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それほどでは『アーモンド』byソン・ウォンピョン著、矢島暁子(翻訳)

2021年05月20日 | 小説レビュー

『アーモンド』byソン・ウォンピョン著、矢島暁子(翻訳)

 

~扁桃体が人より小さく、怒りや恐怖を感じることができない十六歳の高校生、ユンジェ。そんな彼は、十五歳の誕生日に、目の前で祖母と母が通り魔に襲われたときも、ただ黙ってその光景を見つめているだけだった。

母は、感情がわからない息子に「喜」「怒」「哀」「楽」「愛」「悪」「欲」を丸暗記されることで、なんとか“普通の子”に見えるようにと訓練してきた。だが、母は事件によって植物状態になり、ユンジェはひとりぼっちになってしまう。そんなとき現れたのが、もう一人の“怪物”、ゴニだった。激しい感情を持つその少年との出会いは、ユンジェの人生を大きく変えていく―。

怪物と呼ばれた少年が愛によって変わるまで。「BOOK」データベースより

 

ちょうど予約本の合間に読む本が無くて職場の図書館で借りてきました。

「2020本屋大賞第一位!」、「「涙を流さずにはいられない」――全世代の心を打つ、感動と希望の成長物語。」などと帯に書いてありますが、それほどの大作であったとは思えません。

主人公のユンジェが、扁桃体異常ということで「感情」という概念が理解できないという設定であるので、どうしても盛り上がりに欠けます。

訳が悪いのか?ゴニをはじめとする周囲のキャラクター達も、かなり個性的なんですが、こちらもイマイチ感情移入が出来ませんでした。

目の前で祖母が惨殺され、母は寝たきりの植物状態となってしまった孤独なユンジェに周りの大人たちが援助を申し出、温かい友人たちとの交流によって、徐々にユンジェの心が動き始め、感情を取り戻していくという感動のストーリーです。

何とも盛り上がりに欠けつつも、一応のクライマックスとハッピーエンドを迎えるので、まぁ「良かったね」という終わり方でした。

★★★3つです。