テリー・イシダの『独酌酔言』。

夜な夜な酒場で一人飲み、酔った勢いであれこれ、一言、申し上げます。

コロナウイルスの事⑦ そろそろ日本人も実感しなくてはいけない、闘いの長さと犠牲の大きさは?

2020年04月03日 | コロナウイルス2020

コロナウイルスの事⑦ そろそろ日本人も実感しなくてはいけない、闘いの長さと犠牲の大きさは?

◆まず、対コロナウイルス自粛による経済損失に対する政府の対策、

今週、なにか具体策が出るかと期待しましたが、、、

“布マスク2枚”という奇想天外なアイデアと税制変更(税支払い猶予など)案のみ、

先行きの経済活動を不安視している国民に一致団結を呼びかける強いメッセージが必要なこの時期に、まったく機能しなかった日本政府、残念、、、

都市封鎖に関しても専門家などからの提言があるものの、政府はグズグズしているだけにしか見えない、

まるで『まだ安全ですから大丈夫』と云っているかのような官房長官のコメント、、、

ま、政府の悪口を書いても何も生まれないので、これはここまで、、、

◆本当に起こる医療現場の崩壊、そして死亡者の増加、

米国が相当疲弊しています、

またドイツもここまでよく頑張ってきましたが、ここに来て“医療現場の崩壊”が近づいてきているようです、

トランプ大統領が3月31日に発表した米国内の想定死亡数、

なにもしないと150万~200万人が死亡、これを10万~24万人に押さえ込みたい、と発表しました、

とんでもない数字です、これだけでもコロナウイルスの恐ろしさがよく分かります、

数字の根拠についての推論は後で書きますが、

まず、ここで学ぶべきは、少なくともトランプ大統領は国民に対して“想定される犠牲の大きさを共有した”ということかと思います、

日本政府は未だに“ぎりぎり踏ん張っている”“長期戦を覚悟”と曖昧な状況説明しかしていません、

そろそろ具体的な数字や期間を示して、国民にコロナウイルスのほんとうの怖さを伝えるべきではないかと思います、

もちろん、不用意な情報発信で国民がパニックに陥ることは望みませんが、そろそろ、“どの程度の期間(長さ)で、どの程度の犠牲者(死亡者)が出るのか?”、

それとセットで思い切った経済対策、そして今最も必要な国家のトップとしての国民への強いメッセージを発信して欲しいと切に願っています、

◆米国の想定数字の根拠は分かりませんが、、、

これは一応、前にも書いた集団免疫の考え方、つまり“70%で集団免疫、死亡率1%”で説明できるようです、

米国でなにもしなかった場合、
米国総人口3億2700万人×70%感染で集団免疫=2億2890万人×死亡率1%=229万人

比較的近い数字が導かれます、ひょっとすると“集団免疫”理論で導かれているのかもしれません、もちろん、もっと細かな関数がいろいろあると思いますが、

この死亡者数を1/10程度の10万~24万人に減らす努力をする(これが闘い)とトランプ大統領は云っています、

これがトップの宣言です、

これを単純に日本に置き換えると、なにもしなかった場合、
人口約1億2600万人×70%感染で集団免疫=8820万人×死亡率1%=88万人が死亡、という数字になります、

当然さまざまな対策が施される訳ですから、ここが最大値、現実の死亡者数はもっと減ります、

米国よりも高度な医療体制が日本にはあると信じて、もっと低い数値に落としてほしいものです、

それでも、3万人~8万人程度の人が犠牲になる可能性があります、

ここのところに対する覚悟と対策を日本のトップに宣言して欲しいと思っています、

◆コロナウイルスの死亡率は、、、現状ではよく分からない、

上記の想定式でもっとも重要な関数の1つが死亡率です、

2020年1月頃には“コロナウイルスの死亡率は1%前後”と云われていたので、それで上記試算を行っていますが、

正直、現状では死亡率に関しては良く分からない、まだ母数も少ないし、各国によって数字が違い過ぎます、

最も状況が悪いイタリアでは死亡率が10%近くに達しています、以下、4月2日現在でスペイン9.1%、中国4.0%、米国2.4%、

日本は2日夜の時点で感染者数3475人、死亡者数83人、死亡率2.4%です、

おそらく国毎の医療体制、人口構成(高齢化率)、衛生環境、生活習慣などが影響していると思われます、

でも、もし死亡率が想定の1%より高いとなると、上記の試算よりももっと死亡者が増えるということになります、、、これマズい、、、

◆コロナウイルスの死亡率は0.66%?

CNNが3月30日に、医学誌の論文を引用して『コロナウイルスの死亡率は0.66%』と伝えています、

CNNのサイトより抜粋転載

新型コロナウイルスに感染した患者の死亡率は、検出されないこともある症状の軽い患者も含めた場合、約0.66%と推定され、今月上旬に公表されていた推定より低いことが分かった。ただし、インフルエンザの死亡率0.1%に比べるとはるかに高い。

検出されていない感染者を除外すると、新型コロナウイルス感染症の死亡率は1.38%だった。

米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は今月上旬、新型コロナウイルス感染症の死亡率は約2%とする推計を公表していた。ただしこの数字は報告された症例のみを対象としていることから、無症状や症状が軽い感染者を含めれば、実際にはもっと低い可能性もあると指摘していた。

今回の調査では、症状が出て検査を受けた人に限らず、感染者全体に占める死者の割合を算出した。

死亡率は高齢者の方が高い傾向があり、80歳以上の死亡率は約7.8%だった。一方、9歳未満の子どもの死亡率は0.00161%と極めて低い。40歳未満では0.16%だった。

(抜粋転載ここまで)

つまり、ここで云う死亡率は確認された発症者が母数ではなく、おそらく感染しているであろう(でも確認されていない)人を母数にしているようです、なるほど、如何にも科学的です、

でも、やはり高齢者の死亡率は高いようです、

◆日本は世界一の高齢化社会、

イタリアの死亡率が高いレベルで推移しているのは高齢化社会が原因ではないかと云われています(他にも医療体制の脆弱さも指摘されています)、

知らなかったのですが、お隣の韓国はそんなに高齢化社会ではないそうです、

CNNのサイトより抜粋転載

イタリアの人口構成は世界の大半の国々とかなり異なっている。2015年の国連の報告書によれば、同国の人口の28.6%は60歳以上だ(33%の日本に次いで世界で2番目に高い割合)。これに比べ、韓国では60歳以上の人口は全体の18.5%と、世界で53番目の水準になっている。

(抜粋転載ここまで)

世界一の高齢化国日本、、、

やはり日本では高齢者に対する手厚い対策が必要なようです、

◆さて、死亡者を減らす方法論は?

とにかく、感染爆発が起こったら、“救える命を救う”ことが最優先事項になります、

そのためには医療現場の崩壊を防ぐ=感染者数のピークをコントロールする=都市封鎖などの強い規制、という流れになっています、

残念ながら、経済の維持は一時的に諦める(そのため、国の対応策が重要になる)、もしくは部分的に動かしてみながら感染者数増加を抑える、という感じでしょう、

【これからの重要な対策の重要関数】

① 重篤な患者へ高度な医療を集中することで死亡者数を減らす
医療体制の強化=重要関数:医療従事者数、病床数、人工呼吸器数、トリアージ体制、一体化した医療情報共有体制

② 感染者数自体を減らすことでピークを低く、とにかく時間を稼ぐ
クラスターの発生を抑制=重要関数:基本動作(手洗い・マスク)、外出自粛、リモートワーク、学校休校や部分休校、そして都市封鎖

◆この闘いはいつまで続くのか?

さて、日本政府が示さなければならない重要な情報で、未だ欠落しているのが、“この闘いがいつまで続くのか?”という情報です、

これについて、具体的なことはまだ何一つ発表されていません、目途の無い闘いに勝算はありません、国民は疲弊するだけです、早急に教えて欲しいです、

以下はワタシの『独酌酔言』です、まだよく分かりませんが、

この闘いが終わるのは、ワクチンが世界に行き渡った時、、、だと思っています、

政府や東京都、JOCは“2021年のオリンピックの開催時期”について熱心に語っていましたが、それより前に“コロナウイルス感染拡大の終息時期”についてもっと関心を持つべきでした、

世界中から選手が集まるオリンピック、開催の絶対条件は“世界中の人々がワクチン接種を受けてコロナウイルスの感染拡大が止まった”ことが確認されることです、

現在、ワクチンの実用化には1年から2年掛かると云われています、

2日のTVでWHO日本人職員の方が18カ月程度とも発言されていました(お名前失念)、

このタームを極力短くすることがとても重要です、

オリンピック開催にとって重要と云うよりも、死亡者数の激減に繋がるからです、ワクチンが実用化されるまで死者は出続けます、

ワクチンが実用化された時、初めてこの闘いが終わる可能性が見えるからです、、、

【これからの重要な対策の重要関数】
③ この闘いを終わらせる=重要関数:ワクチン開発はもちろん、既存薬の臨床承認、抗体検査開発などのスピード

必要以上に悲観的にならず、闘うしかないです、、、