え~久しぶりのボリビアです。忘れてたわけじゃありません(笑)。ワイナポトシ登頂の続きでございま~す♪
8月8日(金)
なかなか止まなかった雪も、23時過ぎでしょうか、ようやく星空になりました。うれしいですがちょっとびっくりです。
午前0時に起床です。身支度を整えて外に出ると、風もなく、なんだかとっても暖かいのです。ちょっと動くと汗ばむくらい。少しでも軽くしたいのでついつい軽装にしてしまいました。グローブも薄手のインナーだけで十分なくらいです。
午前1時40分頃、BCを出発。しばらく歩いて氷河の舌端に到達したら、アイゼンをつけロープを結びます。ガイド一人につき二人のお客。私と白井さんのペアに付いてくれたのはラミーロです。「デスパシオ(ゆっくり)ね」とお願いします。
雪原をゆっくり2時間弱歩いたところで初めての休憩。ラミーロがにっこり笑って「GOOD!」と
言ってくれます。白井さんもとっても元気そう。私も元気だったのですが、だんだん寒くなってきて、薄着にしてしまったことをしみじみ後悔。日が昇るのは6時半すぎなので、それまでは寒くなる一方。参ったなあと思っていると、白井さんが「着てないから」とインナーダウンを貸してくれました。助かりました・・・。判断が甘かったです。
やや急な斜面をトラバースして、クレバスにかかった怪しげなスノーブリッジをおっかなびっくり渡り、急登をあがると稜線に出ます。振り返るとラ・パスの街灯りがオレンジ色の海になっていました。
しかし空を見上げると、出発の時の星空は消え、なんだか怪しげな雰囲気。だんだん明るくなってきてみると、なんだか視界がモノトーン・・・。出がけの晴天はどこへやら。こうなるとどこをどう歩いているのか分かりません。左右の地形がようやく分かる程度です。風もだんだん強くなり、雪も降り始めて目出帽も必要になりました。
晴天と荒天では、体力の消耗度も全然違います。私たちのペースも目に見えてダウンしました。ガイドのラミーロは何も言いませんでしたが、白井さんには何度か引き返すことを相談しました。が、頂上まであとすこし、後続も(いつのまにか我々が先頭だった)引き返す気配はありません。休憩を増やしてなんとか頂上直下の急斜面に到達しました。おそらく私一人だったら、あきらめていたでしょう。
最後の急登には、50cmくらいのペニテンテス(氷の尖った柱)が乱立しています。その間を歩くのかと思うとぞっとしましたが、幸いちゃんとトレースがあり歩きやすくなっていました。ラミーロも「大丈夫」とGOサインを出してくれます。そこをあがりきると稜線なのですが、これがまたスリリング。尖った氷の稜線にほそ~く切られたステップをトラバースします。私はこういうところがあまり得意ではありません(実は高所恐怖症)。登りは平気ですが下りでついつい腰が引けてしまうのです。「私はここでもういいですぅ~」と泣きを入れましたが残念なことにスペイン語で叫べなかったので先頭のラミーロには届かず。まだ行くの、まだ行くの、と泣き言を言いながら(心の中で)、畳3畳くらいの広さでしょうか、なんとか休める場所でラミーロがストップ。この先は氷の屏風!どうやらここがサミットらしいです。うれしいと言うより、前進が止まったことに安堵しました。景色は、全く見事なほど見えません。残念ですが、とりあえず目標のひとつをゲットできたのは幸せです。すぐに青空さんご夫妻、中村さん、平岡さんが到着し、記念撮影しました。私は、怖くて身動きが取れず、その場で体をねじって存在をカメラにPRしました(笑)。とにかくはやく下山して少しでも安全なところに行きたくてたまりませんでした。もともと頂上でのんびりする方ではないですし。
最初に到着したので、下山も先頭。ロープを結んだままで降りるので、ペースを合わせないと上に引っ張られるのでとっても怖いです。登りで私が怖がったら「何言ってるの!頂上まで行くわよ!!」と励ましてくれた白井さんも「どうやって降りるの~こわい~!!!」と騒いでいます。ええっ白井さん登りの強気は?(笑)と思いましたが、一緒に怖がる仲間を見つけてだいぶ安心したワタクシでありました。頂上直下では最後のパーティ、宗宮さんと内田さんにもすれ違い、8人中7人が登頂することが出来ました。
ペニテンテス斜面を降りきったところでラミーロに「怪我人を搬送するから、他のパーティと一緒に降りてくれ」と言われました。実は急斜面の下で落石にあった登山者がいたのです(我々のメンバーではない)。詳しい状況は分かりませんでしたが、改めて自分のいる場所の危うさを感じました。
天候は回復の様子が無く、急いで降りたいのですが皆疲れておりペースはあがりません。雪はどんどん降り、風もあったのでトレースが消えかかっています。稜線から、雪原に降りる急斜面に降りるポイントがもう分かりません。ルートを熟知している現地ガイドはまだ一人も追いついてこず。一人なら青ざめるところですが、さすがベテランガイド、平岡さんが見つけてくれました。しかしここで私にはプチ試練(笑)。下山時はガイドが最後尾で確保するので、ロープの先っぽに居る人、つまり私が先頭で降りなくてはなりません。結構急な上にステップが消えかかっているので私の能力ではクライムダウンするしかありません。ダブルアックス(カマキリみたいにピッケルを両手に1本ずつ持つ)なら安心なのですが、1本しかないので、片手は雪の中につっこんで支えます。1本でも出来るようにしておけってよく言われてたよなあ。やや広い足場のところまで降りるとあとはスノーブリッジを渡るだけ。ところが降り積もった雪で滑り台になっており歩き出したら止まりません。ロープを張って貰って進みます。そしてちょうどブリッジの真上で、ロープがストップ!え~これは怖いです。いくら確保して貰っているといっても怖いです。渡りきったときはほっとしました。あ~でも、先頭で降りられるなんてちょっとうれしい☆です。ワクワクしてしまいました。
この後はもう、だらだらと雪原を降りていくだけなのですが、ようやくBCに到着したときは、クタクタでした。しかしこれで終わりではありません。BCをさっさと撤収して迎えの車まで歩いてゆき、ラ・パスに戻らなくてはならないのです。あ~、たまんない・・・(笑)。
コックさんが作ってくれたスープを頂いたら、テントの中を片付け。雪が降り続いているせいで全てベタベタです。でも、翌日にはまたすぐにイリマニに向けて出発しなくてはなりません。乾かす間がないかもと思うと少しでもきれいにパッキングしたいのですが、狭いし疲れているし・・・キレそうであります。
やっとの思いで(最後はもう、適当に突っ込んで)、再び出発。来るときはゆっくり3時間の登りだったから、すぐ着くだろうと思っていたのに、歩けど歩けどゴールは見えず。やっとのことで車を降りた小屋にたどり着いたら、平岡さんに「哀しいお知らせです。雪のため車はここまで来れません。も~しばらく歩いてください。」・・・がっくり。そして悲劇はこれで終わりません。お世話になったポーターさんたちに別れを告げ、いざ出発しようとしたら、いつの間にか道路にでかいバスが止まっていて出られません。マジですか?!普通さあ、すれ違えるだけの道幅を確保して駐車するよねえ・・・。翌日のことがあるのでみんなピリピリしています。が、モノ申したくても言葉が通じません(苦笑)。狭い車内にすし詰めな上に暖房は効かず、トイレにも行けず、このまま動けなかったらここで夜明かし?!外部と連絡を取ろうにも携帯は通じず・・・。結局バスの運転手が戻ってくるまで2時間近く待たされ、ラ・パスのホテルに戻ったのは21時半。長くてほんとに疲れた1日でした。
8月8日(金)
なかなか止まなかった雪も、23時過ぎでしょうか、ようやく星空になりました。うれしいですがちょっとびっくりです。
午前0時に起床です。身支度を整えて外に出ると、風もなく、なんだかとっても暖かいのです。ちょっと動くと汗ばむくらい。少しでも軽くしたいのでついつい軽装にしてしまいました。グローブも薄手のインナーだけで十分なくらいです。
午前1時40分頃、BCを出発。しばらく歩いて氷河の舌端に到達したら、アイゼンをつけロープを結びます。ガイド一人につき二人のお客。私と白井さんのペアに付いてくれたのはラミーロです。「デスパシオ(ゆっくり)ね」とお願いします。
雪原をゆっくり2時間弱歩いたところで初めての休憩。ラミーロがにっこり笑って「GOOD!」と
言ってくれます。白井さんもとっても元気そう。私も元気だったのですが、だんだん寒くなってきて、薄着にしてしまったことをしみじみ後悔。日が昇るのは6時半すぎなので、それまでは寒くなる一方。参ったなあと思っていると、白井さんが「着てないから」とインナーダウンを貸してくれました。助かりました・・・。判断が甘かったです。
やや急な斜面をトラバースして、クレバスにかかった怪しげなスノーブリッジをおっかなびっくり渡り、急登をあがると稜線に出ます。振り返るとラ・パスの街灯りがオレンジ色の海になっていました。
しかし空を見上げると、出発の時の星空は消え、なんだか怪しげな雰囲気。だんだん明るくなってきてみると、なんだか視界がモノトーン・・・。出がけの晴天はどこへやら。こうなるとどこをどう歩いているのか分かりません。左右の地形がようやく分かる程度です。風もだんだん強くなり、雪も降り始めて目出帽も必要になりました。
晴天と荒天では、体力の消耗度も全然違います。私たちのペースも目に見えてダウンしました。ガイドのラミーロは何も言いませんでしたが、白井さんには何度か引き返すことを相談しました。が、頂上まであとすこし、後続も(いつのまにか我々が先頭だった)引き返す気配はありません。休憩を増やしてなんとか頂上直下の急斜面に到達しました。おそらく私一人だったら、あきらめていたでしょう。
最後の急登には、50cmくらいのペニテンテス(氷の尖った柱)が乱立しています。その間を歩くのかと思うとぞっとしましたが、幸いちゃんとトレースがあり歩きやすくなっていました。ラミーロも「大丈夫」とGOサインを出してくれます。そこをあがりきると稜線なのですが、これがまたスリリング。尖った氷の稜線にほそ~く切られたステップをトラバースします。私はこういうところがあまり得意ではありません(実は高所恐怖症)。登りは平気ですが下りでついつい腰が引けてしまうのです。「私はここでもういいですぅ~」と泣きを入れましたが残念なことにスペイン語で叫べなかったので先頭のラミーロには届かず。まだ行くの、まだ行くの、と泣き言を言いながら(心の中で)、畳3畳くらいの広さでしょうか、なんとか休める場所でラミーロがストップ。この先は氷の屏風!どうやらここがサミットらしいです。うれしいと言うより、前進が止まったことに安堵しました。景色は、全く見事なほど見えません。残念ですが、とりあえず目標のひとつをゲットできたのは幸せです。すぐに青空さんご夫妻、中村さん、平岡さんが到着し、記念撮影しました。私は、怖くて身動きが取れず、その場で体をねじって存在をカメラにPRしました(笑)。とにかくはやく下山して少しでも安全なところに行きたくてたまりませんでした。もともと頂上でのんびりする方ではないですし。
最初に到着したので、下山も先頭。ロープを結んだままで降りるので、ペースを合わせないと上に引っ張られるのでとっても怖いです。登りで私が怖がったら「何言ってるの!頂上まで行くわよ!!」と励ましてくれた白井さんも「どうやって降りるの~こわい~!!!」と騒いでいます。ええっ白井さん登りの強気は?(笑)と思いましたが、一緒に怖がる仲間を見つけてだいぶ安心したワタクシでありました。頂上直下では最後のパーティ、宗宮さんと内田さんにもすれ違い、8人中7人が登頂することが出来ました。
ペニテンテス斜面を降りきったところでラミーロに「怪我人を搬送するから、他のパーティと一緒に降りてくれ」と言われました。実は急斜面の下で落石にあった登山者がいたのです(我々のメンバーではない)。詳しい状況は分かりませんでしたが、改めて自分のいる場所の危うさを感じました。
天候は回復の様子が無く、急いで降りたいのですが皆疲れておりペースはあがりません。雪はどんどん降り、風もあったのでトレースが消えかかっています。稜線から、雪原に降りる急斜面に降りるポイントがもう分かりません。ルートを熟知している現地ガイドはまだ一人も追いついてこず。一人なら青ざめるところですが、さすがベテランガイド、平岡さんが見つけてくれました。しかしここで私にはプチ試練(笑)。下山時はガイドが最後尾で確保するので、ロープの先っぽに居る人、つまり私が先頭で降りなくてはなりません。結構急な上にステップが消えかかっているので私の能力ではクライムダウンするしかありません。ダブルアックス(カマキリみたいにピッケルを両手に1本ずつ持つ)なら安心なのですが、1本しかないので、片手は雪の中につっこんで支えます。1本でも出来るようにしておけってよく言われてたよなあ。やや広い足場のところまで降りるとあとはスノーブリッジを渡るだけ。ところが降り積もった雪で滑り台になっており歩き出したら止まりません。ロープを張って貰って進みます。そしてちょうどブリッジの真上で、ロープがストップ!え~これは怖いです。いくら確保して貰っているといっても怖いです。渡りきったときはほっとしました。あ~でも、先頭で降りられるなんてちょっとうれしい☆です。ワクワクしてしまいました。
この後はもう、だらだらと雪原を降りていくだけなのですが、ようやくBCに到着したときは、クタクタでした。しかしこれで終わりではありません。BCをさっさと撤収して迎えの車まで歩いてゆき、ラ・パスに戻らなくてはならないのです。あ~、たまんない・・・(笑)。
コックさんが作ってくれたスープを頂いたら、テントの中を片付け。雪が降り続いているせいで全てベタベタです。でも、翌日にはまたすぐにイリマニに向けて出発しなくてはなりません。乾かす間がないかもと思うと少しでもきれいにパッキングしたいのですが、狭いし疲れているし・・・キレそうであります。
やっとの思いで(最後はもう、適当に突っ込んで)、再び出発。来るときはゆっくり3時間の登りだったから、すぐ着くだろうと思っていたのに、歩けど歩けどゴールは見えず。やっとのことで車を降りた小屋にたどり着いたら、平岡さんに「哀しいお知らせです。雪のため車はここまで来れません。も~しばらく歩いてください。」・・・がっくり。そして悲劇はこれで終わりません。お世話になったポーターさんたちに別れを告げ、いざ出発しようとしたら、いつの間にか道路にでかいバスが止まっていて出られません。マジですか?!普通さあ、すれ違えるだけの道幅を確保して駐車するよねえ・・・。翌日のことがあるのでみんなピリピリしています。が、モノ申したくても言葉が通じません(苦笑)。狭い車内にすし詰めな上に暖房は効かず、トイレにも行けず、このまま動けなかったらここで夜明かし?!外部と連絡を取ろうにも携帯は通じず・・・。結局バスの運転手が戻ってくるまで2時間近く待たされ、ラ・パスのホテルに戻ったのは21時半。長くてほんとに疲れた1日でした。
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