神戸市バス・平野BSのすぐ近く、神戸駅や湊川神社から有馬街道を山の方に登っていったところにある平野地区は、天王谷川の扇状地で、昭和の面影を色濃く残す商店街・住宅街になっています。
この住宅街の細い道をしばらく歩くと湊山温泉の建物が見えてきます。この湊山温泉自体は平安時代には既に存在し、すぐ近くにあった福原京の公家や平清盛などの武士も入浴したという説もあります。
昭和のヘルスセンターといった趣の建物は、一見古そうだが、中はリニューアルされていて清潔感を保っています。
広い浴室の中央に加温浴槽、入り口のところに非加温・掛け流しの源泉浴槽があり、どちらもウグイス色のお湯が満たされています。温泉の湧出時は無色だそうだが、長時間放置すると茶褐色の沈殿物が発生してお湯を色づけるとのこと。
非加温の源泉浴槽に浸かれば、最初は冷たいが、徐々に慣れてきます。ここには飲泉場もあり、蛇口をひねると源泉が出てきます。飲んではみたものの、妙に酸っぱくて飲みにくい。
この温泉、利用者の落ち込みと神戸市の上下水道料金見直しに伴う負担増の影響で、2015年に廃業することが決まったのだが、こんな街中にある一級の温泉…潰すには惜しいとすぐに後継者が現れ、現在に至っています。
泉質:含二酸化炭素-ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・塩化物低温泉 28.2度
場所:神戸市バス・平野BS
訪問日:2006年9月21日
場所:神戸市バス・平野BS
訪問日:2006年9月21日