早速、修理再生に取り掛かる前に少しだけ詳細説明。
資料では1938~1942年の4年間、アメリカREMINGTON Rand社で製造されたタイプライターになります。
(REMINGTONというと、やはり「GUN」が直ぐに思い浮かびますが・・・)
現在の文字入力キーボード配列(QWERTY配列)の元となったとされるREMINGTON Rand。
先ずはエアーで70年以上に渡り、溜まった埃を吹き飛ばし荒掃除。
とりあえず注油して動作の確認をし出します。
タイプアームの動きや打刻印字は問題ないようです。
さて、各部の欠品や動きのチェックに取り掛かります。
ブラリと垂れ下がっていたのはキャリッジを引っ張る紐。
実際、何処にどのように付いていたのかも不明。ここからが俗に言う「修理は推理」です。
ラジオなどとは違い、糸の張り方の図も何処かに張ってある訳がなく、何とか試行錯誤を繰り返し
紐の取り付く先と経路を見つける。
やっと張れたかと思いきや、今度はキャリッジが打刻後もスペースキーを押した後もテンションが足りず
スライドしない。
又もや「推理」。要は紐を引っ張るバネの力が足りない・・・。ってことはバネが内臓されているドラムが悪い。
注油を繰り返し、紐を引っ張りながらテンションを確認。でも、変化がない・・・。
一旦、「ドラムごと外すか?」と軸受部分を触ると「カチッ、カチッ」と・・・。「はっはぁ~いん♪」
「ゼンマイ式バネ」ねっ♪。。。ってことは時計と同じで巻けるのでは?
判明しました! 軸受けをよく観るとマイナススリットが入ってます。
ここにマイナスドライバーを差し込み、時計のゼンマイを巻くように、このドラムのバネも巻ける構造なのです。
問題が解決したところで、機能を確認すると何とか実用出来そうです。
気分を良くしたところで、専用ケースの表皮の捲れた所を修理しながら剥げたところは捕色を加え
本体のクリーングと磨き作業へ。
準備が整ったところで、いよいよタイピングです。。。続く。