クラシックな音楽的生活

日々、家の中にヴァイオリンとピアノの音が流れています。

世界初演 カプースチン ピアノ協奏曲第3番

2016-11-07 | 上の娘ごと

「芸術祭」最終日の日曜日は、「プレミアム・オーケストラ」の演奏を聴いてきました。



こちらは大学の公式企画として毎年行われ、今年で53回目という歴史ある演奏会です。

上の娘も、1年生の時から参加、今年で3回目となります。

芸術祭で行われる演奏会は全て有志オケによるもので、プレミアム・オーケストラもその一つですが、

ソリストと指揮者が大学の教員、あるいは外部のプロであるため、指導がしっかり入ります。

その分、練習日も多いですが、適当な練習で本番に入ってしまうより勉強になるので、

娘は毎年、このオケに参加しています。

また、この演奏会は非常に人気があって、

チケットがあっという間にソルドアウト(無料ではありますが)になってしまいます。

娘にお願いして押さえてもらいましたが、今回は、バルコニー席でした。

こんなふうに ↓ 見渡すことができます。



なかなか新鮮でした。


曲目は、

グリンガ : 歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲

ブラームス : 交響曲 第2番 ニ長調

カプースチン : ピアノ協奏曲 第3番


カプースチンは、存命しているロシアの現代作曲家で、

これまでにピアノ協奏曲としての作品を6曲書いているそうです。

今回演奏された第3番は、なんと世界初演だったとか。

ソリストを務められた川上昌裕先生は、カプースチンの紹介者・演奏家としては第一人者

なのだそうです。

西洋音楽とジャズの融合らしいです。

確かにジャズ要素が強く、ポップス感もあって、かっこ良かったです。

ピアノソロは、曲も演奏も、共に素敵でした。

でも、実のところ、バルコニー席に、ピアノの音はあまり届かず、

残念ながら、川上先生の熱演も完全には届きませんでした。

管楽器、打楽器が、非常によく聴こえました。

やはり真上よりは、正面で聴いた方が、バランスよく音が響くようです。

それでも、1stヴァイオリン、2ndヴァイオリンは全員を見渡すことができたので、

一人一人のボウイングのチェックをして楽しめましたw

普段弾かない曲調だから、弦楽器もかなり大変だったのではないでしょうか。

実際、音源がなく、楽譜から読み取るしかないので、娘も、

「難しいよ~」と、練習中は四苦八苦しているようでした。

最終的にきちんと形になって、無事世界初演を果たせたこと、素晴らしいです。

超満員の観客の皆さんに、たくさんの拍手を頂けて、壇上の皆さん、とても輝いていました。




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クルティシェフ ピアノリサイタル

2016-11-06 | 日記

娘たちが通う音大では、今日まで、「芸術祭」が行われていました。

昨日は、数ある演奏会の中の一つ、特別演奏会「ミロスラフ・クルティシェフ ピアノリサイタル」

を観賞して来ました。

クルティシェフは、2007年のチャイコフスキー国際コンクールで第2位(1位なしの最高位)

を獲得したロシア人ピアニストです。

奥様は、同じ2007年のチャイコフスキー国際コンクールで第1位を獲得したヴァイオリニスト、

神尾真由子さんです。

2年程前かな?、このお2人に密着したドキュメンタリー番組を見たことがあります。

確か、何かの演奏会で何かのソナタを2人で演奏することになっていたのですが、

音楽的なことで2人の意見が衝突して、どちらもなかなか譲らない・・・という場面がありました。

神尾真由子さんのことしか知らなかった私は、これほどの才能の持ち主の意見なんだから、

もう少し彼女の意見に耳を傾けても良いのでは? あまりにもかたくなすぎるのでは?

と、勝手に神尾真由子さん側に付いて、クルティシェフについては、面倒くさそうな人だなぁ、

という印象を抱いていたのでした。

それが、この日、完全にひっくり返りました。

クルティシェフ、凄すぎです!

まさに、才能の塊。

ちょっと癇に障る俺様的な態度も、あの演奏を聴いてしまえば、全て受け入れることができます。

逆に、最早かっこいいとしか思えない。

テクニックがものすごいです。

大きな手、長い指が、自由自在に鍵盤の上を躍ります。

鍵盤をつかむように、深く弾きます。

指を丸めて、玉を転がすようにやさしく弾きます。

音の多様さに、とにかく驚きます。

最弱音から最強音までの幅がものすごく大きい。

弱音はあくまで弱く、でも芯はしっかりとして良く聴こえて、

強い音は、ありえないほどの大音響。

しなやかでありながら、ものすごくパワフル。

指の強さ、半端ない。

衝撃でした。

曲目です。

リスト : 愛の夢 第3番

ショパン : 12の練習曲 作品10より第12番「革命」 ハ短調

ショパン : ワルツ 第5番 変イ長調

ショパン : ピアノソナタ 第2番 変ロ短調 「葬送」

ラヴェル : 夜のガスパール

プロコフィエフ : ピアノソナタ 第7番 変ロ長調 「戦争ソナタ」


全ての曲が、彼の唯一無二の音楽、という感じがしました。

プロコの「戦争ソナタ」は、初めて聴きました。

あまりの激しさに圧倒されました。

演奏会後も、この曲の印象がなかなか去らず、しばらく引きずりました。


アンコールは、なんと3曲でした。






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ハンガリー国立フィル&松田理奈さん

2016-11-04 | 日記

先週、ハンガリー国立フィルと牛田智大さんのコンサートに娘たちが行ってきましたが、

ハンガリー国立フィルと松田理奈さんのコンサートの招待券も頂いていたので、

今度は上の娘と私で鑑賞してまいりました。

     


とても良いお席で、遮るものが何もなく、ソリスト、指揮者はもちろん、

オーケストラ全体を、真正面から全て見渡すことができました。

曲目は、

ブラームス : ハンガリー舞曲 第1番・第6番・第5番

メンデルスゾーン : ヴァイオリン協奏曲 ホ短調

ベルリオーズ : 幻想交響曲


ハンガリー舞曲は、ハンガリー国立フィルですからね、お手の物ですね、きっと。

まさに十八番といったところでしょう。

ジプシー音楽なので、独特のリズムであったり、メロディに装飾があったり、

緩急の変化が多彩だったり。

第5番は特に有名なので、誰もが耳にしたことがある曲だと思います。

指揮者は、炎のマエストロ「小林研一郎」さんでしたから、

途中、お喋りも入ったりして、とても楽しく聴くことができました。

コバケンさんご自身も、

「通常はこのタイミングで、指揮者が喋り出すなんておかしいんですけど・・・」

と、前置きしながら、結構いろいろお喋りして、観客の笑いを誘っていました。

圧巻は、メンデルスゾーンのコンチェルトでした。

松田理奈さん、素晴らしかったです。

魂を揺さぶられるとは、こういうことを言うのだと思いました。

この曲は、学生用のコンチェルトを早い時期に学習し終わった子供が、

一番最初に弾くコンチェルト(特に日本では)になっていて、

上の娘も、先生の指示で、小学6年生か中学1年生辺りで、やはり一度弾きました。

指の回る子であれば、とりあえず弾けてしまうのですが、

弾けたとしてもそれは上っ面でしかないのですね。

こんなにも哀調を帯びた美しい旋律を、人生経験のほとんどない子供に表現できるはずもないわけで。

松田理奈さんの演奏には、鳥肌が立ったし、涙が出ました。

揺らぐことのない確かな音程と深い深い音楽性に、すっかり魅せられて、

雑念など少しも入り込む余地がなく、全3楽章を聴き終えました。

感動がなかなか過ぎ去らず、しばらく呆然としてしまいました。

それは他の観客の方々も同様で、拍手とブラボーの声がなかなか鳴りやみませんでした。

上の娘も泣いていました。


     



     



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河村尚子ピアノリサイタル

2016-11-02 | 日記

ドイツを拠点に国際的に活躍されている河村尚子(ひさこ)さんのピアノリサイタル

に行ってきました。

今回もまたチケットを頂きまして、下の娘と一緒に、有り難く鑑賞してまいりました。




杉並公会堂は、K先生門下発表会やコンクール等で、何度か行ったことがありますが、

大ホールの方は初めてです。

指の動きがしっかり見て取れる、とても良いお席でした。

「オール・ショパン・プログラム」ということで、曲はすべて、ショパン。

・3つのマズルカ 

・即興曲 第4番 嬰ハ短調 「幻想即興曲」

・ポロネーズ 第7番 変イ長調 「幻想」

・24の前奏曲

夫と下の娘は、演奏会中、寝てしまうことが多いのですが、

理由を聞くと、決まって、「演奏が上手いから」と言います。

きれいな和音が続いたり(ピアノ)、音程が完璧だったり(ヴァイオリン)すると、

気持ち良くなって寝てしまうのだと。

素人愛好者の私としては、素晴らしい演奏であれば、自然に惹き込まれていくし、

しっかりと聴きたいと思うので、寝ることはまずないのですが・・・

この日も、下の娘は、たぶん3分の2は寝ていたんじゃないかしら。

何度肩を小突いても無駄なので、途中で諦めましたw

河村尚子さんの演奏を聴くのは初めてでした。

5歳の時から現在に至るまでドイツに暮らし、ドイツの教育を受け、

欧州の先生に師事して来られたからでしょうか。

立ち居振る舞い、笑顔を含めた表情が、日本人というよりも欧米寄りに感じました。

音にも音楽にも、それは感じられ、とても強い意志が伝わって来ました。

女性的な抒情を表現しつつも、男性的な力強さも感じました。

打鍵がしっかりと強いのだと思います。

とはいえ、音はとても美しく、いつも右手の音に耳が行ってしまいがちな私ですが、

この方の場合は、なぜか左手に目も耳も傾けてしまいました。

休憩後の、24の前奏曲。

こちらは、24の異なる調で作曲された24の小品をまとめた曲集。

1曲1曲が短い曲とはいえ、全て調が違い、曲調がくるくる変わっていきます。

激しい曲にも、温和な曲にも、軽快な曲にも、技巧的な曲にも、

ほとんど間をおくことなく、すっと入り込んで、全てが完璧でした。

最後の第24番は、激しく、情熱的に、締めくくられました。








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