素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

周恩来と保科正之

2011年08月01日 | 日記
 今日の夜は、久しぶりに政治家とは?リーダーシップとは?を考えさせてくれる番組に出くわした。

1つは、BSプレミアム21:00からの“周恩来・中国現代史の巨人の知られざる素顔①”である。中華人民共和国の建国時、毛沢東と周恩来は2枚看板であったが、主席の毛沢東に比べて首相の周恩来は地味な感じであった。実務派という印象が強い。今回、初めて周恩来の実像に迫るドキュメントがつくられたことを嬉しく思う。

 建国から文化大革命までの中での周恩来の立つ位置が、今1つわからなかったのである。ドキュメントの中で、毛沢東が“右派と50m離れた所にいる人間”と批判したくだりがあったが、周恩来の微妙な立場がわかった。

 家族や側近の話から、想像以上に質素で、誠実な人柄が伝わってきた。公私の区別に厳格でプロとしての政治家である!と強く思った。4回シリーズなので、とても楽しみにしている。

もう1つは、BS-TBS22:00からの“THEナンバー2”で取り上げられた保品正之。歴史上の人物としては名前は通っていないが、抜群の政治力と視野の広さ、知見の高さを持った人格者であった。

 たしかに、手元にある西東社の“もう一度学びたい日本の歴史”で4代家綱時代の項を見ても、大老酒井忠勝・老中松平信綱の下に後見人保科正之と書いてあるだけで、実際は保科の発案とリーダーシップのもとでなされた改革などは、すべて家綱の功績として書かれてある。

 死後に自分の関係した仕事上の書類をすべて焼き捨てるよう側近に命じていたというから、プロの政治家として徹していた。

 そして、両者に共通しているのは、冷静な分析力と個人の名誉より、人民、民衆のために何が大切かという視点で合理的かつ現実的な発想を持っていたことである。

 歴史にはスポットの当て方で見えなかったものが見えたり、全く違ったものになったりと尽きぬ楽しさがある。
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