詩人の恋
<あらすじ>
自然あふれる済州島で生まれ育ったテッキ(ヤン・イクチュン)は売れない詩人。
生活を支える妻のガンスン(チョン・ヘジン)が「妊活」を始めたものの、テッキは乏精子症と診断され、詩も書けなくなってしまう。
スランプになったテッキを救ったのは、ドーナツ店で働く青年セユン(チョン・ガラム)だった。
セユンのつぶやきをきっかけに詩への創作意欲が湧いたテッキは、彼のことをもっと知りたいと思い始める。
テッキの不器用さに笑ったりほっこりした気持ちになったり。
妻を交えた不思議な三角関係に、テッキとセユンのすれ違い…いろいろと切ないシーンもありました。
テッキとセユンが一緒に生活するのが正解なのかはわからないけど、ふたりに通じ合うものがあったのは確か。
そして生活力のある妻の支えがあってこそのテッキだけど、彼女のがさつな面、日頃の態度は私も好きじゃなかったのでそのあたりのテッキの気持ちには共感できるなぁ…と思いました。
月日を重ね様々なことを経たテッキですが、ラストでこれで良かったんだなと思わせる演出が穏やかで切なくて良かったですね。
ところで主演のヤン・イクチュン…私たちが知ってる彼は『息もできない』の役だけだったので、今回のとのギャップの大きさに驚きでした。
参考に…『息もできない』の画像を。
10年前とはいえ、同じ人物に見えない…
劇場版 殺意の道程
<あらすじ>
脚本家としても評価の高いバカリズムが脚本を手がけ、井浦新とともに主演を務めたWOWOWのオリジナルドラマ「殺意の道程」(全7話)の再編集劇場版。
父親の復讐のため殺人を計画する息子を主人公に、復讐劇というシリアスな物語の中で省略されがちな部分を事細かに描いていく新感覚のサスペンスコメディ。
ある小さな会社の社長が取引先の社長・室岡義之の裏切りが原因で自殺し、息子の窪田一馬はいとこの吾妻満とともに室岡への復讐を決意。
キャバクラ嬢のこのは、ゆずきらの協力を得ながら計画を練る。
しかし、事はそう簡単ではなく、打ち合わせ場所はどこか、殺害方法やそのために必要な道具はなにか、そもそも完全犯罪はどのようにすればいいのか。
2人は初めての殺人のために悪戦苦闘しながらも計画を進めていくが…。
復讐ものということしか知らず、どんな雰囲気の映画なのかも知らずに観ました。
もしかしたらバカリズムさんの本格的なシリアスサスペンスドラマなのか…とも。
確かに冒頭はかなりシリアスで、こういう感じでくるのか…!と構えたのですが、いざ最初の二人の打ち合わせで「まずは(復讐計画の)プロジェクト名を決めようか。」というシーンで、あ~なるほど!この路線でくるのねと瞬時に理解しました
やはりバカリズムさんが脚本担当ってことはそういうことだったのですね
ゆえにバカバカしさとリアルさがバランスよく同居しているようなおもしろさ。
井浦新さん演じる窪田一馬が結構アホっぽくていいキャラだったとか、計画をそこから攻める?!という意外性があったりとか、しょうもないけど妙に現実的な会話を挟んでくるとか…バカリズムさんならではの話の運びに笑いの連続でした。(クリームチーズパンあたりのやりとり好きだな)
あと、さりげなく伏線が張られてそれがうまく回収されていたり、殺人の実行に気をつけるべきことなどの知識には “へぇ~なるほど~ ”と思うことが多かったのも確かです。
そしてこの雰囲気を壊さないでの華麗な(?)オチ。
そうきたか~!と
私は好きです、観てよかったと思いました