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旅行記、世相独言

オレイ!カディスの赤い星 -マドリード1-(異文化体験9 カディスの赤い星の旅4)

2010年11月04日 22時01分55秒 | 異文化体験_西欧
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オレイ!カディスの赤い星 -マドリード 1-  1987.6.5~7  

 刺繍の絵葉書


 ミラノを飛び立った飛行機は、一旦地中海に出てバルセロナ上空からコスタ・デル・アサール沿いにイベリア半島の内部に入って行く。どこまでも続く丘陵地帯、赤茶けた大地と点在する異様に青い湖のコントラスト、メキシコの風景とどこか似通ったラ・マンチャ地方独特の景観が展開している。あこがれのスペイン。バラハス空港に降り立つとどことなく気だるい感じさえ覚える。逢坂剛の直木賞作品「カデイスの赤い星」の舞台にやっと足を踏み込んだという実感に気分が高まる。

 逢坂剛「カディスの赤い星」を読んで、行きたい!スペインへ。

 先程からひやひや運転のタクシーがマドリード市内に入ると、選挙デモがあちこちに見受けられる。車の渋滞で運ちゃんの身振り手振りの文句の度に、運転の乱暴さがアクセレートする始末。Gran Viaに面したスペイン広場の前のプラザホテルに着いた時には、正直言ってホットしたものである。

      
(左)スペイン広場のサンチョパンサ像と後の建物がプラザホテル (右)目貫通り「グラン・ビア」

 夕方7時だと言うのに、真昼の明るさ。Gran Viaには人が溢れ、金曜の夜はこれからといった感じ。ホテルの部屋で早速2日間の作戦を練り、やや遅めの夕食に向かう。裏通りにはメソンと呼ばれる元々宿屋であったのが居酒屋に転じた酒場が数多くあり、もの悲しい調べの歌が開けっ放しの扉の中から聞こえてくる。床には足の踏み場もない程、爪楊枝が落ちている。

  
                レストラン「La Trainera」、安い!美味い!

 目指すレストラン「La Trainera」は先客が一組のみ。8時を少し廻っているが夜いっぱりのスペイン人にとって、まだまだ宵の口だそうな。小生は、昨夜ディナーで同席したスペイン・ENAガスのギョロ目のおじさんが教えてくれたLADORADAという白身の魚料理、M君は肉料理で腹一杯食って一人3,000円足らず、思わずこりゃ安い!
10時過ぎレストランを出ると、外にはタクシー係りの少年がいてタクシーを捜してきてくれる。

 グラン・ビアの「GALERIAS」が入っている建物

 翌土曜日の朝、Gran Via界隈でのショッピングに出かける。欧州の中ではまだまだ物価が安い国の一つ。
「GALERIAS」というショッピングセンターでのこと。大きなマヨルカ真珠のネックレスを女房殿の土産にとカードを差出すと、年配のおばさんがどうも旅券を見せろと言っているようなのだが要領を得ない。
 とうとう小生の手をとって店内電話の所に連れて行き、相手と何やら喋った後、電話に出ろと言う。電話の主は「旅券を提示してくれれば、この店独自のパスポートを発行し、店内の買物は全て1割引にする」と言う。

  
              「GALERIAS」の店内パスポート 表と裏

 旅券はホテルに置いて来たのだが10分とかからない距離。取りに帰って電話の主が言っていた場所に行くと、金髪の極上の美女が待っていてくれて、パスポートの発行、買物の助言を丁寧にしてくれる。真珠売り場に戻ると先程のおばさんが、ニコッ。親切とサービスが身にしみる。
 大いにここが気に入って、ここで家族、友人のお土産を全て購入。自らも牛革のクラッチバッグを購入した次第。

 日本に帰ると何故か上司のA氏が色違いのこのバッグと全く同じものを持っていて、スペイン行きがばれてしまった。