イギリスの食べ物カテゴリー番外編。
ブラックプールに一泊旅行した時に、イタリアン・レストランに入りました。
向かい合ってパスタを食べた正方形のテーブルはお食事には狭すぎました。
子羊のラグーのフィットチーネ。
カラメライズド・オニオン(甘く煮たたまねぎのジャム)をぬったパン、をおく場所がない・・・・
まんなかにおいた空き缶の上に置いてくれました。
狭いスペース2階建て活用術。
イタリアの、アーティチョークの老舗缶詰会社が、この中味なし特製空き缶をわざわざこの用途のために製造して、お得意様レストランに分けてあげているそうです。
このレストランのオリジナルアイデアではなく、イタリアではおなじみ、みたいです。
家でもまねできそう。
おしゃれだけど、比較的大衆的なイタリアン・レストラン・チェーン、べラ・パスタ Bella Pasta で。イギリス中で店舗展開しています。
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日本でも知られている、という、イギリス伝統のスナック料理、ウェリッシュ・レアビット Welsh rarebit (巻き舌のラゥビットの発音が近いです)。
エール ale(ビールのー種)で溶いてスパイスを混ぜたチーズを塗ってオーブンで焼いた、トーストです。
これは、ランカシャー・レアビット Lancashere rarebit というそうです。
聞いたことのない名前です。
ランカシャーの海辺の観光地、ブラックプール Blackpool のカフェで食べました。
観光地らしいお店のオリジナルでしょうか?
ランカシャー・チーズを使っているので、ついた名前だと思われます。
普通、レアビットは、もっとくどいチェダー・チーズが厚く塗ってあり、ぶつぶつ火ぶくれができるほどよく焼いてあるものです。
あっさりしておいしかったけど、上品すぎて物足りなかったかもしれません。
このカフェ、私が愛してやまないイギリス伝統の、キッチュでレトロで庶民的な街のカフェだったのを、中途半端におしゃれな欧風ビストロに最近改装した疑いがあります。
場所柄(ブラックプールは昔から庶民のリゾート地として知られています)と、イギリス伝統の庶民的なメニュー、お手ごろ値段、訪れた芸能人のサイン入りスナップ写真が飾ってあるところから「出自は庶民派カフェ」であることががうかかがわれます。
「私が愛してやまない、イギリス伝統の、キッチュでレトロで庶民的な街のカフェ」とは、脂ぎったベーコンのにおい、アルミのティーポット、赤、黄、茶のプラスチックの詰め替えボトルに入ったケチャップ、マスタード、ブラウンソースが欠かせないカフェです。
最近、すっかり姿を消しました。
ヴェジタリアンの夫が食べたのは、キノコのスティルトン・スープ。
スティルトン Stilton は、イギリス産の、独自のわきがのような臭いの個性的な青かびタイプのブルー・チーズです。
かつては高価で、もっぱらクリスマス用に消費されていたようですが、今ではお手ごろ値段(ピンからキリまでですが)で1年中出回っています。
溶かしてスープやソースにコクを出すのにも使われます。
今でも、蠟で封をした陶器の壷に入った高級品が贈答用クリスマス食品として、スーパーやデパートの食品売り場で売られています。
ところで、このカフェの、パンの間に彩りよく添えたサラダや水平じゃないスープボールは無用におしゃれっぽくて、あざとい演出だと思いました。
かつてイギリスでは、温かい料理と、生野菜を同じお皿に出すのは好ましくないと、いわれていたようです。
日本のトンカツやエビフライといっしょに出てくる、刻んだキャベツやトマト、うちの夫はいやがりました。(今では、慣れました)
ヨーロッパ大陸では普通みたいですね。
「欧風」カフェから、伝統や習慣はかわりつつあります。
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人気のない、風の強い海辺の観光地ブラックプール Blackpool に着いたのは、午後12時半ごろです。
海岸沿いのツーリストインフォメーションで、その日泊まれる宿を探しました。
がっかりなことに、予約なしで1泊だけとまれる宿はツーリストインフォメーションのリストにはないらしく、ベッド&ブレックファースト(B & B)が 集中的に軒をならべる数本の通りを歩いて探すように言われました。
キッチュなB & B通り、どこも窓に「空き室なし」の札が下がっています。
書き入れ時の夏に休みなしで営業し続けたB & Bの経営者の休養期間なんですね、今は。
部屋が見つからなかったら、夕食後、帰宅するつもりでした。
一軒見つけた、「空き室・部屋のみ」で交渉して「素泊まりで、一泊1人15ポンド」で、話がまとまりました。
驚愕の安値。
壁ー面にかかった、額装した絵!壁の木製のビーディング(ふち飾り)が、額絵の角をはめるスペースをとるために角度をつけて切りとられていました!
部屋は、ダブルベッドの片側が壁におしつけてある異常なレイアウト、裏庭に面した窓が洋服ダンスでふさがれ、コンセントの差込口とバスルームのトイレットペーパーがない・・・!
となりの空き部屋に忍び込んで、お湯を沸かし、トイレットペーパーを失敬しました。
鉄の屏風の上に、コートフック(コート掛け)があるのに注目。コートをかけたら壁のとちゅうにあるコンセントの差込口が見えませんでした。
宿帳記入のためとおされた、ラウンジは、ポーズがつけてあるキツネの剥製2体(上の写真)の他に、王家の谷の秘宝(レプリカ)、壁にへばりつくトカゲの剥製(ワシントン条約違反の禁制品)露を宿した盛り花の造花、ロココ風家具・・・・と夢のキッチュの宝庫でした。
ちょっと写真を撮るのは気が引けました。
キツネの剥製は宿のご主人自慢の品で、写真を撮りたいというと大喜びされました。
部屋は、清潔で暖かかったです。
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海辺の観光地、ブラックプール Blackpool、番外編、キッチュなイギリス。
ピークディストリクト Peak District のバクストン Buxton から西海岸のブラックプールに至る、ノーザン・レール Northern Railの終着駅、ブラックプール・ノース Blakpool North 。
季節はずれでガラガラでした。
改札横に立つ、切り抜き板のクマ。
自動改札利用の際の安全を啓蒙していますが、造形の手抜きが著しい。
等身大の駅員の全身像に、クマのぬいぐるみの顔をすげかえただけ。
乗客の忘れ物、と思われるスカーフまでしていました。
私は「ユルキャラ無用論者」ですがこれを見たら、くまモンのデザイン的な完成度を再認識せざるを得ない。
今、安全キャンペーン中なのか、等身大スーパー・ウーマン風、安全啓蒙切抜き板も。
いやがる夫を立たせて写真を撮ったのですが、トリミングしました。
(スーパーウーマンの肩に手をまわして、という要求は却下されました)
向かいにはスーパーマン風、切り抜きも立ってました。
アメリカのマーベル・コミックのキャラクターとは微妙に違うようです。
ノーザン・レールのオリジナルかもしれません・・・
50年代、アメリカン・コミックの再現、熟練のアートワークです。
太ももの筋肉、日本のゆるキャラ表現では考えられません。
だけど、ほんとに要るの、日本のユルキャラと、ノーザン・レールの安全キャンペーン・スーパー・ヒーロー・キャラクター??
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12月5日、土曜日の最後の記事に引き続き、ブラックプール Blackpool の海岸です。
ー泊しました。
翌朝10時過ぎ、ベッド&ブレックファーストを引き払って、海岸通りを歩きます。
風もやみ、穏やかな曇り日でした。
海岸線が、ずうっとひいて、砂浜の美しい遠浅の浜辺に変貌しています。
(12月5日掲載の写真とくらべてみてくださいな。)
こんなに遠浅で、遠くの波も穏やかなのに立ち入り禁止の鎖の通せんぼが、砂浜の散歩禁止しています。
とっても、残念。
早朝だからでしょうか。
監視員がいない冬の海で事故でもあるとこまるという観光地の安全対策でしょうか。
イギリスではちょっと、珍しいことです。
ブラックプール、しつこく明日に、つづきます。明日は番外編。
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イギリス北部のキッチュな遊興地、ブラックプール Blackpool の冬の海。
満ち潮で、深い海の中にたつノース・ピア North Pier 。
観覧車があるのは、セントラル・ピア Central Pier
海岸に下りられないよう、鎖が渡して通せんぼしてありますが、またいで通れます。
砂浜がまったくありません。荒い波の海岸線が、道路のすぐそばまで来ています。
戦死者慰霊塔、オベリスク Oberisque はノース・ピアのすぐ斜め前にあります。
第ー次大戦で戦死した兵士を祀る記念塔、厳粛な気分がこの周りに漂っています。
この地点から先、北に向かって続く長い長い海岸線沿いには、高級感のあるホテル、スパ、貸切のヴィラなどが立ち並び、遊行地、ブラックプールのイメージとは、ー線を画しています。
強い風に背中を押されるようにして、しばらく歩きました。
荒れた海を冬の海を見に行く目的達成のために。
潮風がべとべとしています。
口に入る髪の毛の先も、唇も、みるみるうちに、塩辛くなっていきます。
うちの夫は、口ひげを潮風にさらしつづけたので、シャワーをするまで、何を食べても、飲んでも塩辛いといっていました。
それでも、気持ちよかったです。
体にいいオゾン(かなんか)が発生していたりして。
不治の病だった結核の治療に海辺の町で療養する人が多かったと聞きます。
戦後ある時あたりまで、海岸線に沿ってこのベンチにずらーっと患者が座っていたのかもしれません。
潮風と大気で、結核が治る奇跡を信じて1日、日没までただ海に顔を向けて座っていられる人達は、家計に余裕のある人達だったはずです。
ほんとになおっちゃった人もいたようですね。
上の道を海岸線沿い、南北に、トラム(路面電車)が走っています。
風に向かって40分、歩いて戻る気力はちょっとなく、ブラックプール・タワー Blackpool Tower のほうへ行くトラムで町の中心に戻りました。
数百メートルごとに、このインチキ・ギリシャ神殿風の半円あずまやが並んでいます。
中を通って、上の道路に上がります。
意外なことに、潮風がじかに吹き付ける、海岸沿いの下の遊歩道より、上のトラムの走っている車道のほうが風がずうっと強かったのです。
カメラを持った腕を上げているのが困難でした。
ブラックプール、しつこくまだ続きます。
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海岸の遊興観光地、ブラックプール Blackpool のシンボル、海岸沿いにそそり立つ、ブラックプールタワー Blackpool Tower
完成とグランドオープニングは、1894年。残念、今回は入れいませんでした。
有名なパリのエッフェル塔の影響をうけています。
高さ158m。東京タワーの333mに比べるとたいしたないのですが、数年前にオープンした大人気の眺望階の、ガラス床 The Walk of Faith の上を歩くのは確かに怖いです。
(去年の夏に、息子とお友だちを連れてった時の写真です)
公式記録、世界で100番目に高い建物だそうです!
ブラックプールの冬を彩る、海岸沿いの有名なイルミネーション。
残念!!まだ始まっていませんでした。
タワーは年中無休でライトアップしているようですが、ところどころ、電球が切れてて、びんぼったらしい・・・
街じゅうどこからでも見えるランドマーク的存在。
準国宝級、第ー級保存指定建築です。
世界的に有名な19世紀の舞踏場、タワー・ボールルーム Tower Ball Romm では、社交ダンスの世界選手権大会が毎年開催されるほか、バトン・トワーリングや、ジャズ、ディスコ・ダンス、など(クラシックバレエ以外)さまざまなダンス関係のイベントが目白押し、ダンス愛好者の聖地みたいな存在らしいです。
写真がなくて、残念です。
こんどいったら、入場料を払って、午後のティーダンス・セッションにお年寄りに混ざって参加してみたいです。
ひとりでい飛び入り参加、踊れなくてもOK。ダンスの先生が相手をしてくれるそうです。
(よく知りませんが、男性は踊れたほうがいいと思います・・・・)
自前のサーカス団、演芸場、水族館、ブラックプール・タワー・ダンジョン Blackpool Tower Dungeon というお化け屋敷もあります。
1970年代までは、建物の中に動物園があって、象までいたそうです!!
タワー前の床にはめ込まれているのは、ブラックプール・タワーの演芸場で育って、一流になった芸人リスト。
美しいカラータイルに有名な出し物や、漫才のパンチライン punch line(きめ台詞)などが、焼き付けられています。
ハリウッド有名なスターの手形 Walk of Fame なんかと違って、これ以上増やしたりできないようです。(アートみたいです)
これから育つ新人の芸人さんはどうなるのか・・・・?
ついでなので、夏のブラックプールタワー3点。
冬の海の写真は、また明日。
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私の連休に、突然思い立って、マンチェスターの北西、ブラックプール Blackpool に行ってきました。
ブラックプールは、キッチュで猥雑な、イギリス北部最大の、海辺の観光地です。
青空と、遠浅の砂浜と、べたべたした潮風と、騒々しいゲーム・アーケード(ゲームセンター)、アイスクリームと、フィッシュ&チップス、ジプシーの占いと、クレージー・ゴルフ、日焼けにいそしむ海水浴客の汗と、サンタン・ローションの混ざった体臭、赤黒く日焼けした半裸の観光客、子供たちの歓声・・・・・・・・・
すべて夏の話です。
9月12日の記事を読んで下さい。前年の夏の写真がたくさん載っています。↓↓
夏の話題に逆戻り。ブラックプールの浜辺のピア(桟橋)
海岸沿いのプロムナード(散歩道)のお店はほとんど、しまってました。
もちろん、桟橋(ピア)もしまってました。
昼過ぎに着いたら、砂浜はなく荒れた波が遊歩道のすぐそばまで迫っています。
身を乗り出すと、波しぶきがかかりました。
うちの近所の駅から、直通電車でで1時間50分、誰もいない冬の海辺の観光地に、何をしに行ったのかというと・・・?
もちろん冬の海を見に、です!
以下明日。
いつもより大きめの写真を多数、お目にかけます。
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ベジタリアンの、うちの夫の冷凍食品肉料理、シリーズ化、決定!
うそです。きのうに引き続き、ソースの話題。
スーパーマーケットで買ってきた、ガーリック・バターでまとめたスタッフィング(パン粉とハーブと乾燥玉ネギ)に巻いてあるポークを、ローストするだけ。
オニオン・グレービーも粉末の即席です。
ポークにはアップル・ソース。やっぱり、出来合いの瓶詰め。
(りんごはブタの大好物なので、ポーク製品の付け合わせとしてよく使われます)。
自分でつくってみたこともあるんのですが、こんなにツヤツヤ黄色く仕上がりません。
(ツヤツヤ黄色は合成着色料かもしれませんね)
手作りにこだわるなら、傷んだりんごを薄く切って炒めたものを添えるのが手軽でおすすめです。色が悪くても、あまり気になりません。
写ってませんね、ツヤツヤ、アップルソース。
別に写真を撮ろう・・・
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べジタリアンの夫が、私と息子2人のために買ってきたオーストラリア産のカンガルーの脚肉(冷凍食品)です。
こびりつかない表面加工がしてない鉄のフライパンでジュージュー焼いて、バーベキュー風味、焦げ目つきステーキを作ってくれました。
味付けは、一切なし。
味なしはイギリスでは一般的な肉、魚の食べ方です。
好きなソースを添えるので、味なしOK。
あるいは、味付けは食べる人のお好みにおまかせ、が普通です。
こんなことが、「イギリス料理は味気ない」説の根拠になっているんでしょうね。
そのかわり伝統の、食卓用ソース類は目がくらむほど豊富ですよ。
初めて食べるカンガルー肉に合うソースが思いつかなかったので、奥から手前に、
ミントソース mint sauce (緑;すりつぶしたミントの葉のトロリと透明な甘酸っぱいソース)
ピカリリ picalilli(黄;からしとお酢とスパイス漬けのカリフラワーのぐちゃぐちゃ煮)
トマト・チャツネ tomato chutney(赤;煮込んだトマトにスパイスを加えたソース)
グレイン・マスタード grain mustard(粒辛子)をならべてお皿につけました。
個人的には、ピカリリがよかったです。
夫が料理してくれるようになってから、冷蔵庫の中が、いっきにイギリス化しました!!
出来合いのお料理付け合せの瓶詰めソース、ピクルス、チャツネー類の数々!
ほとんどがイギリス伝統レシピです。
びんづめの市販品は保存料たっぷりの工場生産品です。
料理にあわせて家庭で手作りする人もいることはいるのでしょう。
サンドウィッチに、チーズに、ビスケットに、用途はさまざま。
ちょっとずつ、紹介していきますね。
さてカンガルー肉の味ですが・・・
う~ん、噛み切れないねちねち繊維感がちょっと・・・。でも味は、淡白で悪くなかったです。
噛み切れないねちねち繊維感は、解凍が間に合わず、こっそり電子レンジで加熱したからかもしれません。
夫は電子レンジの解凍プログラムをよく理解していなかったようです。
お手ごろなので、もう一度、今度は私が試してみます。
ちなみに、右側の黄色いのはこれも冷凍の、「ポテト・グラタン」です。
日本でいうグラタンとは似ても似つかない、マッシュポテトをとろとろチーズでつないだ、肉魚料理のつけあわせです。