満州皇帝溥儀革命を見たといふ 無季 まほろば 最新作 即興
いつの間にか23度の週末に入りました。首都圏のど真ん中で容赦なく飛び交う電波(VR)は、どのような自分の過去をどのように更新してゆくのでしょうか。たっぷりと年金を貰いながら、完全に停止した時間の中で自分を完膚無きまでに奪われてゆく人々。その中で時々眼光の鋭い人も見受けられます。私はいま実に面白い新旧の時間の交錯する渦中に身を置いているのかもしれません。先程、NHK総合の深夜再放送枠でたまたま『どこにもない国』という特集ドラマの前編を観ました。昭和20年の終戦直後から21年にかけて、満州から引き揚げてゆく日本人たちをリアルに描いた傑作ドラマです。その先駆けとして3名の日本人がそれまで戦って来た中国(国民政府)軍の現地地下本部(早くも共産軍と内戦中)の協力を得て米軍船舶で日本に帰還し、占領軍に満州に取り残された百数十万の民間人を救出・帰国させるよう訴えるという内容です。その当時、日本は第二次世界大戦(大東亜戦争)に敗れ、帰るべき国はありませんでした。【どこにもない国】というのは言い得て妙なタイトルでしょう。同時に、大東亜共栄圏の先駆けとなった【満州国】も地続きの併合韓国(旧李氏朝鮮)共々日本の傀儡(植民地)国家に終わりました。それらに動員された人々にとって、行く先も帰るあてもどちらもなかったということでしょう。後編の帰国後の展開に注目したいと思います。・・・《続く》