素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

「サラダ記念日」か!

2023年07月06日 | 日記
 夕方の「ほっと関西」の食レポのコーナーの枕で「今日は【サラダ記念日】です」とあった。

 「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日がパッと浮かび「そうや!7月6日だったんや!」と思わずつぶやいた。1987年に出されたこの歌集は一大センセーションを巻き起こした。メインキャスターの嶋田ココさんは生まれておらず、教科書で習ったというコメントに時の流れを感じた。そのことに驚いていた小山径メインキャスターも小学生で、初めて短歌というものを知ったきっかけだったと話されていた。

 私は36歳。それまで短歌は万葉集、百人一首、与謝野晶子、石川啄木、若山牧水など、それこそ教科書で学習した断片的な知識しかなかった。こんなに自由に表現できるのだと衝撃的だった。今でも俵万智さんの「サラダ記念日」(河出文庫)「チョコレート語訳・みだれ髪」(河出文庫)「とれたての短歌です」(角川書店)「短歌を詠む」(岩波新書)「考える短歌」(新潮新書)は本棚にある。

 同時に、当時TBSで舗装された俵万智の歌集「サラダ記念日」を読み、短歌にハマったヤクザとその周りを取り巻く人々を描いたコメディドラマ「カラダ記念日」も思い出した。筒井康隆さんの渾身の本歌取りパロディの歌がベースの物語だが、これが収められている『薬菜飯店』(新潮社)は痛快だった。「サラダ」と「カラダ」を合わせて読むと極上の言葉の世界が楽しめる。

 大きければいよいよ豊かなる気分東急ハンズの買物袋

  大きければいよいよ豊かなる気分盗品入った買物袋

ひところは「世界で一番強かった」父の磁石がうずくまる棚

  ひところは「世界で一番強かった」親分(ボス)の位牌がうずくまる棚

「30で俺は死ぬよ」と言う君とそれなら我もそれまで生きん

  「30で俺は死ぬよ」と言う仲間(ダチ)をそれなら30で殺してやろう

こんな調子で、全203首の本歌取り。これを機にもう一度味わってみるかと思う「サラダ付きカラダ記念日」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする