むし歯の治療を必要とする歯は治療以前からかみ合わせや、食いしばり、歯ぎしり、
細菌感染、菌からの産出される酸や温度などなんらかの歯髄刺激を受けているのですが
さらにはむし歯の部分の除去による刺激もあり治療後にしみたり痛みがでたりすることがあります。
「痛くないけれどもむし歯になっていると言われ、
むし歯の治療をしたらしみるようになった、痛くなった」
そういう経験あるという方、おられると思います。
これらは今までの歯髄への刺激の蓄積と治療後の歯髄の変化によって起こりえることです。
治療するために切削するということは避けられない場合がありますが、
切削するということで歯髄にとってはある程度のダメージがないとは言えないわけです。
これらの刺激により歯髄はダメージを受け、炎症が起きますが
歯髄は周囲を硬組織に囲まれているために、炎症による浮腫への許容範囲が小さいことと
傍側循環がないということが炎症の波及を阻止するための治癒を促進する上で
極めて不都合な条件になっています。
・・・つまり炎症が起きて浮腫が起きると内圧が高くなるのですが、
周りが硬いためにそれを許容できないのと、
血液の循環も少ないので治癒するのに不都合な条件なのです。
わかりにくですかね。
ふとももを何かで打ったとしましょう。すると強く打ち付けたところが腫れますよね?
でもこの腫れるときに太ももを硬いコルセットなどできつく覆っていたらどうなるでしょう。
身体の反応として腫れたいのに、周りを固められてしまってはじんじん痛たいと思います。
転んでひざや手などを怪我をしたとしましょう。
そこを治療のためにメスで切って縫い合わせたとしましょう。
メスで切った皮膚は切開した傷にはなりますが血液循環もあるので治癒しますよね。
でも歯の治療は切った皮膚が再生するようにはいかないのです。
それは血液循環が少ないからです。
わかりにくいですかね?
もっと簡単に言うと・・・つまり歯髄は回復しにくいのです。
ではそうなる可能性があるならばむし歯の治療はしないほうがいいのか?
といえばそうではなく、
そのままにしていればむし歯は自然に治るわけではないですから
ある程度の大きさになっていれば取り除いた方がよいと思います。
またむし歯になっていない歯でも、過去に歯をぶつけたことがあったり、かみ合わせや、
歯ぎしりにより歯髄炎や歯髄壊死を引き起こしていることがよくあります。
歯髄はとってもデリケートなのです。
わかりにくかったらごめんなさい。
山形県 米沢市 笹生歯科医院 副院長のKazuyoshiでした。