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終わりのない宴、マラソンデイナー -ロンドン1- 1984.6.6~9
早朝のロンドン・ヒースロー空港にO君の出迎えを受けて、ラッシュの道をシティの一角にあるロンドン事務所に向かう。3年ぶり、2度目のロンドンである。
今回の同行者は、小生と同年代で東宝ニューフェースに志願したという同業T社の独身男性。出発前に彼の上司から彼には気をつけた方が良いというアドバイス。何のことか分からず、さして気にもとめずにいたが、ここロンドンに着くや早速その片鱗が出た。
10時になると、この近辺の英国紳士ご愛用の傘屋があるので早速買いに行くと言う。かくて同行の氏のローマ、パリに至る買出し旅行のスタートが切られたのである。
ロンドン名物「タワーブリッジ」
ガス関係者が参加する世界最大の団体「International Gas Union(世界ガス連盟)」。その団体の活動の一つに「天然ガスの長期需給予測」があり、その結果はIEA(世界エネルギー機関)も一目を置いている。タスクフォース・チームは、主要な世界のガス、電力、石油会社が集まって3年に一度需給展望をスタディする。
タワーブリッジに近接する「The Tower Thistle Hotel」
今日はその初日。今回のホストである英国ガス公社の歓迎晩餐会がテムズ河畔、タワーブリッジ横の「The Tower Thistle Hotel」で開催された。緊張した面持ちで会場に出掛けると、ご婦人連れや単身者らが好きな飲み物片手に雑談している。欧州の人達が大多数で、他は米国人や我々日本人のおよそ40名ばかりのパーティである。初対面とは思われぬ親しさで、気軽に話し掛けてくる人達と名刺交換しながら、名前と容姿の特徴を一致させるのに必死である。公式用語は英語、仏語で、各人それぞれお国なまりの英語でコミュニケーションをはかっている。
晩餐会、まずは食前酒から(イメージ写真)
米国人の英語が一番分かりにくいが、汗だくの食前酒の1時間があっという間に過ぎ、別室のテーブル席に移っての晩餐会となる。自由席とは言え、そこには当然暗黙の秩序がある。ご同伴の人達は一つのテーブルに集い、ホストと議長、副議長たちは中央のテーブル、単身者は単身者のテーブルにという傾向で適当に席に着く。小生のお隣はオランダ人とスペイン人。これから3時間に及ぶディナーの始まりである。およそ相互のガス事情が分かっている欧州人の中で、極東の話は少しは興味があるようだが、所詮地球の裏の話。 世界の天然ガス貿易市場は3つに分かれており、規模のまだ小さい、しかもLNG特化した極東・日本の影響はひしひしとマイナーなものと感じられた。
ホテルの会場で延々と続く晩餐会(イメージ写真)
7時に始まったパーテイも既に11時である。デザートが出て終わりかと思えば、さあこれから葉巻タイム、食後酒の時間と言う。広見護氏のブログ「極上シガータイム」によれば、フレンチ・レストランのアフターディナーに欠かせない4Cアイテムがあるとか。コーヒー(Coffee)、チョコレート(Chocolate)、コニャック(Cognac)、シガー(Cigar)だそうだ。12時になって5時間に及ぶご餐会は、議長の「さあ、明日は元気にスタディしよう!」の声でやっとお開きになった。
このスタイルがこれから毎日続くとは、この時点では夢にも思っていない。
アフターディナーに欠かせない4Cアイテム(広見護氏のブログより)
昼間のスタディを終え二日目の夜は、「Dickens Inn by the Tower」でのご餐会。趣のあるウオーターフロントの木造のレストランで、テラスの食前酒から今宵もスタート。ロンドン塔、タワーブリッジ、対岸の荒れた倉庫群、小さなマリーナを借景に、今夜のお隣さんは仏国電力庁、英国ガス公社公爵夫人。日本のように次々と席を変えることなく、じっくりとコミュニケーションを楽しむ彼等のスタイルは欧州、特に英国的大人の文化と感じられた。
私はこれを「マラソン・ディナー」と名付けた。
緒に着いたドッグランズ再開発に立地する二日目の「マラソン・ディナー」会場「Dickens Inn by the Tower」
終わりのない宴、マラソンデイナー -ロンドン1- 1984.6.6~9
早朝のロンドン・ヒースロー空港にO君の出迎えを受けて、ラッシュの道をシティの一角にあるロンドン事務所に向かう。3年ぶり、2度目のロンドンである。
今回の同行者は、小生と同年代で東宝ニューフェースに志願したという同業T社の独身男性。出発前に彼の上司から彼には気をつけた方が良いというアドバイス。何のことか分からず、さして気にもとめずにいたが、ここロンドンに着くや早速その片鱗が出た。
10時になると、この近辺の英国紳士ご愛用の傘屋があるので早速買いに行くと言う。かくて同行の氏のローマ、パリに至る買出し旅行のスタートが切られたのである。
ロンドン名物「タワーブリッジ」
ガス関係者が参加する世界最大の団体「International Gas Union(世界ガス連盟)」。その団体の活動の一つに「天然ガスの長期需給予測」があり、その結果はIEA(世界エネルギー機関)も一目を置いている。タスクフォース・チームは、主要な世界のガス、電力、石油会社が集まって3年に一度需給展望をスタディする。
タワーブリッジに近接する「The Tower Thistle Hotel」
今日はその初日。今回のホストである英国ガス公社の歓迎晩餐会がテムズ河畔、タワーブリッジ横の「The Tower Thistle Hotel」で開催された。緊張した面持ちで会場に出掛けると、ご婦人連れや単身者らが好きな飲み物片手に雑談している。欧州の人達が大多数で、他は米国人や我々日本人のおよそ40名ばかりのパーティである。初対面とは思われぬ親しさで、気軽に話し掛けてくる人達と名刺交換しながら、名前と容姿の特徴を一致させるのに必死である。公式用語は英語、仏語で、各人それぞれお国なまりの英語でコミュニケーションをはかっている。
晩餐会、まずは食前酒から(イメージ写真)
米国人の英語が一番分かりにくいが、汗だくの食前酒の1時間があっという間に過ぎ、別室のテーブル席に移っての晩餐会となる。自由席とは言え、そこには当然暗黙の秩序がある。ご同伴の人達は一つのテーブルに集い、ホストと議長、副議長たちは中央のテーブル、単身者は単身者のテーブルにという傾向で適当に席に着く。小生のお隣はオランダ人とスペイン人。これから3時間に及ぶディナーの始まりである。およそ相互のガス事情が分かっている欧州人の中で、極東の話は少しは興味があるようだが、所詮地球の裏の話。 世界の天然ガス貿易市場は3つに分かれており、規模のまだ小さい、しかもLNG特化した極東・日本の影響はひしひしとマイナーなものと感じられた。
ホテルの会場で延々と続く晩餐会(イメージ写真)
7時に始まったパーテイも既に11時である。デザートが出て終わりかと思えば、さあこれから葉巻タイム、食後酒の時間と言う。広見護氏のブログ「極上シガータイム」によれば、フレンチ・レストランのアフターディナーに欠かせない4Cアイテムがあるとか。コーヒー(Coffee)、チョコレート(Chocolate)、コニャック(Cognac)、シガー(Cigar)だそうだ。12時になって5時間に及ぶご餐会は、議長の「さあ、明日は元気にスタディしよう!」の声でやっとお開きになった。
このスタイルがこれから毎日続くとは、この時点では夢にも思っていない。
アフターディナーに欠かせない4Cアイテム(広見護氏のブログより)
昼間のスタディを終え二日目の夜は、「Dickens Inn by the Tower」でのご餐会。趣のあるウオーターフロントの木造のレストランで、テラスの食前酒から今宵もスタート。ロンドン塔、タワーブリッジ、対岸の荒れた倉庫群、小さなマリーナを借景に、今夜のお隣さんは仏国電力庁、英国ガス公社公爵夫人。日本のように次々と席を変えることなく、じっくりとコミュニケーションを楽しむ彼等のスタイルは欧州、特に英国的大人の文化と感じられた。
私はこれを「マラソン・ディナー」と名付けた。
緒に着いたドッグランズ再開発に立地する二日目の「マラソン・ディナー」会場「Dickens Inn by the Tower」