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様々な形の愛が表現されています『異人たちとの夏』by山田太一

2020年10月09日 | 小説レビュー

『異人たちとの夏』 by山田太一

~妻子と別れ、孤独な日々を送るシナリオ・ライターは、幼い頃死別した父母とそっくりな夫婦に出逢った。こみあげてくる懐かしさ。心安らぐ不思議な団欒。しかし、年若い恋人は「もう決して彼らと逢わないで」と懇願した…。
静かすぎる都会の一夏、異界の人々との交渉を、ファンタスティックに、鬼気迫る筆で描き出す、名手山田太一の新しい小説世界。第一回山本周五郎賞受賞作品。「BOOK」データベースより


親子愛、夫婦、恋人、友情など・・・、色々な感情が揺さぶられる作品です。山田太一さんという作家さんの作品は初めて読みましたが、中々良かったです。
1988年の作品ですが、それほどの古さは感じません。現実離れした世界観でしたが楽しみながら読めました。

 


大林宣彦監督のもと、主演が、風間杜夫、そして秋吉久美子,片岡鶴太郎,永島敏行,名取裕子の豪華キャストで映画化されています。第12回日本アカデミー賞最優秀賞2部門(脚本賞・助演男優賞)受賞、優秀賞11部門受賞のほか、毎日映画コンクール、ブルーリボン賞など1988年度の映画賞を独占した話題作だそうです。

予告編を見て観たいと思いました。

いずれにしても、ファンタジー作品で、ありえない物語なんですが、現実との境界がボヤけていて、実際に起こっていた事件のようリアルに感じました。

そして、とても読みやすく、時に涙しながら読みましたが、最後のケイとの別れのシーンは怖かったですね。
曽野綾子さんの解説もわかりやすく、良い作品だと思います。


★★★☆3.5です。


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