メーカーが製品の製造中止をすると部品調達が困難となります
「雨が降ると風除室の水がバシャバシャと落ちる」
という問い合わせを受け、現地を調べると、アルミ製屋根の雨樋部分が破損し、そこから雨が漏れ出していたことが判明しました。
雨樋の端部の樹脂部品が劣化、破損していたのが原因です。
もう20年以上前の製品なので、部品自体が調達できません。
そういう時は、最終手段である「部品の自作」となります。
下屋の上に設置された風除室の雨がバシャバシャと落ちてくる・・という問い合わせでした。
樹脂製の端部部分が劣化して跡形も無くなってます。
これじゃあ、雨は落ちますね・・
先ずは、樹脂部材とコーキングを取り去って奇麗にします
紙を当てて形を取ります。
このあたりはアナログですね(笑)
下地も考慮してどういう形状にするかをここで決定します
アルミ樹脂複合板を用意しました
外部での仕様には、このアルミ板が重宝します
加工も容易で強度としてコシもあり、耐久性もあります
汎用部材としては「推し」です
アルミ樹脂複合板に形を写します
アルミ樹脂複層板をカットした状態
養生は最後に取ります
これで準備はOK
現場でアルミ部材を取り付ける下地を本体に取り付けます。
樹脂製胴縁や樹脂製野縁が重宝します。
端材も取っておくと何かと便利です
木口部分に防水用のコーキングをたっぷりと塗ります
自作部材を取り付けます
最後に、部材の周辺部をコーキング処理して完成
樹脂の下地材はわざと隙間を開けて設置していて、そこに防水シールを充填するようにしています。
反対側の雨樋も同様にして修理します
部材の取り付け終了
修理完了。
これで雨が漏らないか様子を見て頂きます
「樹脂」は使用する場所によりますが、10年くらいで劣化して15年もてば良い方ではないでしょうか。
コーキングも基本的には5年が寿命と言われています。
なので、樹脂+コーキングだと10年が限界と見ています。
アルミ製の屋根やカーポートはせっかく主たる材料がアルミで長寿命なのに、樹脂部材で耐久年数が半減してしまうわけです。
メーカー部品の保存期間は製造を中止してから5年が基本です。上手くいけば10年くらいは部材が残っている可能性があります。
よって、製品を設置したら10年後にメンテをすれば、何とか20年は使用できる計算となります。
20年前はアルミ屋根も比較的安価に設置できましたが、現在の物価高の傾向下では解体費も含めて倍以上の価格になる懸念もあり、補修して使えるならば補修した方が良いと思います。
今回はアルミ樹脂複合板を用いましたが、耐久性から見ればコーキングの方が寿命が短いので、コーキングが切れて水漏れをしだしたら、同じ作業を行えば良いことになり、
アルミ樹脂複合板は20年以降も存在しているでしょうから、アルミ製屋根は半永久的な寿命を持つことになります。
自作部材の場合は、製品そのものの構造を知っていなければ問題は解決しません。
水が漏れない為のポイントを熟知していれば応用も効くしアイディアも出てきます。
実際やってみると「こんなものか」という簡単なもので、コロンブスの卵なのですが、そこを難なくこなして問題を解決していくのです。
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