古物商  showa 土花亭

          効率性や利便性だけで埋め尽くされた今の時代。少しだけ時計の針をゆっくりと進めてみませんか。

REMINGTON REMETTE/レストア編

2013年09月16日 | 雑貨

早速、修理再生に取り掛かる前に少しだけ詳細説明。

資料では1938~1942年の4年間、アメリカREMINGTON Rand社で製造されたタイプライターになります。

(REMINGTONというと、やはり「GUN」が直ぐに思い浮かびますが・・・)

現在の文字入力キーボード配列(QWERTY配列)の元となったとされるREMINGTON Rand。

先ずはエアーで70年以上に渡り、溜まった埃を吹き飛ばし荒掃除。

とりあえず注油して動作の確認をし出します。

タイプアームの動きや打刻印字は問題ないようです。

さて、各部の欠品や動きのチェックに取り掛かります。

ブラリと垂れ下がっていたのはキャリッジを引っ張る紐。

実際、何処にどのように付いていたのかも不明。ここからが俗に言う「修理は推理」です。

ラジオなどとは違い、糸の張り方の図も何処かに張ってある訳がなく、何とか試行錯誤を繰り返し
紐の取り付く先と経路を見つける。

やっと張れたかと思いきや、今度はキャリッジが打刻後もスペースキーを押した後もテンションが足りず
スライドしない。

又もや「推理」。要は紐を引っ張るバネの力が足りない・・・。ってことはバネが内臓されているドラムが悪い。

注油を繰り返し、紐を引っ張りながらテンションを確認。でも、変化がない・・・。

一旦、「ドラムごと外すか?」と軸受部分を触ると「カチッ、カチッ」と・・・。「はっはぁ~いん♪」

「ゼンマイ式バネ」ねっ♪。。。ってことは時計と同じで巻けるのでは?

判明しました! 軸受けをよく観るとマイナススリットが入ってます。

ここにマイナスドライバーを差し込み、時計のゼンマイを巻くように、このドラムのバネも巻ける構造なのです。

問題が解決したところで、機能を確認すると何とか実用出来そうです。

気分を良くしたところで、専用ケースの表皮の捲れた所を修理しながら剥げたところは捕色を加え
本体のクリーングと磨き作業へ。

準備が整ったところで、いよいよタイピングです。。。続く。

 

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