「カノンてなに?」と聞かれた。
「もとのメロディがあって、同じメロディが組み合わされて発展していくような曲だよ、かえるの歌みたいな。」
とは、答えたが、カノン、もっと詳しく!と思ったので、見てみました。
カノンあるいはキャノン(Kanon, Canon)は、棒、定規、基準、規範等を意味する古代ギリシャ語のカノーンを語源とするそう。
古代から現在まで宗教、美術、文学、音楽と、いろんな分野でいろんな意味で使われているらしい。
カノンとは、キリスト教用語として、信者が従うべき基準、という意味があるそうで、聖書のことを意味するそう。
美術では、視覚で捉えることを目的として表現された視覚芸術の事を指すらしい。
英語では fine arts(ファインアート)、や art(アート)と言われる。
文学では原作のことを言うそうで、フィクションなどの作品では、途中で作者が変更になった時などに原作者が書いたものをカノンと呼び、それ以降の作品と区別したりするらしい。
例えば、コナン・ドイルが書いた推理小説シャーロック・ホームズ各作品を正典(canon)と呼んだりする。
さてさて、音楽では、カノンは、複数の声部が同じメロディを違う時点からそれぞれ始めて、演奏する曲のことを意味する。
輪唱と訳されるけど、輪唱は全く同じメロディを追唱するが、カノンでは、違う音で始まるものもある。
また、リズムが2倍になったり、上下または左右(時間の前後)が逆になったようなものもある。
有名なパッヘルベルのカノンは、3つの声部が全く同じ旋律を追唱しそれに伴奏が付けられたものである。
ポリフォニーと言われる多声音楽の典型。
ルネッサンス時代には合唱曲でカノン様式が多く使われて、カノン技法はこの時代にたくさん生まれた。
古い時代には、フーガと言われ、ジョスカン・デ・プレやパレストリーナらの「フーガによるミサ」はカノン様式で書かれている。
主題以外のメロディに自由が許されているフーガと、メロディを変えずにまねするカノンは、今ではちゃんと区別されている。
18世紀以降には、ホモフォニーと言われる単声音楽が主流になったので、このような技法が使われることは少なくなりました。
20世紀にはいると、12音音楽などの発展の中で対位法が重視されるようになったので、また使われるようになった。
カノンの有名な作品は…
J.S.バッハ - 2声のインヴェンション2番(BWV773)、音楽の捧げもの(BWV1079)の10のカノン、などたくさんの作品がある。
モーツァルト - 俺の尻をなめろ、アレルヤ、など(約30曲以上現存する)
ベートーヴェン - 永遠にあなたのもの、など(約50曲以上現存する)
シューベルト - サンクトゥス(など数曲現存する)
ショパン - カノン ヘ短調(未完)、3声のカノンの低音譜(2曲のみ)
メンデルスゾーン - 2声のカノン(他10曲現存する)
ベルリオーズ - 3声のカノン(消失)、5度の自由カノン(2曲のみ)
ブルックナー - 今日、親友クローゼがガウゼに(1曲のみ)