4月19日に福島県矢祭町の滝川渓谷で見た鳥である。
図鑑(山渓ハンディ図鑑7 新刊日本の野鳥)を1ページずつめくってみていくと、最後の方に「かご抜け鳥」として出ていた。
■ソウシチョウ
Red-billed leiothrix
スズメ目ソウシチョウ科
Leiothrix lutea
相思鳥/14~15cm
◇山渓ハンディ図鑑7 新刊日本の野鳥
1970年代後半頃から野生化したものが観察されるようになり、現在は増加傾向にある。元々はアジア南部に生息する。繁殖は山地で行い、越冬は平地で生活する鳥だ。
◇Wikipedia(抜粋)
ソウシチョウ(相思鳥、学名Leiothrix lutea)は、鳥綱スズメ目ソウシチョウ科に分類される鳥類。外来生物法で特定外来生物に指定されており、「日本の侵略的外来種ワースト100」の選定種の1種。
【分布】インド北部、中国南部、ベトナム北部、ミャンマー北部に自然分布。日本、ハワイ等に移入。
日本国内では「かご抜け鳥」とも呼ばれる外来種で、留鳥として住み着いている。現在、関東、東海、近畿、中国、四国、九州の各地で繁殖が確認されており 、関東では筑波山、近畿では六甲山系、九州では九重山系によく見られる。なお日本以外ではハワイ諸島で観賞目的で放鳥されたことがある。
【形態】全長がスズメと同じくらいの14-15 cmほど。背面の羽毛は暗緑色。眉斑から頬は薄い黄色、咽頭部の羽毛は黄色で胸部は濃いオレンジ色、翼に黄色と濃い赤の斑紋がある。
幼鳥の嘴は黒いが、成長に伴い赤くなる。体色に雌雄の別はないが、メスの体色はオスのそれより幾分薄くなる。
【生態】ササ類の繁茂する標高1,000 m以下の常緑広葉樹林、落葉広葉樹林に生息する。またこういった藪の中に営巣し、越冬期は標高の低い地域に移動し、主に竹林や笹藪に生息し小群をなす。カラ類との混群をなすこともある。
食性は雑食で、昆虫類、果実、種子等を食べる。
繁殖形態は卵生で、1回に3個の卵を産む。
【名の由来】つがいのオスとメスを分けてしまうとお互いに鳴き交わしをするため、相思鳥の名がついたと言われる。ちなみに中国現地名は「紅嘴相思鳥」である。
【移入】元来日本列島には棲息していなかった鳥であるが、江戸時代から飼い鳥としてしばしば輸入されていたようである。野生化は1931年に六甲山(兵庫県神戸市)で初めて確認されたが、これは神戸在住の華僑が祝典の際に放鳥した個体が定着したものと考えられている。この一群は六甲山に定着できなかったらしく、1945年以降に姿を消した。
本格的に日本に入ってきたのは1980年以降であり、日中国交正常化にともない、本種の中国大陸からの輸入が激増したことが原因として挙げられる。また本種は雑食性でもあり、扱いやすいことも輸入増加の原因になったと思われる。さらに本種の価格は非常に安価だったため、外来生物法が施行されるまでは、どこのペットショップに出向いても本種の姿が確認できた。そうして在庫を抱えたものの、販路や多額に及ぶエサ代に困って遺棄(放鳥)に及んだ悪質なペット販売業者があったようである。
【生態系に与える影響】本種を含む特定外来生物に指定された鳥類4種は、もともとあった自然環境が人間により開発され、その結果原産地と似た環境ができあがり、そこに定着した、という侵入外来生物によく見られる図式にあてはまらない、極めて珍しい外来生物である。
特に本種はその傾向が強く、野外での生息が確認された場所はいずれも古くから環境が変化していない天然自然林で、都市化の進んだ地域で観察される例は少ない。
現在まで本種が定着したことによる影響はとくに確認されていないが、今後生息域を拡大することで、一般的に外来生物の侵入による変化があまりない天然自然林の生態系が、大きく変化することが懸念されるため特定外来生物に指定された。具体的には営巣場所が競合するウグイスやオオルリが駆逐される危険があり、日本の侵略的外来種ワースト100選定種にもなっている。
◇ソウシチョウ / 国立環境研究所 侵入生物DB(抜粋)
【自然分布】中国南部、ベトナム北部からミャンマー北部、インド・アッサム地方、ヒマラヤ西部
【形態】全長約15cm。体色は暗緑色で、眉斑から頬は薄い黄色、のどは黄色で胸は濃いオレンジ色、翼に黄色と濃い赤の斑紋があり、嘴は赤色。
【生活環境】スズタケなど1mを越えるササ類の繁茂する標高1000m以上の落葉広葉樹林で繁殖する。越冬期は標高の低い地域に移動し、主に竹林や笹藪に生息する。
【繁殖生態】繁殖期:繁殖期は4~10月と比較的長く、産卵から巣立ちまで1ヶ月以内であることから、年に複数回繁殖している可能性がある
産仔数:1回に3~4卵
【生態的特性】繁殖中でも10羽ほどの群がよく観察され、秋には20羽以上の群やシジュウカラ類と混群をつくる。ササ群落中や高木下層の葉層内を活発に移動し、採餌する
食性:昆虫、果実
【国内移入分布】茨城、東京、神奈川、山梨、静岡、愛知、和歌山、大阪、奈良、兵庫、三重、福岡、熊本、大分、宮崎の都府県で繁殖した記録がある。山形、栃木、群馬、埼玉、長野、岐阜、福井の各県および近畿・中国・四国・九州の全県でも分布記録あり。
【侵入経路】古くから日本に飼い鳥として輸入されており、一般家庭からの逸出または経営破綻した業者による大量放鳥によると考えられている。
【侵入年代】江戸時代から飼育されていたが、野外への定着は、兵庫県神戸市の再度山1931年。その他の地域では、1980年代前半以降に生息確認。
【影響】営巣場所に捕食者を誘引する。近年の爆発的な個体数の増加は在来種に影響を与えている可能性がある。1910~1920年代に導入されたハワイでは、在来鳥類減少の一因と考えられている。
影響を受ける在来生物:メジロ、コマドリ、コルリ、ウグイスなどの在来鳥類。
【法的扱い】外来生物法で特定外来生物に指定された。
※日本野鳥の会の"BIRD FAN"の投稿写真には、福島県内で撮影されたソウシチョウの写真はなかった。
図鑑(山渓ハンディ図鑑7 新刊日本の野鳥)を1ページずつめくってみていくと、最後の方に「かご抜け鳥」として出ていた。
■ソウシチョウ
Red-billed leiothrix
スズメ目ソウシチョウ科
Leiothrix lutea
相思鳥/14~15cm
◇山渓ハンディ図鑑7 新刊日本の野鳥
1970年代後半頃から野生化したものが観察されるようになり、現在は増加傾向にある。元々はアジア南部に生息する。繁殖は山地で行い、越冬は平地で生活する鳥だ。
◇Wikipedia(抜粋)
ソウシチョウ(相思鳥、学名Leiothrix lutea)は、鳥綱スズメ目ソウシチョウ科に分類される鳥類。外来生物法で特定外来生物に指定されており、「日本の侵略的外来種ワースト100」の選定種の1種。
【分布】インド北部、中国南部、ベトナム北部、ミャンマー北部に自然分布。日本、ハワイ等に移入。
日本国内では「かご抜け鳥」とも呼ばれる外来種で、留鳥として住み着いている。現在、関東、東海、近畿、中国、四国、九州の各地で繁殖が確認されており 、関東では筑波山、近畿では六甲山系、九州では九重山系によく見られる。なお日本以外ではハワイ諸島で観賞目的で放鳥されたことがある。
【形態】全長がスズメと同じくらいの14-15 cmほど。背面の羽毛は暗緑色。眉斑から頬は薄い黄色、咽頭部の羽毛は黄色で胸部は濃いオレンジ色、翼に黄色と濃い赤の斑紋がある。
幼鳥の嘴は黒いが、成長に伴い赤くなる。体色に雌雄の別はないが、メスの体色はオスのそれより幾分薄くなる。
【生態】ササ類の繁茂する標高1,000 m以下の常緑広葉樹林、落葉広葉樹林に生息する。またこういった藪の中に営巣し、越冬期は標高の低い地域に移動し、主に竹林や笹藪に生息し小群をなす。カラ類との混群をなすこともある。
食性は雑食で、昆虫類、果実、種子等を食べる。
繁殖形態は卵生で、1回に3個の卵を産む。
【名の由来】つがいのオスとメスを分けてしまうとお互いに鳴き交わしをするため、相思鳥の名がついたと言われる。ちなみに中国現地名は「紅嘴相思鳥」である。
【移入】元来日本列島には棲息していなかった鳥であるが、江戸時代から飼い鳥としてしばしば輸入されていたようである。野生化は1931年に六甲山(兵庫県神戸市)で初めて確認されたが、これは神戸在住の華僑が祝典の際に放鳥した個体が定着したものと考えられている。この一群は六甲山に定着できなかったらしく、1945年以降に姿を消した。
本格的に日本に入ってきたのは1980年以降であり、日中国交正常化にともない、本種の中国大陸からの輸入が激増したことが原因として挙げられる。また本種は雑食性でもあり、扱いやすいことも輸入増加の原因になったと思われる。さらに本種の価格は非常に安価だったため、外来生物法が施行されるまでは、どこのペットショップに出向いても本種の姿が確認できた。そうして在庫を抱えたものの、販路や多額に及ぶエサ代に困って遺棄(放鳥)に及んだ悪質なペット販売業者があったようである。
【生態系に与える影響】本種を含む特定外来生物に指定された鳥類4種は、もともとあった自然環境が人間により開発され、その結果原産地と似た環境ができあがり、そこに定着した、という侵入外来生物によく見られる図式にあてはまらない、極めて珍しい外来生物である。
特に本種はその傾向が強く、野外での生息が確認された場所はいずれも古くから環境が変化していない天然自然林で、都市化の進んだ地域で観察される例は少ない。
現在まで本種が定着したことによる影響はとくに確認されていないが、今後生息域を拡大することで、一般的に外来生物の侵入による変化があまりない天然自然林の生態系が、大きく変化することが懸念されるため特定外来生物に指定された。具体的には営巣場所が競合するウグイスやオオルリが駆逐される危険があり、日本の侵略的外来種ワースト100選定種にもなっている。
◇ソウシチョウ / 国立環境研究所 侵入生物DB(抜粋)
【自然分布】中国南部、ベトナム北部からミャンマー北部、インド・アッサム地方、ヒマラヤ西部
【形態】全長約15cm。体色は暗緑色で、眉斑から頬は薄い黄色、のどは黄色で胸は濃いオレンジ色、翼に黄色と濃い赤の斑紋があり、嘴は赤色。
【生活環境】スズタケなど1mを越えるササ類の繁茂する標高1000m以上の落葉広葉樹林で繁殖する。越冬期は標高の低い地域に移動し、主に竹林や笹藪に生息する。
【繁殖生態】繁殖期:繁殖期は4~10月と比較的長く、産卵から巣立ちまで1ヶ月以内であることから、年に複数回繁殖している可能性がある
産仔数:1回に3~4卵
【生態的特性】繁殖中でも10羽ほどの群がよく観察され、秋には20羽以上の群やシジュウカラ類と混群をつくる。ササ群落中や高木下層の葉層内を活発に移動し、採餌する
食性:昆虫、果実
【国内移入分布】茨城、東京、神奈川、山梨、静岡、愛知、和歌山、大阪、奈良、兵庫、三重、福岡、熊本、大分、宮崎の都府県で繁殖した記録がある。山形、栃木、群馬、埼玉、長野、岐阜、福井の各県および近畿・中国・四国・九州の全県でも分布記録あり。
【侵入経路】古くから日本に飼い鳥として輸入されており、一般家庭からの逸出または経営破綻した業者による大量放鳥によると考えられている。
【侵入年代】江戸時代から飼育されていたが、野外への定着は、兵庫県神戸市の再度山1931年。その他の地域では、1980年代前半以降に生息確認。
【影響】営巣場所に捕食者を誘引する。近年の爆発的な個体数の増加は在来種に影響を与えている可能性がある。1910~1920年代に導入されたハワイでは、在来鳥類減少の一因と考えられている。
影響を受ける在来生物:メジロ、コマドリ、コルリ、ウグイスなどの在来鳥類。
【法的扱い】外来生物法で特定外来生物に指定された。
※日本野鳥の会の"BIRD FAN"の投稿写真には、福島県内で撮影されたソウシチョウの写真はなかった。