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本日は曇ベースの時々雨がポツポツと・・
午前中に土合町K邸の融雪ホースの設置作業が終了。
冬支度もすすんでいます。
蓮潟町T邸も外部工事がすすんでいます。
ダイライトの外に防水紙(タイベック)を巻き、軒裏の工事をしています。
これができると、大体の形が分ると思います。
また、霧除(庇)の工事も同時に進めています。
この霧除は、通常、窓の上に設けて夏の日差しの部屋への侵入を防止して、室内温度の上昇を緩和するために設けます。
ただし、我が社の場合は、もう少し意味合いを持たせています。
次の写真を見てもらえばおわかりですが、伝統木組みの場合、どうしても外壁より外に「渡りあご」や「打ち出しホゾ」が突き出てしまう。
その結果、雨が降ると、そのうえに水が溜まってしまいます。
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雨が溜まった渡りあごの突き出し部分
防水紙(タイベック)との取り合い部分には、コーキングを入れているとはいえ、
こうした状態を放っておくと、木が腐ったり、隙間から室内に雨が侵入してきます。伝統構法のウィークポイントというべき所です。
昔は、軒の出を長くして、雨の進入を極力抑える工夫をしました。
「せんがい屋根(こちらでは、せいがい屋根)」は、通常の軒桁より外側に梁を出して、さらにその先に軒桁を設けて、タルキを伸ばし、3尺以上、軒先を外に出し、多少の風雨でも外壁面に雨が当たらないようにしていました。
今でも、田舎へ行くと、こうした伝統的な造りの建物が見られます。
現在の街中では、敷地に余裕が無いため、屋根も思うように伸ばせません。
そういった場合の工夫として、我が社では「霧除(キリヨケ)」を用います。
はね出した、「渡りあご」や「打ち出しホゾ」の直上、若しくは覆うようにキリヨケ・・ようは屋根をつけてやることで、雨から守る工夫をしています。
よって、通常は窓の直ぐ上にキリヨケが付きますが、少し上に連続して設置することになります。
コーナー部分までキリヨケを出すと、外壁がそこで上下に分かれてしまうように見えるため、途中で止めて(2階台輪の位置で外壁を区切るとバランスがとても悪い)、コーナーの通し柱に差さる「打ち出しホゾ」の上は、板を斜めに貼って、鉄板で巻きます。
こうした、雨仕舞を細かに考えながら外部工事はすすんでいきます。
時々、雨が降ったほうが確認が出来て都合が良いと思います。