素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

『今』を生きる

2009年07月23日 | 日記
 国内46年ぶりの皆既日食も、曇り空のため、大半の地域で観ることはできなかった。次は2035年9月2日。命あれば84歳か。

 皆既日食のことよりも、山口県の豪雨災害のほうで いろいろなことを考えさせられた。
 先の大雪山系の遭難事故や岡山県での竜巻の爪あとの映像を見た時も思ったが、自然の猛威の前には人間は無力であるということ。科学技術が発達してきて、ともすると「何でもできる」=『全能感』を持ってしまいがちだが、決してそうではない。ということを常に肝に銘じておく必要がある。
 今回のゲリラ豪雨でもっとも被害の大きかったのは、高さ5mほどの土石流に直撃された老人ホームである。「長い人生を生きてきたのに、こんな終わり方を…」と非情さに心が痛む。

 必ず来る人生の終わり。誰も予測できないが、このことを強烈に考えさせられた映画があった。1988年に制作された『TOMORROW 明日』である。1945年8月8日、長崎に原爆が投下される前日から 翌日11:02までの日常風景が淡々と描かれている。新しい命や生活が誕生した その一瞬に、その人達の明日が、突然消えてなくなったという事実を ラストの真っ白い画面で見事に表現されていた
 それ以来、『今』を強く意識するようになり、クラス担任になったら、どの学年であっても最初に、(これは2年用)
     4月8日。クラス発表を見た時。
     いろいろなことを 思ったと思う。
     しかし、
     いつまでも、
     私的な感情にとらわれず
     自分は 
     たまたま所属することになった
     この2年6組のために
     今、何をすることができるのかという
     前向きな姿勢を もってほしい。

     昔のクラスはよかったと 過去に生きるのでもなく
     3年生になったらと 未来にいきるのでもなく
     他のクラスだったらよかったと かなわぬ夢に生きるのでもなく
     このクラスで 今を しっかり生きてほしい

という一文を配り、話をし  『今』という一字を前に貼る。


 このことは、自分の生き方のベースにもなった。転勤で新しい職場に行っても、学年のメンバーがさまざまな事情で入れ替わっても、クラブで代替わりになっても「さあ、自分の役割は何で、何をするべきか」と考えるようになり、行動した。
 そして、次の新しい一歩を踏み出すためには、自己満足かもしれないが、最後に「自分は できるだけのことはした」と思えるように、ベストを尽くすことが大切である。でないと新しいものは生まれない。

  未来は、いつ どんな形で消えるかわからない。だから、今を大切に。

  
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