二見浦は日本の渚百選にも選ばれている伊勢志摩国立公園の名勝です。小学生の時の修学旅行に訪れて以来、実に久しぶりにここに訪れてみました。二見浦の入口あたりにはJRの二見浦駅と三重交通バスのバスターミナルがあり、そこから海に向かってまっすぐ進むと、この辺りに御福餅の本店があります。赤福餅に比べてかなりマイナーだが、実は伊勢の名物。
さらに進むと海岸に行きつきます。この二見浦は日本の海水浴の発祥の場所だそうで、初代軍医総監松本順によって1881年に開設された日本で最初の公認海水浴場が、この二見浦だそうで、大正天皇も幼少時にここで水泳の訓練をしたと言われています。また、それ以前の海水浴は水泳が目的ではなく、海水に浸かることによる療養が目的だったようで、ここに残る古い風景画に、杭につかまって海に浸かっている様が描かれています。これって温泉浴に通ずるものがありますね。
旅館街はひっそりと落ち着いています。修学旅行で来たときはもっと賑やかだったような…それでも、しっとりと落ち着いた佇まいはいい感じ。修学旅行で泊まった旅館の名前は思い出せません。
海に臨む眺めのよい場所に「賓日館」(ひんじつかん)という立派な建物を発見しました。一般公開しているようで、入館料は300円となっている。ここに入ってみることにしました。
ここは皇族や要人の宿泊施設として明治末期に建てられた賓客の宿泊施設で、その後、旅館の二見館に買収されて一般営業。その後、二見館の廃業により、現在は資料館となっています。
大正天皇も滞在した由緒のある施設とのこと。中もまさしく圧巻!唐破風の正面玄関、庭園、旧客室等々…当時の一流の職人による匠の技があちこちに見られ、第一級の品格を誇っています。
2階には実に豪華な大広間があります。木造の和風建築でこれほどの大広間があるのはかなり珍しいとのこと。
しっとりと美しい中庭とともに、窓から青松越しに美しい海が望める。さすが、皇室ゆかりの景勝地、品格が違いますね。
さらに進むと二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)が現れます。神社の名前は無名だが、海辺をもう少し進むと、ありました。境内の前の磯にある夫婦岩を知らない人はいないでしょう。
この夫婦岩は日の大神(天照大神)と興玉神石を拝むための鳥居の役目だそうです。岩に陽光が差して実に神々しいような…とはいえ、もし二つの岩の間のしめ縄がなければ。それはそれで普通の岩のような気もするし…日本人の思い込み、というか刷り込みが有り難く感じさせるのかもね。
まあ、夫婦円満の象徴として有難く参拝する人も多いようなので、それはそれでいいのかも。
- 訪問日:2010年9月3日