原田マハ作「スィート・ホーム」を読みました。宝塚の山手の住宅街にある洋菓子店「スィート・ホーム」のお話です。兵庫県の宝塚や西宮方面は高級住宅街が多くマンションもたくさん建っています。上品な佇まいです。お父さんがパティシエでお母さんが看板娘、お姉さんは梅田の地下街にある雑貨店の契約写真、妹は女子大生の4人家族。本当に絵に描いたような幸せな家族です。「スィート・ホーム」のお店も、そこで作られるケーキも素敵で、ケーキが食べたくなります。行間から生クリームの甘い香りやイチゴやモンブランのクリームの香りも漂ってくるようです。毎年、金木犀の花が咲くころに家族写真を撮ることになっていて、お店にも写真が飾ってあります。お姉さんが恋人と出会って結婚するまでのお話です。次はこちらのお店の近く住む料理研究家母子のお話で、「スィート・ホーム」のお店やその家族も出てきます。このように順繰りにいろいろな方が登場し連作になっています。近くの家族が織りなすお話が広がりを増しその1つ1つが「スィート・ホーム」なのです。題名通りのお菓子を含めて本当に「スィート・ホーム」のお話でした。久々に心穏やかに最後まで読める作品でした。
2023-2-18(土) 図書館資料 請求番号:B/913/ハラ
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