日本映画専門チャンネルの恒例企画番組“おとなの桃色シネマ白書”の先月5月分のもう一本が録画未遂のためになんと5月31日放送分の深夜枠(つまり暦上では6月1日未明)で拾うことになり
ようやっと本日ブログアップすることが可能になりました。
この作品劇場公開の時には「痴漢義父 息子の嫁と…」というタイトルで、再映の時にこのタイトルになり
シナリオ段階では「夜明けの牛」だったとか
さらに「田園官能ロマン 乳搾り 背徳の牛舎」というタイトルで一応DVD化もされています
要はいわゆる三ちゃん農家っていうよりかはもう後継もいなくなり
そう父親がかわいがってる乳牛ハナコを売り飛ばそうとした長男が売り飛ばしに行く途中でハナコと共に事故死して
息子の嫁と一緒に農家を守っていくという姿を淡々と描いた作品な訳ですが
これが実によく出来た作品でして
まぁ後藤監督自体一年くらい前にこの同じ“おとなの桃色シネマ白書”での「喪服の女 崩れる」のピンク映画デビュー作の時にも書きましたが
もともとはロマンポルノからピンクに転身されて来た監督であったのと
この時代ピンク映画はネット上でのポルノやAVにまだ押されないためプログラムピクチャーとして量産されていた時代でしたから
そんな中で一本や二本こう言った格調高い作品が生まれるっていうのも必然だった訳でして
実に切実に20年も前に認知症の映画を作っていたとは
それもピンク映画でですよ
それだから朝の乳搾りに義父がやってくると息子の嫁はハナコの代わりに牛舎で全裸で四つん這いになって乳搾りされるものの
父親はハナコだって認識しかしてなくて、そんな毎朝の日課が終わると農家の朝食が待っており・・・
そんな日常の繰り返しの中でそこに佐々木ユメカさん演じる家出不良娘が帰ってきて
そんな日常の繰り返しの中でそこに佐々木ユメカさん演じる家出不良娘が帰ってきて
さらにこの土地を狙う小悪党のなかみつせいじなどが加わってきて・・・
最終的にはこう言ったお話の帰結は義父と義理の娘がようやっと結ばれてっていうことなんですが
それを62分の尺に見事にまとめる誤答監督の手腕と人が人としていかに人を思いやって生きてるかっていうのを描き通しているわけで
麻木涼子さんと中村方隆さんとの二人の関係も抑えた演技でクライマックスに瞬発させる見事さには感服させられる
佐々木ユメカさんもいい味っていうか彼女の持つ雰囲気が生かされたし
さすがはなかみつせいじさんだし
これほどピンクであってピンク的でない内容を含有した作品となってるのもまたよかった
切り口の違う記事はコチラ
2003年製作、日本ピンク映画、新東宝作品
後藤大輔脚本・監督作品
出演:中村方隆、麻木涼子、佐々木ユメカ、なかみつせいじ、城春樹、水樹桜、新納敏正、江端英久