思惟石

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『職業としての小説家』 村上さん的「小説家」論

2024-11-21 10:39:52 | 日記
『職業としての小説家』
村上春樹

「小説家という職業」について講演調に書かれている
(が、リアルに講演をしたわけではない)。

自発的に書いた原稿らしいのですが、
縁あって柴田元幸監修雑誌「MONKEY」に順次掲載され、
単行本化に至ったそうです。

村上さんによる村上さんらしい「小説家」論。

めちゃくちゃ推敲する方なのは知ってましたが、
長編小説は最初から最後まで、何度か書き直す。
ディテールの整合性を取るためにも書き直す。
奥さんに読んでもらって指摘されたブロックは
また書き直す。ごっそり。
全体を見て、さらに書き直す。
みたいなスタイルで、
とにかく書き直すことを厭わない。
ほげ〜。すごい。

とにかくストイックだなあと思う。
本人が目指しているのは自分らしく「書く」スタイルで
ストイックになることが目的ではないと思うけれど。
フィジカルを大事にしているのも
別に運動好き、筋トレ好き、とかじゃないというか。

なので、ひと昔前の文壇の
銀座のバーで朝まで呑んで締切破ってから一筆書きで
原稿を仕上げるぜ!みたいなイメージの
百万光年対極な世界です。

それはそれ、これはこれ、
どっちもあるでしょとは思うけれど、
村上さんの考え方や生き方から得られるものは
(個人的には)すごく多い。
実はこっそり感謝している。

文学賞とか、文壇についての、
世間で色々言う人が多いから
自分のスタンスを表明しておきます、的な話(第三回)も
良い文章だった。
もっと怒っていいと思いますけど笑

以下、目次。

第一回 小説家は寛容な人種なのか
第二回 小説家になった頃
第三回 文学賞について
第四回 オリジナリティーについて
第五回 さて、何を書けばいいのか?
第六回 時間を味方につける──長編小説を書くこと
第七回 どこまでも個人的でフィジカルな営み
第八回 学校について
第九回 どんな人物を登場させようか?
第十回 誰のために書くのか?
第十一回 海外へ出て行く。新しいフロンティア
第十二回 物語があるところ・河合隼雄先生の思い出

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