5年前、私たち家族は上海に駐在していました。
5年前のこの日あの時間、夫は北京に出張中でした。
中3だった上の娘は、卒業を控えて授業はすべて終了、友達と遊びに出掛けていました。
中1だった下の娘は、スクールバスで学校から帰宅途中でした。
家にいた私は、何も知らずにのんきにママ友と電話でおしゃべりしていました。
すると、ママ友の携帯にご主人から電話が入り、ちょっと待っててと言われました。
数分後、ママ友が電話口に出て来た時には、
なんか日本が大変なことになっているみたいだよ。テレビをつけてみて。
と、少し緊迫した様子で言われました。
テレビをつけると、すぐに、恐ろしい光景が飛び込んできました。
地震発生の時刻とは1時間程時間差はあったかもしれません。
にわかには信じられない、あってはならない光景でした。
受話器を持ったまま、茫然としました。
阪神大震災の時は、シンガポールに駐在していました。
娘たちは、まだこの世に生を受けていませんでした。
あの頃は、まだインターネットも普及していなかったし、
テレビで日本語放送を見れるのは1週間に1度、わずか1時間だけでした。
そんなでしたから、あの大災害を知ったのは少し時間が経ってからでしたし、
変わり果てた神戸の街の映像を見たのは、さらに数日後の日本語放送上でした。
その時もやはり呆然としました。
どちらの大震災の時も、私は日本にいませんでした。
日本が、日本に住む人々が、自然の脅威に慄き、困難に立ち向かっている時、
日本にいませんでした。
東京にいても感じたであろう恐怖や不安が、そこにいなかった私には実感としてありません。
友達の体験談を聞いたり、ニュース番組の特集を見て、そこから感じること、考えることは
もちろんあるけれど、実体験のない私には何も言えない気がします。
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