昨日の行商の折には沢山のご来店を頂きありがとうございました。
又、このブログをいつも見て頂いている方にもご来店頂いた上、ご購入もして頂き誠にありがとうございました。
では、レストアが完了した「木製レジスター(自動金銭分類器)」のご紹介です。
ところどころの外装の漆塗の剥げは、一旦そのままにして置こうかとも迷いましたが「カシュー漆」による
塗装やタッチアップを施しています。
その関係で色違いの部分が出ておりますが、それもまた趣だと思います。
正面上部と背面上部には「現金A37Yen81Senル」の表示がございます。
この表示はガラスの奥の紙を入れ替えることによって「いらっしゃませ」とか「ありがとうございます」等
表示の変更が可能な構造のようです。
しかし、この残された「37円81銭」というのが時代考察で重要な役割を果たします。
この手の「自動金銭分類器」は昭和初期~中期のものが多いのですが、初期にしては「37円81銭」は
あまりにも高額となります。その高額表示をレジに表示することは当然、おかしいので昭和28年の
流通「銭」の廃止以前の時期、時代は「昭和中期」と判断します。
正面エンブレムについては劣化によりメーカー名判読不可となっておりますが、背面には「Tsudihana」の
文字が残っております。これについてはメーカー名なのかどうかは不明です。
上部、金銭投入口の4方枠の内1ケ所が欠品しておりましたので新たに修復作成しております。
又、当時は上部に「結界飾り」が有ったような痕跡が残っておりましたが、欠品状態のためこちらも
穴や傷部分をカシュー漆によって補色しております。
一番痛みが激しかった抽斗が収まる枠部分。こちらもカシュー漆によって補色しております。
抽斗を引き出した状態になります。現行金銭を投入すると、右側に1円硬貨、右から2番目に
100円、50円、5円硬貨が落ちます。一つ空けて一番左側に10円硬貨が落ちるようです。
下の小抽斗は上の抽斗が開放されて初めて引き出せる仕組みです。このことは、この手のレジでは
当たり前の構造なのですが、当初は不都合があったため常時引き出せる状態でした。
こちらの構造も修復済となっております。
以前にもご紹介しました「2段階開錠方式ダイヤル錠」も使用可能です。
滅多に出ない「木製レジスター(自動金銭分類器)」をこの機会にどうぞ。。。
木製レジスター(自動金銭分類器)/昭和中期 : ¥35,000-(送料別)