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レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、残日録。

ちいさな独裁者

2019-09-15 23:35:47 | 洋画
いつも言ってるように映画の情報は殆どいれませんから
まさか、最後のスーパーで実話っていうことを告知されて
まさかのビックらこん
いやはや、時代といえ、こんな男が実際にでてくるなんて
そしてドイツがこのような映画を作るって・・・

時は1945年、ドイツ国内で命からがら逃げる若い上等兵
偶然置き捨てられていた軍用自動車の中からナチ空軍大尉の軍服を見つけ
軍服を身につけた時から物語が始まる

主人公はサイズの大きい大尉の軍服を着て、文字通り身の丈に合わない総統から直接特命を受けて
所謂敗走中のドイツ軍脱走兵が、行き掛かりで犯罪を犯していくにを調査する大尉に成り切る様が実に見事

そうなんですね立場が人を作るってよくいわれますし
”馬子にも衣装”ではないですが大尉の軍服を着用し、その役を徹底して演じるだけで、行動や心もそれ相応になると言う描き方で
実はさいごまでフィクションだとばっか思って見てました

ってのも脱走兵が犯罪に手を染めて捕まってる連中を
そうなんですね、自分だって脱走兵であるのですが、軍服を着ただけで
なんと同胞であるドイツ人たちを、虐殺してしまうとは・・・

主人公が軍服から得られた権力がえすかれーとしての同胞の虐殺っていうのは
ある意味リトルヒトラーになっていく様が実に怖いわけで
そこいらも邦題から読み取れる訳で、私はそういう意味での寓話としてのフィクションだと・・・
それが真坂の実話であり、主人公は当時なんと21歳だったのにもある意味怖さを感じてしまうんですね
そして彼に最初っからついてきた兵士も脱走者なのかはよくわかりませんが
実質主人公は軍服のサイズから理解していたんじゃないか
だってねぇ軍服のサイズをしっかりと合わせて言ってる訳だしね

人が借り物の衣装や立場でどんどん残虐になると同時に
見てるこっちはいつばれるかって言う緊張感を強いてくる作品でもあったりと
言葉として相応しいかはどうかということもあるんですが
実に面白い作品だった
第二次世界大戦末期のドイツ軍も軍規が乱れ、なんと捕まえたドイツの軍法会議でさえ
彼の人心掌握能力を認めて死刑にせずに戦線に戻すっていうのも・・・

久しぶりに重たいが面白い作品を見た気がする

2017年製作、ドイツ・フランス・ポーランド合作映画
ロベルト・シュヴェンケ脚本・監督作品
出演:マックス・フーバッヒャー、ミラン・ペシェル、フレデリック・ラウ、アレクサンダー・フェーリング、ベルント・ヘルシャー、サッシャ・アレクサンダー・ゲアサク、ザムエル・フィンツィ、ヴォルフラム・コッホ
コメント
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