もうお馴染みというか、有名な精工舎「スリゲル4号」。
その小ぶりで可愛い様が観る者を引きつけます。
showa土花亭に来た時は薄汚れてはいるものの欠品はなく、ただいつものように「不動」という状態。
クリーングを施しながらムーブメントの調整を施し、間もなく蘇る。
この手の振り子はムーブメントの中心にはありません。
少し、右側へセットオフしているため振り子室の中心に振り子は位置しない構造になっております。
上宮部には女性の真鍮製金属レリーフ。出来るだけ汚れを落とし輝きを甦らせます。
そして、文字盤は立体成型されたセルロイド製になります。
運び込まれた時には赤文字の24H表示が後描きされてましたが、16時~19時が既に薄く
なっていたことと、この小さな文字盤には24H表示は似合わないと判断し消し落としました。
ケースはマホガニー塗り。ところどころの当りや剥げ部分は捕色を施し蜜蝋にて磨き上げてます。
振り子室の「SEIKOSHA」の金文字もほぼ残っておりますが、ガラス自体に少し曇りが観られます。
製造販売は大正期。当時の資料にはマホ塗、文字板5吋、丈1尺3寸、¥84円とあります。
大正期の米10kgの値段が約2円。教員の初任給が約45円。
当時の「¥84円」という価格がいかに高額だったかがうかがえます。
精工舎スリゲル4号/大正期:¥80,000円(送料別)