shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

2024年4月初旬日本海花紀行(その6)毛無山、本山 ①

2024-04-18 05:30:00 | 山行・旅行
今回の旅の主たる目的の一つが、秋田県男鹿半島にある毛無山と本山を歩くことだった。
毛無山という名前の山は全国にたくさんある。恐らくもっとも名が知れている毛無山は、山梨県と静岡県の県境にある日本二百名山の毛無山で、標高は1964mである。岡山県と鳥取県の県境にも毛無山があり、こちらの標高は1219mである。北海道の函館平野の北西にある毛無山は、標高が750mである。登山GPSアプリYAMAPを見ると、この他に7つの毛無山が見つかった。

毛無山の名前の由来は様々で、木(毛)の生えない岩山のことであったり、逆に木が生い茂っている「木成し」に由来したり、あるいはアイヌ語の林野・潅木の生えるところ(ケナシ)という意味だったりするからおもしろい。
男鹿半島の毛無山は標高が677mで、古くには毛無台と呼ばれていたようだ。すなわち山頂付近は平らである。その山頂付近には樹木が生い茂っていることから、名前は「木成し」またはアイヌ語のキナシに由来するのではなかろうかと思う。
一方本山は男鹿半島の最高峰であり、先に寒風山から眺めたとおりドーム型をした山らしい山だ。北にある眞山と本山、毛無山で男鹿三山と呼ばれ、古くから山岳信仰の霊場とされてきた。その中でもっとも高く、もっとも奥にある山なので本山と呼ばれるのは納得できる。

登山ルートは県道59号沿いの巨大ななまはげ像がある門前駐車場をスタートし、五社堂を経て毛無山に向かい、その後本山(標高715m)で折り返し、来た道を戻った。
毛無山と本山は共に山頂に自衛隊の基地があり、一般人は立入りできない。そのためいずれも山頂を巻いて歩かざるを得なかった。




6時58分なまはげ像がある門前駐車場を出発した。しかしクルマにカメラを置き忘れて戻り、5分ほどロスした。


赤神神社五社堂遙拝殿を左に見て石段を上がっていく。


石段を登り出すと、すぐにニリンソウ、オトメエンゴサク、キバナノアマナの群落に迎えられた。オトメエンゴサク、キバナノアマナはこれまで観たことのない花で、今回の旅でもっとも観たかった花でもあった。
ずいぶんたくさん写真を撮ったが、あまりにも太陽の光が強すぎて写真のできはイマイチ。帰りにも撮ったので、ここではそれぞれ1枚ずつを上げておく。

・オトメエンゴサク(蝦夷延胡索、Corydalis fukuharae、ケシ科キケマン属の多年草)
日本の本州の北部地方、中部地方に分布する。
花期は4~5月。花はエゾエンゴサクによく似るが、エゾエンゴサクの距は基部が太く、しだいに細くなる傾向が強いが、本種の距は同種より細長く円筒形になる傾向があり、上側の花弁の長さは12~16mmになり、蜜腺も細長い。


・キバナノアマナ(黄花の甘菜、Gagea lutea、ユリ科キバナノアマナ属の多年草)
日本国内では、北海道、本州中部以北に、国外では、千島、樺太、朝鮮、中国、シベリア東部、ヨーロッパに広く分布する。
花期は4~5月で、花茎の先に4~10個の黄色の花を散形状につける。細い花柄の長さは不規則で、1~5cm。花被片は6枚、線状長楕円形で長さ12~15mm。雄蕊は6個あり、花被片より短い。果実は蒴果で、3稜がある球形状になり、長さは7mm内外になる。


花の写真を撮っていたら頭の上で鳥の鳴き声が聞こえた。エナガだった。数メートルの近さだった。急いでSS優先に切り替えて撮った。




赤い鳥居をくぐり、鬼たちが一晩で積み上げたと言われる五社九百九十九石段を登っていく。
 

石段を登り終えると再び赤い鳥居が現れ、その先が五社堂の境内となっていた。
 



境内にはカタクリやキクザキイチゲ、オオミスミソウが群生していて、今の時期はそれを目当ての観光客が多い。


五社堂を正面から観る。


この後、代表して真ん中の大きなお堂に参拝した。


五社堂を過ぎるといよいよ登山道に入る。
するとすぐにアカゲラやシジュウカラが出迎えてくれた。




フクジュソウがまだ咲いていた。
 

陽当りのよいところでカタクリが開いていた。キクザキイチゲはまだ眠そうだった。
 

登山道は全体的に緩やかで歩きやすい。空気も爽やかで、時折鳥のさえずりも聞こえてくる。これで海が見えたら言うことなしだ。


撮影:2024/04/06

2024年4月初旬日本海花紀行(その6)毛無山、本山 ② に続く。
コメント (12)
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