80歳に向けて・「新風来記」・・・今これから

風来居士、そのうち80歳、再出発です。

求める男

2016年11月10日 06時37分44秒 | 考える
団地の広場で防災訓練をやっていた。
男はうつむき加減で、その横をゆっくりと歩いて行く。

ちょっと見には、それほど老いたようには見えないが、
よく見ると、深く被った帽子からはみ出して見える髪が真っ白い。


何を考えているのか、周囲の変化には、まるで無関心のように
うつむいたまま、一定の速度で歩いて行く。


「別に、どうしても、今日というわけではないんだよな。」 
小さくつぶやく声が聞こえた。

いつだってかまわないということは、いつまでもやらない言い訳になる。
そう、人とはものぐさな存在だ。

掲示板にポスターが貼ってある。
11/13(日) 七五三の式典だとか。 
これは、一生に一度、・・・いや、三度かな・・・?

今でなければ出来ないことを優先する。
逆を言えば、ひょっとしたら、それは 「今なら出来る」 ということだ。


11/9(水) 晴れ
さすがに11月も9日、10日になると、空はからりと晴れて、雲一つない。  
青空であっても、ヒヤリとした冬の風が、私の首筋と、ついでにやたら
軽い懐を直撃して、吹き抜ける。


道行く人々も、各々、首をすくめるようにして、足早に歩いていく。
いかにも寒そうだ。


他人と付き合う、殊に他人を思いやるということになると、本当に大変
なことだ。

たった一言、思いを伝えようとしても、なかなか思うようにいかない。
思いの半分も伝わってくれない。
かといって、黙ったままでいれば、まるっきり相手に伝わることはない。

格好つけるより、まずは目的を果たす (伝える) ことこそ大事なことだ。 

彼は、一体何を探し回っているのか?
生きる目的、生きる希望、
それと、今現在、何かをやっているという実感。

それらが欲しい。