで
す」。現在、貴子さんのタバコの消費は一日平均1箱から1箱半。メンソールで
ニコチン、タールの少ない銘柄だが、これだけ本数が多ければ、末は間違いなく
肺ガン……と、貴子さんは苦笑いする。
最近は、カフェの禁煙コーナーには、サラリーマンの男性が着席し、喫煙コーナ
ーには女性ばかり、という風景が珍しくない。JT(日本たばこ産業)の調査に
よると、男性の喫煙率が減る一方で、女性の喫煙率はアップしている。特に日本
の20代、30代女性の喫煙率は、ここ2年間最高数値の約21パーセント。実に5人
にひとりはタバコを吸う計算だ。
女性スモーカーの上昇と同時に、“女性のための禁煙外来”を設けている病院も
出てきた。禁煙外来は、各所にあるが、なかでも東京女子医科大学附属病院のは
禁煙成功率が高いと評判だ。ここの外来の阿部眞弓先生は「まゆみ先生」と呼ば
れ、タバコが止められない中高生の女の子をはじめ、タバコを吸う女性に向けて
ニコチンの影響や危険性を分かりやすく説いている。禁煙診療では、メンタルケ
アと薬物療法が中心。カウンセリングや血中ニコチン濃度を測定し、さまざまな
角度から「たばこ依存度」を割り出す。
20代のとき、失恋と同時に吸いはじめたという恵子さん(31歳)は、現在、この
禁煙外来に通っている。体のニコチン依存度はさほど高くなく、おそらく強い禁
断症状なしに、きれいに抜けられるだろう、というのが医師の判断。恵子さんの
おもな禁煙法はニコチンパッチ。これはニコチンを含んだ貼り薬を体に貼り、少
しずつニコチンを吸収させ禁断症状を和らげながら禁煙にもっていく方法だ。
恵子さんは現在、禁煙プログラムを1か月と少し消化した。一時ほどはタバコを
吸いたいとは思わないが、それでもときどき強烈な誘惑が訪れる。「考え事をす
るとき、仕事が終わってホッと一息ついたときが、魔の時間。最初のひと月はち
ょっと辛かったです」。この時期を過ぎれば、多くの人は2~3か月で禁煙に成
功するという。もう少しの辛抱だと恵子さんは、自分を励ましている。「今ね、
好きな人がいるんです。彼はタバコを吸う女性が大嫌い。だから絶対にやめよう
と決心したんです。でも彼とうまくいかなくなったら、やっぱりスモーカーに戻
っちゃうのかなあ」。
自分がタバコを吸うのは、「依存体質だから」と恵子さんはいう。恋人がいれば
、恋人に依存することで精神の安定を保てる。彼がいなくなれば、買い物依存症
になり、タバコや嗜好品の量がグンと増える。何かに迷ったり心配事があったり
するときは、タバコがないといても立ってもいられなくなる。「体のニコチン依
存度が低くても、精神的な依存度が高いので、そっちのほうが心配ですね、とお
医者さんは言うんです。私の場合、自分の性格をよく理解し“タバコがなくても
大丈夫”と、思えるようにならなければいけないですね」。
百害あって一利なし、といわれるタバコ。あらためてその弊害をおさらいしてお
こう。まずは悪の枢軸ニコチンから。ニコチンは胃の働きを低下させたりするほ
か、心臓や血管など体全体に悪影響を及ぼすが、なかでも怖いのが依存症を引き
起こすことだ。タバコの中に含まれるニコチンは大脳の快楽中枢に働きかけ、い
わゆるニコチン中毒を引き起こす。その他、一酸化炭素は血中のヘモグロビンと
結びついて酸素の流れを妨害する。また、タバコの中に含まれているタールには
さまざまな発ガン性物質が含まれているのは有名な話。特に30代の女性にとって、
喫煙はお肌のトラブルや老け顔の大きな原因となる。
タバコは女性ホルモンの分泌を抑えるため、肌のツヤ、張りがなくなり、シワ、
吹き出物が出やすくなる。さらに、長期間たくさんの本数を吸い続けていると、
これが肌表面に定着し、独特の “タバコ顔”をつくりあげてしまう。年齢の割
に老け顔で、ちりめんジワが多く肌に透明感のない “タバコ顔”。あなたは大
丈夫?
産経新聞
タバコを吸っていると、タバコ顔、スモーカーズフェイスともいいますが、
しみや、シワが多くなります。健康や美を保つためには日常生活、生活習慣が
とても大事なんです
喫煙について
20代、30代女性に“タバコ顔”が激増
大手出版社に勤務する貴子さんは32歳。半年前に、人気女性ファッション誌
に移動になってから、一日に吸うタバコの数が急に増えてしまった。「人気女
性誌だけあって、目がまわりそうなくらい忙しいんです。夜9時前に帰れる日
なんて、ほとんどありません。美容コーナーを担当していながら、自分のお肌
の手入れをする時間なんてまったくない。入稿、校了のときは、特にひどくて
深夜帰宅もしょっちゅう。ストレスがたまるので、1時間おきに喫煙コーナー
でタバコを吸っています」
仕事を持ち帰り、自宅で原稿を書くことも多いという貴子さん。そんなときは、
さらにタバコの本数が増える。「パソコンの横にコーヒーと灰皿。ちょっと原稿
に煮詰まると、すぐタバコに火をつけてしまいます。吸いながら書く……が習慣
になっているんですね。体やお肌に悪いとわかっていながら、やめられないんで
す」。現在、貴子さんのタバコの消費は一日平均1箱から1箱半。メンソールで
ニコチン、タールの少ない銘柄だが、これだけ本数が多ければ、末は間違いなく
肺ガン……と、貴子さんは苦笑いする。
最近は、カフェの禁煙コーナーには、サラリーマンの男性が着席し、喫煙コーナ
ーには女性ばかり、という風景が珍しくない。JT(日本たばこ産業)の調査に
よると、男性の喫煙率が減る一方で、女性の喫煙率はアップしている。特に日本
の20代、30代女性の喫煙率は、ここ2年間最高数値の約21パーセント。実に5人
にひとりはタバコを吸う計算だ。
女性スモーカーの上昇と同時に、“女性のための禁煙外来”を設けている病院も
出てきた。禁煙外来は、各所にあるが、なかでも東京女子医科大学附属病院のは
禁煙成功率が高いと評判だ。ここの外来の阿部眞弓先生は「まゆみ先生」と呼ば
れ、タバコが止められない中高生の女の子をはじめ、タバコを吸う女性に向けて
ニコチンの影響や危険性を分かりやすく説いている。禁煙診療では、メンタルケ
アと薬物療法が中心。カウンセリングや血中ニコチン濃度を測定し、さまざまな
角度から「たばこ依存度」を割り出す。
20代のとき、失恋と同時に吸いはじめたという恵子さん(31歳)は、現在、この
禁煙外来に通っている。体のニコチン依存度はさほど高くなく、おそらく強い禁
断症状なしに、きれいに抜けられるだろう、というのが医師の判断。恵子さんの
おもな禁煙法はニコチンパッチ。これはニコチンを含んだ貼り薬を体に貼り、少
しずつニコチンを吸収させ禁断症状を和らげながら禁煙にもっていく方法だ。
恵子さんは現在、禁煙プログラムを1か月と少し消化した。一時ほどはタバコを
吸いたいとは思わないが、それでもときどき強烈な誘惑が訪れる。「考え事をす
るとき、仕事が終わってホッと一息ついたときが、魔の時間。最初のひと月はち
ょっと辛かったです」。この時期を過ぎれば、多くの人は2~3か月で禁煙に成
功するという。もう少しの辛抱だと恵子さんは、自分を励ましている。「今ね、
好きな人がいるんです。彼はタバコを吸う女性が大嫌い。だから絶対にやめよう
と決心したんです。でも彼とうまくいかなくなったら、やっぱりスモーカーに戻
っちゃうのかなあ」。
自分がタバコを吸うのは、「依存体質だから」と恵子さんはいう。恋人がいれば
、恋人に依存することで精神の安定を保てる。彼がいなくなれば、買い物依存症
になり、タバコや嗜好品の量がグンと増える。何かに迷ったり心配事があったり
するときは、タバコがないといても立ってもいられなくなる。「体のニコチン依
存度が低くても、精神的な依存度が高いので、そっちのほうが心配ですね、とお
医者さんは言うんです。私の場合、自分の性格をよく理解し“タバコがなくても
大丈夫”と、思えるようにならなければいけないですね」。
百害あって一利なし、といわれるタバコ。あらためてその弊害をおさらいしてお
こう。まずは悪の枢軸ニコチンから。ニコチンは胃の働きを低下させたりするほ
か、心臓や血管など体全体に悪影響を及ぼすが、なかでも怖いのが依存症を引き
起こすことだ。タバコの中に含まれるニコチンは大脳の快楽中枢に働きかけ、い
わゆるニコチン中毒を引き起こす。その他、一酸化炭素は血中のヘモグロビンと
結びついて酸素の流れを妨害する。また、タバコの中に含まれているタールには
さまざまな発ガン性物質が含まれているのは有名な話。特に30代の女性にとって、
喫煙はお肌のトラブルや老け顔の大きな原因となる。
タバコは女性ホルモンの分泌を抑えるため、肌のツヤ、張りがなくなり、シワ、
吹き出物が出やすくなる。さらに、長期間たくさんの本数を吸い続けていると、
これが肌表面に定着し、独特の “タバコ顔”をつくりあげてしまう。年齢の割
に老け顔で、ちりめんジワが多く肌に透明感のない “タバコ顔”。あなたは大
丈夫?
産経新聞
タバコを吸っていると、タバコ顔、スモーカーズフェイスともいいますが、
しみや、シワが多くなります。健康や美を保つためには日常生活、生活習慣が
とても大事なんです
喫煙について