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3つのルールに縛られすぎたか?『蒼色の大地』by薬丸岳

2019年09月11日 | 小説レビュー
~運命に抗え。時は明治。海賊と海軍の戦争が生む狂気の中を、少年少女は疾走する。「BOOK」データベースより


『シーソーモンスター』by伊坂幸太郎、『コイコワレ』by乾ルカに続く、「螺旋(らせん)」プロジェクトの三作目です。

薬丸岳さんの作品は、『天使のナイフ』『友罪』に続く、これまた三作目です。
どちらも、犯罪と向き合う非常にシリアスな好作品であったので、「螺旋(らせん)」プロジェクトの題材をどのように仕上げてくれるのか大いに期待しながら読みました。

しかし、結果は残念でした(-_-;)

キャラクターを活かしきれていませんし、それぞれの想いが描ききれていません。ストーリーも安直で、内容としては評価に値しません。

ハードカバーの386ページですが、読み応えはありません。というか、文章が上手なのでサラサラと読み終えました。

さしたる盛り上がりもなく、エンディングも今ひとつ・・・。小説としては面白くありません。

「螺旋(らせん)」プロジェクトの3つのルール

・「海族」と「山族」対立構造を描く
・「隠れキャラクター」を登場させる
・任意で登場させられる共通アイテム

を物語に盛り込むことに執心し過ぎて、本質を見失った感がありますね。

★★☆2.5です。

予約している、あと二作、『死にがいを求めて生きているの』by朝井リョウと、『もののふの国』by天野純に期待したいと思います。


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