野性派でいこう!

日々の徒然です。子供四人。自然派。遺跡発掘事務所でお仕事。遺跡発掘調査で働き、やっぱり描いたり書いたりする日々。

PILAMIDASと、おじさん達

2016-06-08 21:48:03 | 旅行

メキシコシティのペンションアミーゴに別れを告げて、バスで、セントラルノルテ駅へ。

ここから、テオティワカン行きのバスがでる。
メキシコのバス乗り場は、かなりわかりにくい。
買ったチケットに販売員さんが、6から9と書いてくれるのだが、
乗り場6から9のどれかから、バスがでるよ。という事。

まぁ、行ってみりゃ、わかるか。と、思って、6から9のところに行くと、

PILAMIDAS

と、いう表示のバスがあるのに気がついた。

テオティワカン行きのチケット下さいと言い。
チケットにも、テオティワカンと書いてあるのに、バスに、ピラミッド、じゃ、だいたい加減がすごくて、
わたしがもっとちゃんとした人だったら、絶対分からなかった。

バスに乗ると、女の人が、お菓子の詰め合わせをくれた。
くれたと思ったら、10ペソだった。

バスの中で、若い男女が、ギターと歌を始めた。
なんだか、このギターと歌が猛烈に良くて、チップでもあげるべきかと思ったら、特に要求もされなかったし、誰も払っていなかった。

テオティワカンに着くと、娘の大荷物が気になった。

背中には、日用品のリュック。

前には、モニカと空港で別れたままメキシコシティに来たので、モニカから渡された台湾のインスタントラーメン15袋と、友達に返すように頼まれたトレーナーの入った袋をかかえている。

わたしも、ずっしりしたリュックを
背負っている。

テオティワカンは、広い。

おまけに起伏がある。

それに、物売りが、避けても避けても、ゾンビのように声をかけてくる。

ガイコツの形の、バウウウという音のなる笛を、いつもこちらにめがけて吹いてくる。
この音に、けっこうびっくりする。

かなり疲れた。

太陽のピラミッドの下で、さっき買わされたお菓子を食べて水を飲んでいると、
また物売りがきた。ブレスレットの物売りだった。

断ると、いい年したおじさんが、心底悲しそうな顔をする。

次のピアス売りのおじさんも、また、同じような悲しそうな顔をする。

ちょっと。

まぢで、あなたたちそれで生計立ててんなら、ちょっと甘いんじゃないの!?

同じようなもんを、こんなに大勢で売って、売れないに決まってる!

しかも、入り口の売店では同じモノがもっと安く売ってたのだ。

真剣に、やる気があるなら、みんなと違うビジネスチャンスを考えたほうがいい。

例えば、ピラミッドに登る人の荷物を預かるとか、記念写真を撮ってあげるとか。

と、わたしはかなりイライラしていたけど、伝えるようなスペイン語力もない。

遺跡は、石がゴロゴロ積み重なっている様に、なんとなくの迫力だけを感じてはいたが、とにかく、今生きてる物売りおじさん達への対応だけで大変だった。

しかし、当時の壁画が復元されている一角に足を踏み入れた時、これは物凄いぞ、と、思った。

シウダデラ市場で圧倒された、メキシコの人々の産みだすパワーと、

ここのおじさん達の、物を売る執念と、

このピラミッドを創り出した人々の、
生も死も超える生き様みたいな物が、全部繋がって、

気が遠くなった。

遺跡を歩いてヘトヘトになった娘が、

あーこの人たち、
この時代から、あんま変わってないわ

と、言った。

正に、同感。

ピラミッド時代から、同じモチーフのパターンが、現代の民芸品に現れる。

それが、古くさくもないし、ある迫力を、もっていて、美しいのだ。

スペインに征服された時代を経て、なお先住民の息吹が、ボコボコと音を立てて沸騰しているような感じ。

面白いなあ。

でも、
物売りの、おじさん達、

もうちょっと、違うビジネスチャンスを考えたほうがいいと思う。真剣に。