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『ロスチャイルド家』 財力マッチョ〜

2025-01-28 18:43:43 | 日記
『ロスチャイルド家』
横山三四郎

我が家の本棚で『ハプスブルク家の女たち』『メディチ家
の隣にひっそりと積読されていた一冊。
この並びだと、ちょっと影が薄くなるよな…。
すまぬ。

ロスチャイルド家は現代社会でも影響を持つ
超有名一族ではありますが、
世界史に登場するのは1800年頃。
意外と最近だね!という気持ちになってしまうな。
本棚の並びのせい。

フランクフルトのユダヤ人街出身、
初代マイヤー・アムシェルから一族の歴史は始まります。
ヘッセン=カッセル方伯ヴィルヘルム9世に
古銭商として知遇を得る。
このヴィルヘルム9世、領内の若者を訓練して
ドイツ人傭兵としてイギリスなどに派遣し、儲けていた、
なかなか蓄財能力のある領主さまである。

さらに5人の息子をヨーロッパ各地に配置して
金融取引ネットワークを築き
莫大な財を成したそうです。
5兄弟が全員優秀なのがすごいわ。
現代なら教育啓蒙系の新書執筆を依頼したい。

ロスチャイルド商会の強みは情報の速さと正確さ。
一族内の手紙はイディッシュ語(北部ヨーロッパのユダヤ人が使う
ヘブライ語系の言葉。右から左に読む。読みにくい)を
使った暗号だったとか。
情報強者だ。

フランスのワインで有名なボルドーの5大シャトー
(ラフィット、マルゴー、ラトゥール、オー・ブリオン、ムートン)
のうち、ラフィットとムートンはロスチャイルド家所有。
と聞くだけでも、財力すげー、となる。

ところで、先日、仕事関連のお祝いの席で
マルゴーが登場したのです。マルゴー!!
そしてビールのように注いで上司に嗜められました。
日頃、安ワインをばしゃばしゃ注いて飲んでいるのが
ばれてしまった。

それはさておき。
デ・ビアス(ダイアモンド供給の80%を占めると言われている)社も
ロスチャイルド家の出資でできたらしいし、
イギリスがスエズ運河の株を買った資金も
ロスチャイルド家からだったそうです。
財力すげー。

そしてパリのエドモン・ド・ロスチャイルド(1845-1934)は
初期のユダヤ人パレスチナ入植を資金援助した人。
「イスラエルの父」と呼ばれる。
開墾がうまくいかずに100人単位で全滅しそうだった村を
援助するところから縁が始まって、
シオニストとはずっと距離を置いていたそうです。
現代のニュースを見ると、ちょっと、色々考えてしまったけれど、
歴史上のファクトとして冷静に読みたいところ。

この本ではエドモンが肝入りで開拓した土地を
「ヤッフォの北部」「ズィカロン・ヤコブ」と書いてある。
通訳ダニエル・シュタイン』にはロスチャイルド家が出資した
ジフロン・ヤアコブというカルメル山麓の小さな街の話しがあった。
これは同じ街のことかな?

本を読むたびにわからないことも出てくるけど、
それもまた良し。

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