前回、ご紹介した「精工舎 並スリゲル 黒柿」の文字盤張り替えです。
個人的には傷んでいても、当時のままの文字盤をそのまま使用した方が「趣もあり良い」という
考えなのですが時計という性質上、例えば時刻が分り辛いとか夜間の室内照明下で保護のため
塗装を施したクリアーのせいで文字盤が反射してしまい、見え難いとなれば話は変わって来ます。
手元のデーターを元に出来るだけ光らない、それもスノーホワイトなどでは無い少し黄色味がかった
厚紙を使用します。
そして、古いオリジナルの文字盤に接着剤等で張ってしまうのではなく、いつでも剥がせるように
リングやハトメで挟み込んで張る方法をとります。
今回は序に、こちらも状態が悪かった「RA振り子」も張り替えを施します。
これで相当、文字盤も見やすくなり照明の反射も抑えられ、時刻も読み易くなりましたね。
そして、「揃い踏み」ならぬ「揃い振り」
明治35年(1902)から製造販売「精工舎 並スリゲル」の内、それぞれが初期型の「黒漆塗」と「黒柿」。
(明治40年頃からガラス金模様が変わり後期型となります)