『天地明察』by沖方丁
~江戸時代、前代未聞のベンチャー事業に生涯を賭けた男がいた。
ミッションは「日本独自の暦」を作ること―。
碁打ちにして数学者・渋川春海の二十年にわたる奮闘・挫折・喜び、そして恋!早くも読書界沸騰!俊英にして鬼才がおくる新潮流歴史ロマン。「BOOK」データベースより
『十二人の死にたい子どもたち』での僕の評価はイマイチでしたが、今作は、2010年に『吉川英治文学新人賞』と、本屋大賞をダブル受賞した話題作ですし、2012年に映画化されており、主役の「安井算哲」を岡田准一、ヒロインの「村瀬えん」を宮﨑あおいが好演。そのほか、水戸光圀を中井貴一、保科正之を松本幸四郎、村瀬義益が佐藤隆太、関孝和が市川猿之助、建部昌明を笹野高史、伊藤重孝が岸部一徳などなど、脇役陣も豪華です。
『吉川英治文学新人賞』は、僕好みの作品が多く、第27回/2006年「隠蔽捜査」:今野 敏、第26回/2005年「夜のピクニック」:恩田 陸、第25回/2004年「アヒルと鴨のコインロッカー」:伊坂幸太郎、「ワイルド・ソウル」:垣根涼介 ※2004年は大当たり年ですね!!
そして、第23回/2002年は「パイロットフィッシュ」:大崎善生と、もう大好きな作品ばかりですね!
さて、映画の評価は、それなりみたいですが・・・(^_^;) しかし、この小説は面白いですよ!時代小説ですが、合戦や仇討ちなどは、ほとんど語られず、「算数(算学)」や、「囲碁」が主題となっているので、「盛り上がっていくんかねぇ~?」と、思いながら読み進めました。
読み進めていくうちに、主題は何であれ、いっぱしの男たちが、これほどまでに熱く語り合い、人生の目標(ロマン)、夢を抱き続けながら、力を合わせて乗り越えていく様は、とても美しく、熱量を感じますし、筆者の筆力に感心します。
とにかく登場人物がとても格好いい!というかシブい!実在の人物に対するキャラクター設定が巧みですし、とても惹きつけられます。
台詞回しや、独特の間の取り方など、緊迫感溢れる場面や、滂沱の涙を流す場面、悔しさに打ち震える姿など、臨場感もたっぷりです。
主人公が何度も挫折を繰り返しながらも、成功への階段を一段一段上っていく姿は、とても尊く、輝いています。
「さぁ~クライマックスやでぇ~!魅せてくれよぉ~!」と、大いなる期待を抱きながら読みましたが、どうも最後は淡々とし過ぎていて、少し肩透かしでした。
さらなる「どんでん返し」が控えているとはいえ、詔勅が下る場面なんかは、もっともっと緊迫感をもって、その場の空気感を表現してもらいたかったので残念です。
細かいことは気にせず、物語にどっぷり浸かって読んでみてください。良い作品だと思いますよ。
★★★★4つです。
~江戸時代、前代未聞のベンチャー事業に生涯を賭けた男がいた。
ミッションは「日本独自の暦」を作ること―。
碁打ちにして数学者・渋川春海の二十年にわたる奮闘・挫折・喜び、そして恋!早くも読書界沸騰!俊英にして鬼才がおくる新潮流歴史ロマン。「BOOK」データベースより
『十二人の死にたい子どもたち』での僕の評価はイマイチでしたが、今作は、2010年に『吉川英治文学新人賞』と、本屋大賞をダブル受賞した話題作ですし、2012年に映画化されており、主役の「安井算哲」を岡田准一、ヒロインの「村瀬えん」を宮﨑あおいが好演。そのほか、水戸光圀を中井貴一、保科正之を松本幸四郎、村瀬義益が佐藤隆太、関孝和が市川猿之助、建部昌明を笹野高史、伊藤重孝が岸部一徳などなど、脇役陣も豪華です。
『吉川英治文学新人賞』は、僕好みの作品が多く、第27回/2006年「隠蔽捜査」:今野 敏、第26回/2005年「夜のピクニック」:恩田 陸、第25回/2004年「アヒルと鴨のコインロッカー」:伊坂幸太郎、「ワイルド・ソウル」:垣根涼介 ※2004年は大当たり年ですね!!
そして、第23回/2002年は「パイロットフィッシュ」:大崎善生と、もう大好きな作品ばかりですね!
さて、映画の評価は、それなりみたいですが・・・(^_^;) しかし、この小説は面白いですよ!時代小説ですが、合戦や仇討ちなどは、ほとんど語られず、「算数(算学)」や、「囲碁」が主題となっているので、「盛り上がっていくんかねぇ~?」と、思いながら読み進めました。
読み進めていくうちに、主題は何であれ、いっぱしの男たちが、これほどまでに熱く語り合い、人生の目標(ロマン)、夢を抱き続けながら、力を合わせて乗り越えていく様は、とても美しく、熱量を感じますし、筆者の筆力に感心します。
とにかく登場人物がとても格好いい!というかシブい!実在の人物に対するキャラクター設定が巧みですし、とても惹きつけられます。
台詞回しや、独特の間の取り方など、緊迫感溢れる場面や、滂沱の涙を流す場面、悔しさに打ち震える姿など、臨場感もたっぷりです。
主人公が何度も挫折を繰り返しながらも、成功への階段を一段一段上っていく姿は、とても尊く、輝いています。
「さぁ~クライマックスやでぇ~!魅せてくれよぉ~!」と、大いなる期待を抱きながら読みましたが、どうも最後は淡々とし過ぎていて、少し肩透かしでした。
さらなる「どんでん返し」が控えているとはいえ、詔勅が下る場面なんかは、もっともっと緊迫感をもって、その場の空気感を表現してもらいたかったので残念です。
細かいことは気にせず、物語にどっぷり浸かって読んでみてください。良い作品だと思いますよ。
★★★★4つです。
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