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旅行記、世相独言

光と若者の洪水 -シンガポール-(異文化体験11 世界貿易センターの旅5)

2011年02月03日 23時13分48秒 | 異文化体験_アジア
(写真はクリックで拡大します)


光と若者の洪水 -シンガポール-  1988.11.23~25

  発展著しいシンガポールの街

 かつて国際会議の晩餐会の席上で一番人気であったシンガポール航空のスチュアデスとその制服、その制服もどきを買って帰ろうと思いつつムッとする熱気に包まれたチャンギ国際空港に降り立つ。

 
       クリスマス・デコレーションで不夜城と化すオーチャード通りのビル群

 クリスマス休暇に入った赤道直下の町シンガポールの夜は、まず人の目を仰天させる。オーチャード通りに面した全ての建物が、まるで不夜城のように何万個、いや何十万個という色とりどりのランプでデコレーションされ、大勢の人達が鑑賞しながら、そぞろ歩きを楽しんでいる。

 
 (左)世界一の高層ホテル「Westin Stamford」    (右)日本語の案内カード

 世界一の高層ホテル、Westin Stamfordの11階の部屋では世界一の高さを実感出来ないが、ここシンガポールでは仕事の事を頭の隅から追いやる、そんな雰囲気の街である。淡路島とほぼ同じ大きさ、アジアの縮図と言われるほど多くの人種が生活する自由貿易都市「シンガ・プーラ(ライオンの町)」なのである。

 
(左)マーライオンの噴水はメンテナンス中 (右)マウントフェーバー公園にて セントーサ島へのロープウェイが見える


 翌日は6時に起床し、プールで一泳ぎ。さすが泳いでいる人は少ないが、持参したスイムパンツが役に立った。マーライオン公園(Merlion Park)を皮切りにセントーサ島を見下ろすマウントフェーバー公園、植物園へと観光コースを巡る。植物園は、大安という日があるのかどうか知らないが、至る所に結婚式を済ませたカップルがウェディングドレス姿のまま、親類縁者に囲まれて記念撮影をしている。およそ30組はいたであろうか。ガイドのおばさんによると、植物園で夜な夜な愛を育んだ結果であり、そのお礼に来ているのだと冗談を言う。

←植物園であるカップルと シンガポール航空の制服→

 サラン工場でシンガポール航空のスチュアデスが着ていた同じ柄とまではいかないが、反物を買って「山源」で昼食。経済発展の拠点施設の一つ、シンガポール世界貿易センターを訪問。夕食は「トロピカーナ」というレストランでアドルト・ショー付きというふれこみ。大いに期待したショーであったがここは健全な街。
 食後は是非ニュートン・サーカスで果物三昧をしよう!と4人で出掛ける。
「ドリアン」、果物の王様と言われているがあの匂いには閉口。吹出る汗、掌、それらを拭ったハンカチ、染み付いた匂いは全く取れず、部屋に戻っても悩まされ続けたのである。一方、「マンゴスティン」は果物の女王様。この二つは男にとって都合の良い果物だとS氏が言う。
 でも「パパイヤ」は文字通り止したほうが良いそうである。本当かな?


 

 ←マンゴー  ↑左ドリアン 右マンゴスティン

 
 シンガポールに1987年に開通したMRT(Mass Rapid Transit)。地下を走るこの電車に通じるエスカレータは、実にスピードが速い。日本の倍の速さで地下の駅に導く。何故このようなシステムが導入されているのであろうか?
よく考えると利用者はほとんど若者が中心である。老齢化が進む先進国と違って、当地ではまるで若者が支配する町になっているかのように見える。
しかし、少し裏通りに入ると中国系の年配者も沢山いるのだが?街の美化運動といい、これらの近代的設備といい、旅行者にはBeautiful Cityとしか映らないが、そこに住む人達にとって果たしてどうなんであろうか?

  
(左)経済発展の拠点施設 シンガポールWTC  (右)サマセット・モーム等著名人が宿泊したラッフルズ・ホテル

 今日もオーチャード・ロードは、ブランド商品を求める若い日本女性でごった返している。現地の人達は決して手を出さない。ガイドのおばさんは「コピー商品で十分よ!貴方、違いが分かる?」と、いともあっさり言いつつ提げている偽ヴィトンのバッグを見せつける。
 今シンガポールはRaffles Hotelが取り壊され、新たに建設されるという象徴的な話があるようで、旧き良きシンガポールが消え、近代的リゾート&ビジネス都市シンガポールへ脱皮しようとしている。