バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

紀伊半島を縦断する乗り継ぎ路線バスの旅@吉野・熊野

2009-10-11 13:17:42 | ☆バスde温泉(近畿)

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自宅から近鉄特急に乗ること1時間足らず、吉野の手前、大和上市駅では、山登りのベストシーズンのこの時期、大台ケ原への臨時バスが発着しています。駅を出てバス乗り場に歩いていったところ、奈良交通の車掌がワタシに向かって叫んでいる。

「臨時バス、もうじき出るでぇ」
「いや、大台ケ原へ行くのちゃうねん、『杉の湯』で乗り継いで入之波に行くんやけど…」
「えっ、その便、だいぶ前に出てもたで」
「いや、知ってる。河合行きのバスに乗って、大迫ダムのバス停から歩くことにするねん。」
「そーか、ほなええけど。かなり距離あるで。まぁ歩けんことはないと思うけどな……」 

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今回のバスの旅では、国道168号線を縦断するいつもの新宮特急バスではなく、それより東側、大台ケ原の登山ルートでもある国道169号線を縦断し、途中、入之波温泉に寄って熊野市に抜けることにしました。大和上市から乗ったバスは吉野川に沿ってずんずん上流に向かいます。車両は小型の日野「レインボー」旧タイプ。完成間近な大滝ダムを越えると、このバスの終点「杉の湯」です。

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ここには川上村営の温泉があるが、ここに浸かっているだけの時間がなくてパス。ここで上北山村の河合行きに乗り換えます。待ち時間の間に、道の駅で柿の葉鮨をゲット。河合行きのバスが再び吉野川に沿って上ります。今度の車両も小型車、いすゞのMRです。

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やがて、大迫ダムが視界に入ってくるようになり、バスがダムの麓からてっぺんに登り着いたら「大迫ダム」のバス停。ここで降りました。ダムの上辺を渡り、人も車もほとんど通らないダム湖の右岸を温泉目指して歩く・歩く。5キロほど歩いて、ようやく入之波温泉の入り口に到着しました。 

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入之波から、今度は1日2本しかないうちの1本、夕方のバスに乗って柏木の集落に戻ります。(現在、奈良交通のこの路線は廃止され、川上村営のやまぶきバスに変わっています。)

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ここでさらに奥の河合へ行くバスに乗り換え、大台ケ原を越えて上北山村に向かいました。国道169号線は168号線よりかは整備が進んでいて、バスの乗り心地も悪くない。しかしこのバス、最初から最後までお客はワタシ一人。大丈夫なんだろうか…

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このルートで熊野へ抜けるには、その日のうちの乗り継ぎ便がないので、どうしてもどこかで泊まるしかありません。上北山村の中心地、河合には上北山温泉があるので、ここで泊まることにしました。上北山村営の「ホテルふれあいの郷かみきた」は、川上村営の「五色湯」と同様、こんな場所にしては立派なホテルになっています。

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翌朝、熊野市に行くためには1日1本のバスの乗ることになるのだが、バスの出発は7時18分。ホテルの朝飯をかっ喰らって慌てて乗り込みました。例によって運転手さんとわたしの二人っきり状態で北山川沿いを下ります。

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池原ダムのダム湖が広がると下北山村。ここで国道169号線から、険しい道の国道425号線に変わります。(2006年10月をもって、この路線は「下桑畑」止めとなり、乗り継ぎは不可能のようです)

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車内は下北山から病院に通う老人たちで、そこそこ賑やかになって少し安心。車窓から熊野灘が望めるようになってくると三重県熊野市です。この熊野市駅でバスを降ります。バスはこの後、新宮駅に向かっていきました。ここから次の目的地の湯の口温泉に向かうのだが、既に午前中の便は出たあと。やむなくタクシーを使うことにしました。余計な出費もさることながら、旅のポリシーに反することに後ろめたさを感じてしまうが…紀和町(平成の大合併により現在は熊野市)の中心部を抜け、北山川に面する観光・保養施設の瀞流荘へ着けてもらいました。

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この瀞流荘の裏手に廃坑になった紀州鉱山の坑口があり、観光用に復元されたトロッコが、瀞流荘と湯の口温泉を結んでいます。古く奈良の大仏の建立にもここの銅や金が使われたとの記録が残っているこの紀州鉱山は、戦前に現在の石原産業が買収後、積極的に機械化が推進され、銅をはじめ各種のレアメタル類を産出。戦後、国際相場の暴落で採算が悪化し、遂に1978年に閉山となったとのこと。

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戦時中、労働力の不足を補うために強制連行されてきた朝鮮人やイギリス人の墓地が残っていて、そんな、多くの人たちの血と汗の滲んだこのこの場所に温泉を求めるのはいささか胸が痛な…

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それはともかく坑道を行くトロッコ、乗り心地は悪いが、なんか地球の内部に進んでいくような感じで実に感慨深い。鉱山の名残をとどめるこのトロッコは全国的にも貴重なものといえます。この坑道体験するだけでも値打ちあり!

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再びトロッコに乗って瀞流荘のバス停へ。ここから南紀広域バスの小型車で熊野市へ戻ります。バスはいすゞ「エルガミオ」のワンステップ車、ショートボディはチョロQみたいですね。

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熊野市からJR東海の特急「南紀」で松阪へ、ここで近鉄特急に乗り換えたら大阪まで一直線。です。松阪には例の美味いもんがあって少し心残りだが、タクシー代に思ってた以上の出費があったので今回はパス。例のもんはいずれ…

訪問日:2005年7月12~13日

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