それでは、連載第28夜は、平成16年の復活「特急つばめ」をお届けします。
戦後優等列車全廃を経て、最初に走った特急は「へいわ」、翌年「つばめ」と名を変え、東京~大阪間を結びました。牽引機もC62から、EF58「青大将」を経て、「パーラーカー」を繋いだ151系電車で黄金期を迎えました。東海道新幹線開業後は西に転進、最終的には名古屋~熊本間の特急として運転され、山陽新幹線全通で廃止されました。EF58牽引の客車列車や、151系の末裔181系の復活は出来ないことから、最終期の583系で、東京~名古屋間を走る臨時列車として復活をしました。
ただ、営業当時の名古屋~熊本間という中途半端な設定は、結局夜行の間合い運用であり、本来の「国鉄頂点の特急列車」からはおよそかけ離れたものです。一般に、最終期というのは、そういうものです。
また、東京~名古屋間という臨時列車の運転区間設定も、車両が583系なのも、歴史考証的にも疑問であり、かなり多くの問題を含んでいます。往き道の、名古屋行き乗客のTVインタビューでは、「懐かしい。」などという人もいましたが、当時本当に乗車していれば、そんな言葉は出なかったと思います。
ただ、昼間堂々と東京まで583系に乗れる、というのはそれなりに魅力で、スピードも「ムーンライトながら」とドッコイドッコイですが、乗り換え無しに東海道を走ったのは、乗り鉄的には良い列車でした。
途中、多分根府川でしょう、快速「アクティー」に抜かれる間のバカ停で、車両を記録します。名古屋方先頭は、クハネ583 5です(写真)。
反対側の先頭は、クハネ583 20です(写真)。当時秋田運転所に所属していた583系を使用したと思われます。
色々な問題をはらんだ臨時列車で、風景の流れ方も普通列車と同じでしたが、滅多に乗れない583系でもあり、乗り鉄としては楽しい乗車でした。現在では、こんな臨時列車は、恐らく無理でしょう。
それでは、次回をお楽しみに。