いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

見栄か美学か?(第22編)

2005年07月18日 08時19分16秒 | 娘のエッセイ
 日曜日午後、サンシャイン60内のレストラン、ひとりで昼食をとっていた女性A
のテーブルに、待ち合わせをしていたらしき女性Bがやって来た。

 女性Bは、オーダーを済ませるとおもむろにハンドバックを開く。中から取り
出したファンデーションのコンパクト。無心にお顔パタパタを始めた。彼女の前に

アイスコーヒーとサラダが置かれる。でもパタパタは止まらない。そればかりか、
今度はアイシャドーを取り出した。フオーク片手に、口をもぐもぐ動かしながら鏡
を見ている。もう、私の目は彼女に釘づけだ。

 ランチがきても、片手にフォーク、片手に化粧道具の態勢は変わらない。
あららっ、とうとう彼女は、ビューラーまで取り出しました! 小さな鏡を見なが
ら一生懸命まつげをカールさせようと試みています。

 そしてお次は…なんとマスカラの登場です。上下のまつげを少しでも伸ばそうと
しているようです。あつ、立ち上がりました。化粧室で最後の仕上げか?

どうやら私の読みは間違っているようです。再び腰をおろした彼女、またコンパク
トを開きます。さて、仕上げは口紅です。今っ、たった今、化粧のフルコースを彼
女は終えました。澄ました顔でレジへ向かったようです……。

 あまりの迫力に私は途中で隣の連れを肘で突っついて、最後はふたりで観察
した。

 昔は、人前で化粧を直すもんじゃないって言われたもんだけどねぇ。優雅な白鳥
だって、水面下を見れば優雅じゃなくなる。どんな澄まし顔の化粧美人だって、
舞台裏まで見せられちゃったら幻滅だ。

 しかし、彼は言った。「あの澄ました女、足がすっげー太かったぞ」。あぁ、あ
んたにとってはそっちの方が問題なのね。

 果たして、人前で化粧を直すなというのは女の美学か、それともただの見栄な
のか…?
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暑中見舞いは

2005年07月17日 15時49分57秒 | Weblog
     暑中とは、24節気中の「大暑」にあたる期間のことで、

    7月20日頃から8月8日頃の立秋(今年は7日)の前日
 
    までをさすと言われています。

     ですから、暑中見舞はこの間に相手に出すのが礼儀とさ
  
    れています。
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昨日も今日も

2005年07月17日 15時31分35秒 | シルバー社交ダンス風景
 昨日は、家内の友達4人と夜のダンスホールへ出かけた。
今日は、出演する歌手の誕生日とかで、ダンスの合間に追っかけ女性達の華や

かな応援と掛け声。また、同行の女性の中にTVによく出演している男のおばあち
ゃんもジルバ、ルンバと元気に踊る。

 これはいい機会と、かの歌手とおばあちゃんとのツーショットをカメラに収めた。
昔は、かの有名な○○でよく踊ったものよと、生ビール一を飲みながら頬が徐々
に朱に染まっていった。

 ジルバでは、回転させると「おおー」と声をあげ、続けると「おおー」の連発に
テーブルからは温かい笑え声が耳元に届いた。気持ちがいいと彼女の一言。

 今日は例によって、体育館でのパーティーで57名参加。兎に角暑い。汗が玉に
になって落ちる。女性は、顔に汗の玉をいくつも付けての真珠顔。

 風呂に入ってから飲むビールうまいなー。横になると瞼が閉じるので、意を決し
て画面へ。これから、昨日のスナップの抽出作業……

女房、ごろ寝中にもう一本飲み干した。明日は、&孫が二度目の里帰り。
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見えない川 (第21編)

2005年07月17日 14時54分28秒 | 娘のエッセイ
 また、あの目だ。私服に着替えた途端、ジロリと上から下まで値踏ぶみする様な
C恵の目つき。いつものことながら決してなじめない。C恵に「疎まれている」と

感じ始めたのは、転職後まもない頃だった。嫉妬の内容も仕事・男性・服装など実
に豊富で、あきれるばかり。だからかえって気にはならなかった。それに、現実に

は疎まれる程よいことばかりではなく『下心付きフランス料理』を断り続けた結果、
一年間仕事をくれなかった男性管理職もいたくらいであった。が、私が知らない間
に、C恵のそれらの感情は大きく膨れあがっていたのである。

 今年の二月、ある事件が起きた。女子更衣室のロッカーにあった私のコートの裏
地、右脇付近の合計四ヵ所がハサミによって無残にも切り取られていた。

 悩んだ末、女性の先輩であるTさんに相談した。Tさんも、すぐにC恵の仕業と思
ったらしい。それほど彼女の私に対する嫌がらせは、最近ひどかったのである。

それ以後、会社にお洒落をしていくのはやめようかと思ったこともある。けれど、
お洒落大好き人間の私にとって、それは実行不可能なことだった。

 そして、あの疎ましげなC恵の目を見るたびに、負けを自覚している彼女を知る。
「あわれだ」ある日、ふとそんな感情が心を横切った。

 先日、社内のある男性に切られたコートの写真を見せた。事情を知った後で
「かわいそうだな」と彼が言った。

「どっちが?」と私が聞くと、

「うーん」と唸ったまま彼は黙ってしまった。

 思うに、人と人との間には必ず川がながれていて、川の大きさや形はその人同士
の関係によって、運河だったり小川だったり、橋があったりなかったりするのでは
ないだろうか?

 今、私とC恵の間には大きな川が流れている。その川は日毎に川幅を広げている
ようだ。目に見えないその大きな川に、C恵の岸へ向かって橋をかける気は、
私にはもうない。



 
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喧嘩するほど仲がいい、でも怒ってはダメ?(第20編)

2005年07月16日 11時43分48秒 | 娘のエッセイ
 私は、気が短い。自分でも、嫌になるほど本当に短い。もっと、気が長い人間に
なりたい!と常々思っていたところ、ミョーな話を耳にしてしまった。気が短い人
と、長い人というのは、その体の機能からして違う? というのだ。

 古い話なので、少し記憶に自信がないが、確か、アドレナリンの分泌量が違うら
しいとのことである。(ちなみにアドレナリンとはホルモンの一種で、血圧や血糖量
を高める作用がある)。そのうえ頭に血が上がりやすい人は、のんびりしている人

に比べて"寿命が短い”という情報まで、ある日私は入手してしまった。(判る気も
するが…)

 でも、”怒る”ということは、本当にマイナスでしかない行為なのだろうか?私は、
よく喧嘩する。女友達とはほとんどしたことがないが、男とはよくする。恋人でも会
社の同僚でも男友達でも。

 特に相手が恋人ともなれば、延々と数時間に渡る口喧嘩に、平手打ちのおまけ
までついてしまったりもする。それを二ヶ月に一回ぐらいの割合でやってしまうの
だから、たまったものではない。

 しかしこの話を女友達にすると、「喧嘩するの?いいなァ」という声が多いのに
驚く。彼女達は、恋人や夫とは喧嘩ができない、いや、喧嘩にならないと言う。

 何故かというと、自分が怒ると相手の男性が黙りこんでしまう”からだそうだ。
友人のT子は、夫と喧嘩して、一週間も口をきかなかったことがあったと、ぼやい
ていた。

そういう話を聞くと、長い冷戦より、熱い争いの後に「ごめんね」の一言で仲直り
できる喧嘩のほうがいいのかな?とも思えてしまう。

 ところが、最近ある女性のエッセイに『怒ってはだめ。怒ったら彼は逃げて行っ
てしまうわ』と書いてあった。

うーん。そうかと反省し、それを今実行している。

 とりあえず、一日一回かかってくるラブコールがその成果だろうか。

でも、この策略を彼は知らない。
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あきないぐち(商い口)

2005年07月16日 10時05分28秒 | Weblog
 商い口(商人が客に商品を売りこむためにする口上手な話)を思い起こさせる
ニュースが今朝の産経新聞に掲載された。

 「14年前に22億4千万円で購入した都内の宅地を7億円で公募売却」
の記事で、権利者は、「首都高速道路公団」とある。

 これを読んで、「商い口」とともにある「詩」を思い浮かべた。これも産経新聞
の「朝の詩」に掲載されたものである。

              親父の気持ち

     「『土』 は  やさしい感じやのに、

      『土地』は  こわい気するのは、なんでやろ」

      と、親父に話しかけたら、「ほんまに、おまえという奴は…」

      と、言われた。

     
      そやから、俺が どないやねんな。

        平成16年8月13日 大阪府堺市 藤内明彦(37)様の詩です


   
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あなた!今何処に

2005年07月15日 20時12分46秒 | Weblog
    通りすがりに、ある家庭裁判所の掲示板を覗いてみた。

    暇に任せて、掲示されている枚数を数えてみたところ
     83件あった。

    その内、「失踪に関する届出の催告」が75件。
        残り8件は、公示送達関係である。

     この裁判所の掲示板は、実に90%、失踪の掲示で占められている。
    突然、家から消えて音信不通となる人の多さにビックリしたと言うより
    暗澹たる気持ちにさせられた。

     子供はそれぞれ独立し、家内と二人の生活だが趣味に熱中
    出来る今の環境に感謝感謝である。

     掲示板には、その世相の一端を示す情報が内蔵されている。
    と考えさせられた。常識的には、公示送達関係が多いのではと…

    

     

    


  
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鶏のいた夏 (第19編)

2005年07月15日 12時30分24秒 | 娘のエッセイ
 夏の初めの頃、家の近くにある○○商店街では毎年福引が行われる。
ある年のこと。その福引所で「ひよこ」を無料でくれるという噂が流れた。その噂

を聞いた少女は、その可愛いひよこが欲しくて、福引所へと急いだ。「ひよこ、下
さい」と言うと、男の人は小さなひよこを少女に一羽、渡してくれた。

 ひよこは、少女の手の中で温かかった。レモンイエローのふわふわした羽を少
女の掌に押しつけるようにして、「ピヨピヨ」と頼りなげに鳴いていた。

 近所の男の子もひよこを貰ったのだが、数日後、そのひよこを踏んで殺してしま
ったという話を母親から聞く。

少女は少年の残酷さを知った。

 少女のひよこは、すくすくと元気に育っていった。「雄だろうか、雌だろうか?」
と楽しみにする少女は、なんて世間知らずだったのだろう。

当然のことながら、成長したひよこの頭には、小さな鶏冠がいつの間にか揺れ
ていた。

 そして、朝早い時間に大きな声で鳴くようになった頃、少女は両親から鶏を手
放すように言われた。その当時、少女の家の近くには、鶏を何羽か飼っている

家があったのだ。「あの家なら、きっと飼ってくれるに違いない」。母親の言葉に
少女は頷き、鳥を抱えてその家を訪れた。少女の鶏はこうして貰われていった。
鶏の頭の鶏冠は、もうすっかり大人の鶏のものになっていた。

 少女の鶏が殺され、貰われていった家の食卓に上がったといことを、少女が
母親から聞かされたのは、それから一週間もしないころだった。少女は、大人の

無神経さと残酷さを知った。それと同時に、そんな家に鶏を渡さざるを得なかっ
た自分の無力さも知った。

 早く大人になりたいと思いつつも、綺麗な水晶玉のような心に傷をつけながら、
輝きを失っていく大人にはなりたくないと願っていた少女も、いつしか化粧と
スーツが似合う歳になった。

 いま、かっての少女は、無数の傷がついた水晶玉を「さめた目」でみつめて
いる。



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苦手意識 (第18編)

2005年07月14日 08時33分28秒 | 娘のエッセイ
 「え~っ、自分で直すの?」
これは、私が図面台のスケールをドライバーを使って直そうとした時の男性社員
の台詞である。

 私にとっては、たかがドライバーを使うくらいで何故そんなに驚くのよ! という
感じだったのだが、彼らにとっては、”女の子がドライバーを使う!”という事実が
まるで信じられないことらしいのである。

 常々思うのだが、どうして世の男性方は『女は機械に弱い』と思い込んでいる
のだろう。あるいは『大工仕事は苦手』でもいい。
他にも、女はこれが苦手と、男達に信じられている事柄や物が数多くある。

 まず昆虫類。おかしなことに、子供の頃は平気で様々な昆虫を手掴みしていた
女の子供達も、大人になると皆『昆虫苦手』という顔をしたがる。けれど、そんな
の嘘。だって台所でゴキブリを見た時の表情の変化。

そしてその後の、怖いぐらいまで執拗に続けるゴキブリ叩き。それで『昆虫怖い』
なんて言うんじゃないよ! かくいう私だって、部屋に出没した子グモなら、手で
つかんで外に逃がしてしまう。ほーら、事実がだんだん見えてくる。

 たぶん男性達は、怖い顔をしてゴキブリを叩き続ける女性や、トンカチ片手に大
工仕事をしてしまう勇ましい女性の姿なんて、見たくないに違いない。だからこそ、
無意識のうちに『偏見に満ちた苦手意識』を信じてしまうのではないだろうか?

 でも、それって、どちらにしてもつまらないことなのでは? だってほら、苦手と
思っていた食べ物が食べたら美味しかった、っていう経験は誰にもあるでしょう。
食わず嫌いは、何事によらず損。もちろん男性にとってもしかり。

今まで苦手と思っていた事柄、一度経験したら病み付きになってしまうかも。

 妻が日曜大工をする最中、「お昼できたよぉ」と声を張り上げる夫。そんな光景
だって、けっこうサマになると思うんだけれど。

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ひとつのことば

2005年07月13日 17時07分22秒 | 心に留めた言葉
 
 ひとつのことばで
 けんかして

 ひとつのことばで
 なかなおり

 ひとつのことばで
 おじぎして

 ひとつのことばに
 なかされた

 ひとつのことばは
 それぞれに

 ひとつの心を

 もっている

               北原白秋
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気にしちゃいけない(第17編)

2005年07月13日 08時21分49秒 | 娘のエッセイ
 朝起きて私が一番にすることは、体重測定である。そして、会社から帰って来
て最初にすることも、体重測定。ついでに、お風呂上りにすることも、これまた
体重測定なのだ。つまり、特別に忙しい時を除き、私は一日三回以上体重測定

をしていることになる。そしてその体重計の針が、たったひと目盛り右に動いた
か、左に動いたかで一喜一憂するわけである。

 笑ってはいけない。口にせずとも、女性の(特に十代・二十代の)多くは、それ
と同じようなことをしているのに違いない、と私は思っている。何故なら、女性雑
誌が「ダイエット特集」を掲載した時の、あの素早い売れ方がなによりも女の子

達の現実を物語っているではないか。また、あの雑誌のタイトルの付け方もうま
い。「クリスマスまでに3kg痩せる」とか、「水着が似合う身体になる」あるいは
「春までにカッコよく痩せる」など。ここで不思議なのは、「3」という数字が必ず

記事のどこかに登場することだ。そして女の子達は、面白いように簡単に「マイ
ナス3」の魔法にかかる。一体いつから3キロが、こんなに女の子の心を支配す
るようになってしまったのだろう?

 分からない。なぜか分からないが、気がついたら、体重計の針の動きが女性
の心の中に「どかん」と居座っていた。確かに太りすぎは不健康だし、あまり美
しくないかもしれない。でも、今の女の子達の痩せ願望はちょっとヘンだ。

だって「ダイエットしてる」ということが、ひとつのステイタスのようになってしまっ
ているからだ。だから、太っている子は標準に、標準の子は痩せぎみに、そして
痩せている子はガリガリに、とエスカレートしてしまった。なのに、ダイエットブー

ムのあとにマスコミが送り出したのはセクシー路線だ。
せっかく痩せたいというのに……なんと残酷な現実。

 今こそ、女性達は叫ばなければ。「もう、マスコミと体重計の針には振り回さ
れないぞ」と。

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口みて話せ

2005年07月12日 09時18分56秒 | 心に留めた言葉
 ほれてる相手に物を言うときは

 口見て話せ

 憎らしい相手のときは

 鼻見て話せ

 歌舞伎の長老、中村勘三郎が六代目菊五郎から教わった芸の一つ……
   昭和60年1月30日読売新聞「よみうり寸評」から

また、これも日刊紙だったと思うが
 「目を見てにっこり」の表題で

 つきあい上手の基本は
 「目を見てにっこり」。
 これができれば、相手に好印象を持たれること間違いなし。……

私も、相手と話をする時は、口元見ながら話すことを心掛けている。
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 歌 (第16編)

2005年07月12日 08時55分58秒 | 娘のエッセイ
 今「一番嫌いなものは何?」と聞かれたら、私は迷わずに「カラオケ」と答え
る。理由は単純明快、歌が下手だからだ。きちんと歌を歌ったのは中学3年
生の音楽の時間が最後だった。

 そんな私にいきなり『銀恋』を歌えと言わても、到底無理な話なのだ!しかし  
不思議なことに世の男性達は、女性は歌が上手いもの、という妙な思い込み         
があるらしく、「音痴だから勘弁して下さいョ」という私の声など、ほろ酔い気

分の彼らに聞こえる筈もなく、つらーい思いを何度したことか。カラオケ大好き
人間は、絶対にわからないわね。
 
 今年の秋、社員旅行のバス内のことである。北海道を走行中、車内はビン
ゴゲームで沸いていた。
 「ビンゴー」

と叫び、なんと私が一等賞。賞品はなにかなぁとウキウキしている私の耳に、
その時悪魔のような声が聞こえてきた。

「では、十番の人から順にカラオケを歌ってくださーい」
「えー、嫌だ。絶対、歌わないわよ」という私に更にダブルパンチ。
「歌わないと賞品返すんだよ」

 えっ、えっ、えっと言いつつも、歌いましたよ私は。『別れても好きな人』を。
だって賞品ほしかったんだもの。ちょっと、卑しかったかな?あとでしっかり
言われたものね。

 「歌はつらくても、賞品がもらえてよかった?」
だと。うーん、タオルセットだったからどっこいどっこいね。

 しかし、しかしである。これほどカラオケが嫌いな私に、ある歌を歌って欲
しい、という男性が最近出現した。

 そう、そんな私に『大切なもの、それはあなたよ』と歌ってほしいという。
ならば歌ってあげようじゃないの。とヘアブラシを片手にCDにあわせて歌う。

ああ、私ってなんて可愛い女だったのだろうと、自己陶酔するのはほんの
一瞬。

 いくらけいこしてもヘタはヘタ。現実は、厳しいね。
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孫の仕種

2005年07月11日 19時07分57秒 | 心に留めた言葉
 昨日は、孫達の来襲で賑やかな一日でした。
孫の母親から次のような話を聞いたとのこと。

 5歳になる孫は今幼稚園へ行っていますが、
7月7日が誕生日でした。

 幼稚園の先生が、○○君と孫に
「お誕生日おめでとう!」と言うと、孫は、
思わぬ行動に出たそうです。

 先生に向かって孫は「ありがとう。と言いながら
手を広げながら、先生を抱いたそうです」。

 かの先生は、園児からこのような行動を示された
のは初めてですと、感激の言葉を送ってくれたとの
こと。
 
 小さな子でも、しっかりとした感受性が育まれてい
る事を再認識させられた次第です。

 孫達が、帰ってからこの話を家内から聞き、ほのぼ
のとした気持ちに浸り、余韻の残る夜となりました。
 
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マニュアル(第15編)

2005年07月11日 09時00分52秒 | 娘のエッセイ
 パソコンの前に座って、30分間。画面は少しも動かない。
「ポイントって何のこと? 関数なんてわかんないよぉ。どうして、私がこんな
思いをしなくちゃいけないの!」

 そんな気持ちが頭の中で、ちびくろサンボのお話の虎たちのように、ぐるぐ
ると周り続ける。事務室の中を見渡しても、私を助けてくれそうな人はひとり
もいない。いや、違う。私以外に誰も人がいないのだ!

 「ああっどうしたらいいのよっ」と、叫びだしたい気持ちを抑えながら、パソコ
ンのマニュアルを睨み続ける。私の頭の中では、相変わらず虎が回り続けて
いる。

 今度は、この間聞いた、社長の奥さんの声が虎と化している。「私は教え
ないから。分からなかったらマニュアルを見て」。本当はその時、奥さんは
「聞いてこなけれだ教えないから」と言ったのだが、転職二ヶ月足らずの私

の頭には、「教えないから」と言うフレーズだけが、強烈に残ってしまってい
た。いくら、今までもコンピュターを扱っていたとは言え、私が使用していた
のは、医療事務の機械とCADだけ。ロータスなんて知らないのだ。

 結局、ポイントというのがカーソルのことだと分かるまで30分、関数の計
算式の入力方法が分かるまでに、プラス10分。

 分かってしまえば「な~んだ!」ということなのだが、私は生みの苦しみを
体験したような気がしてしまった。(ホントデス)

 ふーっ、と溜め息ひとつ。そして、マニュアルを放り出す。「どうして、マニュ
アルってわざと分かりにくく書いてあるんだろう?」

 どのパソコンのマニュアルもそうだ。そんな時、私はやさしい言葉を使って
自作のマニュアルを作っておく。そうすると、引き継ぎも楽チンだからだ。
今度も、独自のマニュアルを作成しておかなければ。

 だって自作のマニュアルは、いつか転職する日の為の、私にしかわから
ないワン・ステップでもあるからだ。
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