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ローマの休日 -ローマ- 96.05.04
アッシジを出たバスは夕刻ローマに到着。ホテル・エクセルシオールにチェックイン後、まだまだ明るいローマの街を散策する。ホテル前のヴェネト通りを南下し、バルバリーニ広場からスペイン広場に向かう。この広場の階段には西日を浴びて、大勢の人たちがローマの休日の一場面を連想しているかのように坐っている。広場前の賑やかなコンドッテイ通り、コルソ通りを経て、トレヴィの泉に出る。
(左)いつも人だまりの絶えないスペイン広場 (右)トレヴィの泉
さすがにお腹も空いてきたのでこの辺りのトラッテリアで夕食を済ませ、再び薄暮のホテルまで戻る。ホテルの前は映画でも有名な「カフェ・ド・パリ」。「お茶でもして部屋に戻ろう」とVia V. Venetoに面したテラス席でローマの最初の夜のひと時を過ごす。
ホテル向いの「カフェ・ド・パリ」でお茶
さあ、明日はゆっくりローマ見物をしよう!
12年前、初めてローマを訪れた時の事を思い出す。その歴史的建造物に目を奪われ、足の痛みもなんのその、男二人で早朝から夜遅くまでひたすらローマの街を歩き回って史跡めぐりをしたことを思い出す。
ヨーロッパの都市は、その旧市街地を中心に徒歩でゆっくり観光できる点で車社会のアメリカの都市とは大きく異なる。今回は、わが女房殿にそこまでのスタミナは期待出来そうにない。
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(左)ヴァティカン市国 サン・ピエトロ広場(Wikipedia) (右)ヴァティカンにおけるミケランジェロとラファエロ
まずは、ホテルに近い地下鉄A線バルベリーニ駅から終点のオッタビアーノ駅へ。カトリックの総本山ヴァティカン市国見物に出かける。
エジプトから運ばれた巨大オベリスクを中心とする円形広場の半円形の回廊は、284本のドーリア式円柱と140人の聖人像で飾られている。サン・ピエトロ寺院は4世紀に聖ペテロの墓上に建てられたバシリカが始まりで、ミケランジェロらが再建に取り組み完成を見たのは1626年。
入口右側にミケランジェロ作「ピエタ」がある。屋上クーポラへは330段の階段がテラスに通じているが、今は有難いことにエレベータが利用出来て、サン・ピエトロ広場を一望できる。
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(左)ミケランジェロ 最後の審判 (右)システィーナ礼拝堂 天井画
ヴァティカン宮殿1階のシスティーナ礼拝堂にはミケランジェロの大作が、また2階にはラファエロの世界が待ち受けている。数年かけて修復された「最後の審判」他の壁画は実に色彩豊かで見る者を感動の世界に引きずり込む。
悲しいかな、ヴァティカンではカメラが電池切れになって、写真が撮れず。その分、しっかり瞼に焼き付けた次第である。
次は、オッタビアーノ駅からテルミニ駅乗換、B線のチルコ・マッシモ駅へ。217年に完成し1600人収容のカラカラ浴場に行く。残念ながら期待とは裏腹に廃墟同然の姿に幻滅。
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(左)カラカラ浴場 (右)Bonechi社刊 名鑑ローマ
再び地下鉄で1駅戻ってコロッセオ駅へ。駅近くのピッツェリアで昼食後、まずは収容5万人以上、紀元80年に建造され「コロッセオが滅びる時、ローマは滅び、その時世界も滅びる」と言われた巨大円形闘技場「コロッセオ」。様々な死闘が繰り広げられたアリーナは、後世の建築資材として持ち去られ、猛獣の檻等の下部構造を直接見ることが出来る。
(左)コロッセオからフォロ・ロマーノ周辺 (右)コロッセオにて
お昼になるとさすがに暑い。ジェラートを買って、頬張りながらコンスタンティヌス帝の凱旋門からフォロ・ロマーノを散策する。自らがローマ時代にタイムスリップしたかのような錯覚に陥る。様々な建築物のかつての姿、そこに営まれたであろう社会生活、空想はとどまる所を知らない。そんな古代ローマを再現・描写した本も売られていて、空想の手助けとなる。
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(左)フォロ・ロマーノ (右)ローマ 重ねて見る昨日と今日
想像を掻き立てるフォロ・ロマーノにて
気がつくとヴェネツィア広場近くまで来てしまった。ヴィットリオ・エマヌエーレⅡ世記念堂が間近に見える。かなり歩いたので足にぼつぼつだるさを感じるようになってきたが、まだまだこれからと女房殿をせきたてる。南下して今度は、パラティーノの丘近く、サンタ・マリア・イン・コスメディン教会の「真実の口」に向かう。幸い2組のカップルがいたのでお互いの写真を撮り合う。
映画「ローマの休日」で有名になった「真実の口」
映画「ベンハー」で強烈な印象が焼き付いている古代戦車競技が行われた競技場チルコ・マッシモは真実の口からすぐ近く。夕暮れ時にはライトアップされ古代ロマンが味わえる所だそうだが、まだ少し時間は早く、さすがに競技場を歩く足取りはもはや限界に近く、とりあえずホテルに戻ることに。
古代戦車競技場「チルコ・マッシモ」
ホテルに戻るとフロントでメッセージを受け取る。明日はナポリ・ポンペイに行く現地ツアーを申し込んでいるが不吉な予感。
電話をすると全国のバス運転手組合が明日一斉にストを決行するので、イタリア中のバスが動かないとのこと。ポンペイは是非女房殿に見せてやりたい所ではあるが、列車でとなるとナポリ乗り継ぎで3時間少々かかるようだ。
検討の結果、イタリア最後の日は、かつてローマの外港であった「オスティア・アンティカ」を訪ねることにした。
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(左)今宵はカンツォーネを聴きながらの夕食 (右)ローマでのホテル「エクセルシオール}
さて、さて、今夕はカンツォーネ・ナイト。ホテルで教えて貰った美味しいレストランでカンツォーネの歌声に足の疲れも幾分かは癒された次第である。しかし、まあ、よく歩いたこと。
ローマの休日 -ローマ- 96.05.04
アッシジを出たバスは夕刻ローマに到着。ホテル・エクセルシオールにチェックイン後、まだまだ明るいローマの街を散策する。ホテル前のヴェネト通りを南下し、バルバリーニ広場からスペイン広場に向かう。この広場の階段には西日を浴びて、大勢の人たちがローマの休日の一場面を連想しているかのように坐っている。広場前の賑やかなコンドッテイ通り、コルソ通りを経て、トレヴィの泉に出る。
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(左)いつも人だまりの絶えないスペイン広場 (右)トレヴィの泉
さすがにお腹も空いてきたのでこの辺りのトラッテリアで夕食を済ませ、再び薄暮のホテルまで戻る。ホテルの前は映画でも有名な「カフェ・ド・パリ」。「お茶でもして部屋に戻ろう」とVia V. Venetoに面したテラス席でローマの最初の夜のひと時を過ごす。
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さあ、明日はゆっくりローマ見物をしよう!
12年前、初めてローマを訪れた時の事を思い出す。その歴史的建造物に目を奪われ、足の痛みもなんのその、男二人で早朝から夜遅くまでひたすらローマの街を歩き回って史跡めぐりをしたことを思い出す。
ヨーロッパの都市は、その旧市街地を中心に徒歩でゆっくり観光できる点で車社会のアメリカの都市とは大きく異なる。今回は、わが女房殿にそこまでのスタミナは期待出来そうにない。
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(左)ヴァティカン市国 サン・ピエトロ広場(Wikipedia) (右)ヴァティカンにおけるミケランジェロとラファエロ
まずは、ホテルに近い地下鉄A線バルベリーニ駅から終点のオッタビアーノ駅へ。カトリックの総本山ヴァティカン市国見物に出かける。
エジプトから運ばれた巨大オベリスクを中心とする円形広場の半円形の回廊は、284本のドーリア式円柱と140人の聖人像で飾られている。サン・ピエトロ寺院は4世紀に聖ペテロの墓上に建てられたバシリカが始まりで、ミケランジェロらが再建に取り組み完成を見たのは1626年。
入口右側にミケランジェロ作「ピエタ」がある。屋上クーポラへは330段の階段がテラスに通じているが、今は有難いことにエレベータが利用出来て、サン・ピエトロ広場を一望できる。
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(左)ミケランジェロ 最後の審判 (右)システィーナ礼拝堂 天井画
ヴァティカン宮殿1階のシスティーナ礼拝堂にはミケランジェロの大作が、また2階にはラファエロの世界が待ち受けている。数年かけて修復された「最後の審判」他の壁画は実に色彩豊かで見る者を感動の世界に引きずり込む。
悲しいかな、ヴァティカンではカメラが電池切れになって、写真が撮れず。その分、しっかり瞼に焼き付けた次第である。
次は、オッタビアーノ駅からテルミニ駅乗換、B線のチルコ・マッシモ駅へ。217年に完成し1600人収容のカラカラ浴場に行く。残念ながら期待とは裏腹に廃墟同然の姿に幻滅。
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(左)カラカラ浴場 (右)Bonechi社刊 名鑑ローマ
再び地下鉄で1駅戻ってコロッセオ駅へ。駅近くのピッツェリアで昼食後、まずは収容5万人以上、紀元80年に建造され「コロッセオが滅びる時、ローマは滅び、その時世界も滅びる」と言われた巨大円形闘技場「コロッセオ」。様々な死闘が繰り広げられたアリーナは、後世の建築資材として持ち去られ、猛獣の檻等の下部構造を直接見ることが出来る。
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(左)コロッセオからフォロ・ロマーノ周辺 (右)コロッセオにて
お昼になるとさすがに暑い。ジェラートを買って、頬張りながらコンスタンティヌス帝の凱旋門からフォロ・ロマーノを散策する。自らがローマ時代にタイムスリップしたかのような錯覚に陥る。様々な建築物のかつての姿、そこに営まれたであろう社会生活、空想はとどまる所を知らない。そんな古代ローマを再現・描写した本も売られていて、空想の手助けとなる。
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(左)フォロ・ロマーノ (右)ローマ 重ねて見る昨日と今日
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気がつくとヴェネツィア広場近くまで来てしまった。ヴィットリオ・エマヌエーレⅡ世記念堂が間近に見える。かなり歩いたので足にぼつぼつだるさを感じるようになってきたが、まだまだこれからと女房殿をせきたてる。南下して今度は、パラティーノの丘近く、サンタ・マリア・イン・コスメディン教会の「真実の口」に向かう。幸い2組のカップルがいたのでお互いの写真を撮り合う。
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映画「ベンハー」で強烈な印象が焼き付いている古代戦車競技が行われた競技場チルコ・マッシモは真実の口からすぐ近く。夕暮れ時にはライトアップされ古代ロマンが味わえる所だそうだが、まだ少し時間は早く、さすがに競技場を歩く足取りはもはや限界に近く、とりあえずホテルに戻ることに。
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ホテルに戻るとフロントでメッセージを受け取る。明日はナポリ・ポンペイに行く現地ツアーを申し込んでいるが不吉な予感。
電話をすると全国のバス運転手組合が明日一斉にストを決行するので、イタリア中のバスが動かないとのこと。ポンペイは是非女房殿に見せてやりたい所ではあるが、列車でとなるとナポリ乗り継ぎで3時間少々かかるようだ。
検討の結果、イタリア最後の日は、かつてローマの外港であった「オスティア・アンティカ」を訪ねることにした。
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(左)今宵はカンツォーネを聴きながらの夕食 (右)ローマでのホテル「エクセルシオール}
さて、さて、今夕はカンツォーネ・ナイト。ホテルで教えて貰った美味しいレストランでカンツォーネの歌声に足の疲れも幾分かは癒された次第である。しかし、まあ、よく歩いたこと。